それを目的に旅に出てしまうくらい美味しい、世界のパン
パンのおいしさに目覚めたのは、海外で本場のパンを食べてからでした。
最初に好きになったのはニューヨークのベーグル。日本で食べるものとは別物で、あまりのおいしさにいろんな店舗を回っては食べまくりました。
それ以来、海外で出会ったパンを堪能しては、自宅で再現するという楽しみができました。
(さすが日本、食材は揃っているので結構高い再現ができます)
ここでは、わざわざその国に行って食べる価値があると思う、とびきり美味しい8つのパンをご紹介します。
ベーグル(ニューヨーク/アメリカ)
◉食べ方:クリームチーズを挟んでそのまま
◉味:モチモチとしていて旨みがギュッと詰まっている
◉製造方法の特徴:発酵のあと茹でるので膨らみが抑えられ、ずっしりとしたパンになる
ニューヨークのベーグルはとても大きくて、朝食とお昼の2回分くらいはあります。クリームチーズだけは必ず挟んでもらってね。
冬のブルックリンでベーグルとホットコーヒーを買って、川沿いのベンチでスケッチしながら食べたことを思い出して、10年以上前のスケッチを掘り起こしてきました。味と絵と記憶って結びついているんですね。
コーンブレッド(アメリカ)
◉食べ方:バターをたっぷり塗ってそのまま
◉味:甘くてコーンのツブツブした食感が美味しい
◉製造方法の特徴:ベーキングパウダー使用で発酵なしで簡単に作れる
肉料理の付け合わせについてくることもあるコーンブレッド。素朴な味ですが甘くて食感がよいので大好きです。
アメリカで知って美味しいなと思って自宅で焼いてみたら、天にも上るおいしさだったので、焼きたてを食べたいなら自分で作った方がいいかもしれない。
でも現地でふと出会うコーンブレッドに癒やされるのも事実です。
黒パン(エストニア)
◉食べ方:ホイップバターをたっぷり塗って
◉味:ライ麦のパンなのでほのかに酸味があり、膨らまないのでずっしり
◉製造方法の特徴:作ったことがないので、いつかチャレンジしたい
2日くらい長時間醗酵させた、グルテンフリーのライ麦パン。レストランで前菜のように最初に出てきます。添えられているクリーム状のものはバターです。たっぷり塗って食べましょう。
スーパーで買う黒パンはあまり美味しくないので、ぜひレストランで味わってください。
ホブズ(モロッコ)
◉食べ方:タジンをすくって食べる
◉味:固めで噛めば噛むほど旨みが出る
◉製造方法の特徴:全粒粉入りで、発酵時間も短め、雑に作った方が本場に近い
モロッコのパン屋ではパンを売っていません。そこで並んでいるものは売り物ではなく、各家庭がこねたものを焼き上げたもの。パン屋じゃなくて、パン焼き屋ですね。
粘りのあるしっかりしたパンなので、ちぎってスプーンのようにタジンをすくって食べます。窯がない日本では、フライパンにオリーブオイルを塗って焼いても美味しく仕上がります。
バゲット(フランス)
◉食べ方:朝食にそのまま、または食事と一緒に
◉味:表面がパリパリで中はもっちり
◉製造方法の特徴:バターを入れない中力粉のパンで、あまりこねずに低温発酵する
モンマルトルのアベス通り近くにはパン屋がたくさんあります。毎年行われるコンクールで受賞したパン屋ばかりでどこも美味しい!
夕方には、仕事帰りに焼きたてを買って、手で持って歩く人たちとすれ違います。みんな我慢できずにてっぺんだけ齧った跡があります(笑)
ちなみに、パリの朝食はカフェオレと大きなクロワッサンです。これもとても美味しいですが、クロワッサンは日本のものも負けていないので、ここではバゲッドを推しておきます。
シミット(トルコ)
◉食べ方:屋台やパン屋で買って歩きながら食べる
◉味:硬い胡麻パン。直火焼きなので表面が硬くて香ばしい。パン屋ではややふっくらしたものも。
◉製造方法の特徴:発酵時間が短く、直火の高温の窯で短時間で焼き上げる
道を歩くおじさんが、みんな片手にシミットを持っているという感じ。朝ごはんに、おやつに、屋台でちょっと買って食べるんでしょうね。
パン屋で食べると日本人好みのふわっとしたものもあるので、屋台もパン屋も試して欲しいです。
花巻(中国)
◉食べ方:そのまま食べても、具を挟んでも
◉味:ほのかに甘い蒸しパン
◉製造方法の特徴:蒸し器で作るので発酵時間が短くてもふっくら仕上がる
肉まんの外側ですね。花のように成形したマントウのことです。
そのままでも十分美味しいですし、肉まんのようにいろんな具を挟んでもOK。
簡単に作れるので、もちもち、ふっくらと、お好みに合わせて粉を配合して作ってみてください。
シュトーレン(ドイツ)
◉食べ方:12月頭からクリスマスまで毎日薄く切って食べる
◉味:パンとフルーツケーキの中間くらい
◉製造方法の特徴:保存食なので、焼き上げたらバターの海に浸けてから砂糖を2回まぶす
お菓子という扱いですが、ドイツではパン屋で買うことができる、甘いハードパンです。
常温で何ヶ月も置くので、砂糖でしっかりコーティングされており、真ん中から切って食べます。
ワインとも合いますよ。
パンが食べたい、それだけの理由で海外に行ってもいいですよね。
おっと、オーブンの中のコーンブレットが焼けたようなので、また!
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