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ドラマで勉強「虎に翼(第17週84話まで)

第17週は涼子様と玉ちゃんのお話。
そして三条の権力者・森口の「容姿端麗でばーか優秀な娘(杉田太郎弁護士談)」の美佐江が登場。

寅子は毎週、水曜日に新潟地裁で刑事事件を担当することになりました。
19歳の少年(被害者)と20歳の大人(加害者)の傷害事件。

19歳と20歳で何が違うのか。
これは誰も答えられないですよね。

19歳の少年自身も別の事件の加害者であった。
そして「自分も加害者だ」と自首をしてきた少年少女が6名。
19歳の少年を入れて7人・・・の小人。

7人の小人を操るのが東京の法学部受験を目指している美佐江。
「特別な人」にだけ渡している真っ赤なビーズのブレスレット。
一箇所だけ尖っていて「毒矢」のようにも見えます。
とんだ白雪姫で、自分で毒リンゴを配っていました。

うっかり寅子も貰ってしまいますが、ブレスレット繋がりで美佐江が黒幕であることに気が付きます。

いきなり令和というか平成の少年事件のようになってきた。
美佐江も7人の小人たちも裕福で成績優秀らしい。

三条の権力者・森口は絶対権力者。その娘ですから、誰もが美佐江をおだてまくるだろう。
なまじ美人だと「森口さんのお嬢さんは垢抜けて美人だすけ、勉強も出来るんらて。流石なな〜」とか訳の分からない褒め方をするんだろうな。

「森口」というブランドで全てを語られ、誰も自分の本質(中身)を見てくれない。
「ちゃんと見てほしい」願望は誰にでもある。

昔、涼子様も「私が優秀なのは自分で努力したからなのに、華族だからと言われるのが嫌」と言っていた。

今は玉ちゃんと英語教室をやっている。

涼子様は寅子に向かって「ここに来ている子供達は特別でございます。利発でみな裕福で両親からの寵愛を受けて、生活に困ることはございません。でも時々ね、一部の子供たちだけど、昔の私のようなお顔をされるの。孤独や苛立ち、誰も自分を理解しない。そんなお顔」

子供は物を与えられたら幸せか、と言えばそれだけではないし。

特に点数などで分かりやすい学業において優秀な子の親は「賢い子だから大丈夫」という謎の安心感を持ってしまう。

その子が本当は何か困っていないか、何か気になっていることはないのか、を知ろうとする機会がない。

ある親は「おまえは優秀で当たり前」と考えている人もいるかもしれない。

涼子様が家の為に法律家の道を捨て、「誰の子でもいいので桜川家の血を途絶えさせるな」と実母に言われ。これはもう「どんな男でもいいから身を売れ」ということと同義。

そして戦争が終わったら身分を失った。
犠牲にしてきたもの全てが無駄になったということ。

でも涼子様はやさぐれなかった。
語り口も考え方も、私たちが知っている涼子様のままだった。髪の毛もボサボサで新潟でティールームを経営、つまり一般人と同じく労働をしていても、その気品を失わなかったのは玉ちゃんのお陰だろうな。

美佐江は「なっていたかもしれない」もう一人の涼子様。

「友達」がキーワードでしたが、人が人に関わる時、愛を持って手を差し伸べ、身を投げ出して繋いでいくのか、エサを巻いて首輪のように繋ぎ止めるのか。

そもそも「人と関わらなければならないのか」みたいなことを考えさせられました。

憲法が変わって一応の平等な社会は出来たけれど、縦だった人間関係をいきなり横にするのは難しいこと。

玉ちゃんの涼子様を想う気持ち、涼子様の玉ちゃんを想う気持ち。

大切な人に幸せになって貰いたい。その為に自分が足枷になっていないか?自分が居なければ大切な人は自由になれるのでは?

愛ですね。

今でも玉ちゃんは「お嬢様」と呼び、涼子様は「玉」と呼ぶ。
一度たりとも涼子様は玉ちゃんと見下したりしたことはなかった。

玉ちゃんは涼子様を尊敬していたと思う。そして「自分はお付きの者である」というわきまえもあった。
ただ寅子達と一緒に行動しているうちに仲間だと思ってしまった。

足が不自由になったこともあるけど、大学で法律を学んでいない。本当の学友ではない。学歴という意味ではなく、そこが一線を引いてしまったのではないかな。

寅子と涼子様が法律の話をしている時の顔が冴えなかった。会話の中に入れない自分。

結局は「付き人」であったことを思い出させる。
英語のレッスンは人気なのに。人は自分の良い部分は見えないもの。

「お嬢様」「玉」はただの習慣だけど、ほんのり上下が残ってしまっています。

何故、玉ちゃんが英語だったのか。
今回で回答が出ました。

寅子の計らいで涼子様と玉ちゃんが向き合うことが出来ました。

涼子様は玉ちゃんの手を取り「とっても幸せよ。全て自分で決めて人生を進んでいる。どんなに大変でも、玉と生きていくことが幸せなの。けれどもあなたの気持ちも考えずに独りよがりだった。ごめんなさいね。」と謝る。

その時「玉ちゃん!!!私はせめて二人が対等であってほしい。全てを諦めて欲しくない」と喝を入れました。

「これ以上お嬢様の負担になりたくない」という玉。
玉の意思に強さに涼子様が手を引こうとした時、玉ちゃんがもう一度握りしめて

I can't imagine life without you.
Could you be my bosom friend ?
あなた無しの人生は想像出来ない。
私と腹心の友になってくれませんか?

You 've lived being my boson one,Tama.
あなたは既に腹心も友よ、玉。

なんと美しいやり取りでしょう。

英語だとお嬢様も「you」なんですよね。

「boson」は「(特に女性の)胸、愛」という意味があるそうです。
体のどこにハート(心)があるか?と問われると、思わず心臓に手を当ててしまいます。多分、そこを指しているのではないかな?

古代は魂は心臓に宿っていると考えられていました。物理的にも心臓は何よりも大切な臓器です。心臓が動かないと死んでしまう。
私の大切な大切な人。私の鼓動である人よ。魂から大切な人よ。
私はあなたがいて生きていられます。
そんな意味かな、と勝手に解釈しました。
いわゆるソウルメイトです。

平等はシステムで何とかなっても、対等は人間の心が作り、相手との関係で調整していくもの。
自分を下にしてしまってもダメだし、上にしてもダメ。難しいですね。


そして優未。

どうやら学校の先生が女子2人に優未と友達になってあげなさい、と指示した模様。それを察知した優未は

「やっぱりそうだったんだ。声をかけてくれてありがとう。お互いに無理をしても誰も幸せじゃないし。そこから友達になるのは難しいと思う。誰のせいでもないよ。だから一緒にいなくてもいいよ。ありがとうね」

と一人で帰る道を選びました。
偶然寅子も居合わせましたが、こっそり見守ることに。

学校の先生も東京から来た子だから、と配慮したんでしょうね。
でも、友達って無理をして作るものじゃない。

大人でも「友達がいたほうがいいかな」と無理をして友達を装い、人間関係に疲れてしまうケースも多い。

私たちは「ほうがいい」という疑問を持ちがちです。友達がいた”ほうがいい?”。結婚をした”ほうがいい?”。彼氏がいた”ほうがいい?”。

占いでもよくあるご質問なのですが、その回答は理由や目的によります。
皆んなが持っているから、常識だから、もう30歳だから、という理由は少し弱いかな。

というか”何々をしたほうがいい?”の答えはないと思う。

例えば1日中、水を飲まないで砂漠を歩いてきた人がいて、「私は水を飲んだほうがいいでしょうか?」と聞かれたら「生きたければ飲んだほうがいいでしょうね」としか答えられない。

「飲まないと死にそうです、死にたくないです。水を下さい」と言われれば、直ぐにでも水を差し出すけれど。


人は「ちゃんと見てほしい」生き物なので、それが友達だろうと家族だろうと。
どんな間柄でも、一人でもいたら救われるのだ。

優未、思った以上に大人だった!
お父さんも自分と同じお腹ギュルギュルだった。

自分のルーツを少し知ったことで「自分」を持ち始めたのかな?
自分がヨシとするものを持ち、それをちゃんと人に伝えられた。
凄い。

家に帰って、寅子はかける言葉が見つからない。
変顔をして振り向いたら、優未も寅子に向けて変顔をしていた。

変顔は励ましたり、リラックスさせる為にするもの。
寅子も優未もお互いに気を遣っていたんですね。
ずっと緊張感が漂っていたもんな。

やっと寅子が優未にハグを。
「どうしたの?」と問う優未に「もう少しだけ」と、かつての優三さんと同じセリフが出ました。

優三さんは今生の別れの時だったけど、寅子は今生、初めて優未を心から愛おしいと思ったのではないだろうか。

ハグしてきた寅子の背中に腕をまわす優未。
優未が寅子を抱いてあげた。そんなシーンでした。

大人になった優未。
寅子が頑張って溝を埋めなくても、優未は溝を超えてしまったのかもしれません。

白雪姫・美佐江問題はまだ解決していないので、この先どう決着をつけるのか。
また森口さんと一悶着あるのかな。


「公平・公正」のカード。
8番・アジャストメント(調整)

古くは裁判官を描いていて「正義」という名前のカードでした。
「虎に翼」も法律・正義・正しさを描いています。

天秤には2つの皿があり、その釣り合いを取っている様子です。
二人の人間がいたら、お互いに調整をし合って釣り合わせる。

中央の人はコマのように高速回転をしているそうです。
釣り合いを取る為には、動いていなければならない。
その時その時の状況に合わせて常にバランスを取る。
それが調整です。

天秤座に対応するカードで、天秤座の守護星は金星。
金星は「愛」

帽子はハート型で。
そこから天秤がぶら下がっています。
愛を持ってお互いが繋がることが公正であり公平、そして対等になるのでしょう。


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