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辛夷が散る

花は咲いて散る
花が咲いて散る

去年も咲いた
今年も咲いた

そして散りゆく

ただそれだけなのに


実を結び為に
葉を茂らせ
花弁を落とす

その一連の繰り返しの何に
侘しさや憂いを覚える

樹には樹の時間と生き方があり
私と重なるものなど
殆どないのに

路肩に立つ木を
ただの通りすがりに見上げるだけの縁でも
気持ちを重ねてみたくなる

見知らぬ誰かに
気持ちを重ねるよりも

互いに心地よく受け止めて
受け流せる様な
そんな気がする

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