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精神疾患サバイバー

娘が時々言う。
お父さん、最近良くなってると思う、と。
今日の夕飯時にも言っていた。

元夫、娘の父は、強迫性障害の不潔恐怖症と診断されている。
私が娘を妊娠して間もなく発症し、
年々悪化。
私は彼を医療に繋ぐ努力はしたが、受診は数回で途絶えてしまった。

帰宅時に足の裏が汚いと言い、
玄関口で靴下を脱ぎ足裏を消毒するようにと、
私達母子は毎日強制されていた。
少しの間外に出ても、必ずその都度消毒、着替え、シャワー。
“ちゃんとしたか”の確認は、遊びに行った先でも、
夜中で私達母子が就寝していても起こしてまで行われた。
母子で温泉から帰宅したのに、
なぜまたシャワーを浴びなければならないか、
そんなことで口論が絶えなかった。

私が娘を連れて別居すると、
彼は繰り返し自殺未遂をし、
私の周囲には私が“実子誘拐犯人”と触れ回った。
完全に壊れた彼は、家庭も破壊した。

小学生だった娘が、私と作ったハーブ入り石けん。
右上が、娘の作品
“消毒液のボトル”だそうで、お父さんにプレゼント。


時折、元夫に誘われて娘は遊びに行くが、
彼は玄関口でのあの大事に大事にしていた儀式を、最近はあまりやっていないのだとか。

やっぱり、お父さんみたいな人は一人暮らしが正解かもね
自分のペースで軋轢なく暮らし、
心が落ち着いたなら良かった、と私。
すると、娘がさらりと言った。
今良くなってるってことは、また悪くなるってことだね。

冷や水のような一言だった。
赤ちゃんの頃から(いや、生まれる前から)、
私達親に振り回されて生きて来た人の言う言葉。
親に甘えながらも、実に冷静でシビア。

安心感や信頼感に欠け、
心から甘えられなかった寂しさを抱えて。

いわゆる毒親育ちが、
変な男性に依存するとも聞く。
しっかりしているようで、
そんなアンバランスさを持つ友人がいたこともある。
私は未来を恐れる時がある。
シビアな目で異性、大人を見ることが、
娘の弊害になるのか、逆に守りとなるのか。
まだ幼さの残る人を見ながら考える。


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