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差別と、新しい友達

8月最後の日、私は仕事
仕事後に、引っ越し前の家に行き、
改めて大家さんに挨拶もして来た。
体力がなく、掃除は数回に分けて終えた。
“きれいに使ってくださってありがとうございます。たえちゃんが元気なのが良かった”
と大家さん。
一段落。

娘たえこは、午前中から友達宅へ行ったらしい。
母がLINEで知らせてくれた。
昼に帰宅、
午後は友達が迎えに来て、また出掛けたそう。
雨上がりに近くの公園で女の子数名とお喋りしていたとかで、
スニーカーはぐしょぐしょ。
夕方に父が散歩していると、ニコニコと自転車で現れたのだとか。

海が近い町にいたから、自転車はたえこのだけ見事に錆だらけ。笑
ここ数日は、夕方に私が帰ると、実家の駐車場にはパステルカラーの自転車数台がきれいに並べられていた。
皆はしっかり鍵を掛けているが、
娘は自転車に鍵を掛けたことはない。
引っ越し前は顔見知りが多く、周りの子も自転車に鍵を掛けていなかったっけ、
この差にも笑った。
来年はまた自転車も買わなくちゃ。
錆びて、小さくなった。

たえこには、転校して最初の週。
まだクラブ活動は始まらず、
連日、日替わりで(!)新しい友達と過ごしている。
私は女の子達の名前を覚えるのに忙しく、
実家の掃除に、文字通り汗だくになっている。

たえちゃんコミュニケーション力あるのね、と私。
そうでもない、
なんか自然と仲良くなってるけど
グイグイ来る子はちょっと苦手なんだ、とたえこ。
独占したがる子がいるそうで。
別の子とたえこが一緒に行動すると、文句を言ってくるらしい。
元夫のようだ。

私は、急にはっとする。
引っ越し前、
海と山が近く、たえこが大きくなった懐かしい場所。
しかし、元夫が繰り返し押し掛けて警察騒ぎを起こしたせいか
“たえちゃんのお父さんて変な人なんだよね”
“おばあちゃんが、たえちゃんと遊んだらダメだって”と、言う子もいた。

確か小学校に入り立ての頃だ。
元夫は入学式でも、入学は自分は認めていないと騒いだのだった。
あからさまに娘だけを排除する大人が、複数いたし、
騒ぎを境に、私や娘の挨拶を無視する大人もいた。
娘は、町が好きだったけれど、差別にも気づいていた。
お父さんのせいでまた友達を失うのは嫌だ、と訴えたこともあった。
そんなことを知ってか知らずか、
いつも“たえちゃん、お手伝いえらいね”“たえこ、宿題した?”と優しく声を掛けてくれたご近所さん、
実家同居のアドバイスをくれたPTA仲間、
引っ越し前に親子で駆けつけてくれたママ友も、いたのだが。

娘は解放されたのだ。
自分に呆れる。
ようやくその事に気づいたのだから。


転校後
日替わりで遊ぶ友達の中、一人だけ複数回、家に来た子がいる。
元々同じく転校生で、
気に入ってる番組やゲームが同じで、話が一致するそうだ。
今時の流行りの格好が似合っている。
ふんわりとして見えて芯が強そうなところは、たえこと同じ。

1人もいいものだし、
気の合う友達も、とってもいい。
娘の新しい生活は、始まったばかり。


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