記事に「#ネタバレ」タグがついています
記事の中で映画、ゲーム、漫画などのネタバレが含まれているかもしれません。気になるかたは注意してお読みください。
見出し画像

かぐや姫と、台所

お借りした画像の、我が家感と言ったら。
この状態で娘が友達を連れて来るとちょっと焦る。

連休最後の日は、“かぐや姫の物語”を見た。
姫の“かかさま”となる媼の存在が一番気になるのは、私がもう媼の年齢に近いからか。
何なら私の方が歳上かもしれないが、あんなに老成していない。

連休とか、休みって言うけれど。
シングルマザーだけではなく、殆どの母親に完全に自由な日はない。
料理や洗濯は好きな方だと思う。
人が喜ぶことは嬉しい、大事な役割だとも思う。
だけど、好きなだけではいられない、
義務になっていることに、時々腹が立つ。
あと数年して、娘が巣立っていったら。
今はため息が出ることも、懐かしく寂しくなるのかもしれない。
ただ、そのどちらかしかないのか、
自分の感情すら選べないのかと思うと、腹立たしいのだ。

媼と姫は、翁に付き従い讃岐の山から都に移る。
天から授かった黄金で、大勢の従者にかしずかれ何不自由なく暮らし始める。
翁は、姫に教養と豊かな暮らしを授け、貴公子に身染められることこそ、天からの使命だと説く。
教育係の相模が面白い。
さながらハイジのロッテンマイヤーさん。
媼は屋敷の隅で畑仕事をし、かまどで火を焚く暮らしを“時々”続けている。
姫も、この秘密の場所に逃げ込んで手仕事をして、心を休めている。
こんな、義務ではない家事なら、私もしたい。
姫なら、私の思いを否定するかしら。
“生きていると感じられる”方を選ぶのか。

手習いを始めた頃、姫は教育係の目を盗み、空蝉のように衣を残して笑いながら逃げて行く。
さらに成長してからは、公達や帝に驚き怒り、姿をくらます。
姫の怒りと抵抗、悲しさを、“光る君へ”に重ね、千年先の自分とも重ねて見ていた。









この記事が参加している募集

#創作大賞2024

書いてみる

締切:

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?