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石井ゆかりの星占いは、バレエのような娯楽

石井ゆかりさんの占い本は、占い本というよりも優しいことばが紡がれている自己啓発本であり、クラシック音楽であり、バレエだと思う。つまり、ちょっと品のいい、グサグサ刺してはこないのにちょっと心がぐりぐり圧される娯楽。

丁寧で優しくて、ストーリーがあって。物語を読んでいるかのように楽しめて、包み込まれるような柔らかさがあって、すごく好き。占いというよりも、読み物として好き。星の王子さま読んでる時と同じ気分になるので、今生きてることが醜くも尊くて、周りとの関わりなしには生きてないんだと。1人じゃないよ、ずっとここにいるよ、と言われてる感じ。
幸福と言う言葉を安易に使わないのも好き。物事には表と裏、光と影が共存していることをきちんとわかっている。何かを得る事は何かを失うこと。誰かが幸せな時に誰かが泣いているかもしれない。そういうことを踏まえた上の言葉がとても染みる。

占いなんて、都合のいいことを信じたところで自分の選択に責任を持てず振り回されるだけ。都合の悪いことを信じて行動に手枷足枷がついて結局何も得られず損するだけ。見ないにこしたことはない。

分かってる。分かっているけれど。
それでも、石井ゆかりさんの文章は好き。生き方の姿勢に関するヒントがゴロゴロ転がっている。
なにより「都合よく受け取ればいいんですよ、占いは。絶対役立ちます!というものでもない」という本末転倒な石井ゆかりさんの姿勢もラフで好き。笑

というわけで。
以下、心に留めておきたいワードを抜粋させていただきます。あー沁みる。

▼「3年の星占い 2021-2023(著:石井ゆかり| すみれ書房株式会社)」より抜粋


人間が大きく変化するとき、人間関係もまた、一大変化を遂げます。  よく知っているはずの相手がまったく違った態度を見せ始めたとき、「元に戻ってほしい」「どうすれば相手が変わってくれるのか」と悩む人もいます。  でも、おそらく、それは「元に戻る」のではなく、「新しい関係を結ぶ」ことによって、より望ましいコミュニケーションを紡いでいくほかはないのだろうと思います。

「言葉を変える」ことは、「考え方を変える」ことと(中略)言葉遣いを変えれば、関係性も変わります。私たちは主に言葉によって、関係をつくっていくからです。

一般に「怒り」はネガティブなものととらえられがちですが、「怒り」こそは世の理不尽や不正義を正し、不公平を是正するエネルギーです。

「出会い」もそうですが、「ギフト」もまた、基本的には選べません。  外部から、他者から、一方的に「渡される」ものがあり、それを「どう受け取るか」を考えていくしかありません。  価値あるものを受け取ることは、一般にはうれしいことですが、たとえば「宝くじが当たる」ようなことが起こると、それがきっかけで不幸になってしまう人もいます。  これは、受け取ったものが悪かったということではなく、受け取り方や、受け取ったものの使い方がまちがっていた、という部分があるのだろうと思います。

「価値あるもの」は、慎重に、真剣にあつかってこそ、その真価を発揮するのです。  さらに言えば、「価値あるもの」をあつかうには、知識や知恵も必要です。

 世の中には、一気にまっすぐ走ってゴールにたどり着くようなテーマもあれば、「行きつ戻りつ」を繰り返さないとできあがらないものもあるのです。

幸福とは、なんの苦労もなくぬくぬくと真綿にくるまれているような状態を言うのではないだろうと思います。  自分なりにやるべきことがあり、手応えを得ていて、必要とされ、必要とし、大きな動きのなかに自分の人生の意義を見いだせていることが、本当に「幸福」と呼べる状態なのではないでしょうか。

 孤独と無為の日々は、人を苦しめます。  だとすれば、目標が輝き、理想と自由を追いかけ、愛に包まれているなら、これはもう、幸福としか言いようがないはずです。

外に出て賃金労働をすることだけが「社会的活躍」なのでしょうか。  子育てや介護、病気療養など、そのほか一般的には「プライベート」と目されるようなことにも、ちゃんと「社会性」は含まれています。むしろ、そうした状況のほうが、社会と積極的に結びつきをつくることが必要になる場合も多いはずです。  情報交換も、情報収集も、各所への相談も、専門家との出会いも、すべて「社会的な活動」のひとつです。

「差」があることによるメリットは、決して少なくありません。  なぜなら、「差」があることにより、「相手を想像通りに動かそう」という期待が薄れるからです。  おたがいのバックグラウンドが違っている場合、「なんでも相談しなければわからない」という前提のもとに関わることになります。 「なんでわかってくれないんだろう?」「このくらい察してほしい」という意識が生まれにくいのです「違うのが当たり前」だからです。

星占いの世界では、学びは旅と同じカテゴリーに入ります。  旅をして新しい世界に出会うように、私たちは学ぶことで新しいものに出会えるのです。学ばなければ、夢には出会えません。  

多くを知ることは、世の中の矛盾や「巨悪」に気づくことにもつながります。学ぶほどに人間の愚かしさに気づき、心に深い傷を負う人も少なくありません。  ですが、さらにどこまでも学んでいったその先には、いつか、ひと筋の希望が見つかるものだ、とだれかが言っていました。

自分ひとりでいるとき、私たちは自分が何者なのか、ほとんど知ることができません。  だれかと出会ったときはじめて、自分とその人の違いに気づき、自分の個性や性格を自覚できるようになります。  人と出会うということは、自分と出会うということなのです。
さらに、人と「本当に出会って」しまったら、私たちは変化せざるを得ません。  変化の大きさはもちろん、さまざまですが、人と出会うと私たちは、好むと好まざるとにかかわらず、「変わってしまう」生き物なのです。

星々がそれぞれカラーを持っていて、さらにそれらが「空のどこにあるか」でも、色味が変わってきます。  それらは交わり、融け合い、ときにはストライプになったり、チェックになったりして、私たちの生活を彩っています。  決して「幸運・不運」の2色だけの、モノクロの単純な風景ではないのです。

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