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顧客中心の考え方を企業に導入する際の大きな障壁、乗り越えていくためには

年始早々インフルになり(辛)早速noteの更新が滞っておりましたが・・・
HCDのイベントに参加してきたのでレポします!

HCD(資格の方)で文章書きまくっていたせいか、かしこまった文章で書く癖がついてしまい、note用に書き直してみたのですが勢いが消えてしまったのでそのままアップします!

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デザイン思考の社内浸透率は5%との調査記事も目にも新しい昨今、うまくいかない理由は多種多様で、重要性を理解していても難しいと言う。

正解がないからこそ迷走してしまったり、取り組んでも成果にたどり着けないままプロジェクトが終わってしまうことも多い。

HCDを実践したいけど苦戦しているお悩みを抱えた人のために、「HCD導入あるある」をパターン化し障壁を越えていこう!というワーキンググループ発足の会が行われた。

1/22、高円寺にあるヴァル研究所セミナールームでHCD−Net主催で開催された。
会の始めはワーキンググループ発足の経緯や取組内容についての話しがあり、上手くいかないケースが多いこと、その原因は多種多様で事例が公開しずらいという特性上、解決策を伝えていくことが困難になっている現状が問題をより複雑にさせているようだ。
このワーキンググループでは、導入あるあるをパターン・ランゲージを用い可視化を行う。具体的には、事例のパターンを抽出し、抽象化を経て、言語(ランゲージ)化されたものを指し(※1)、それを1枚のカードで表現したものである。本ワーキンググループは、2018年に設立され、活動期間は1年内に完成を目指す。参加者も募集中で、本ワークショップ後半で実施される事例も分析する予定だ。

本ワークショップの前半は、株式会社リコーの寺村 信介 氏が取り組んだプロジェクトについて参加者にインタビューをした結果をまとめたものが発表された。HCD導入の相談は多く、満足度も高いが所要時間の長さから商品開発プロジェクトでは中々取りれられないケースが多いようだ。実際導入してみてどうだったのか支援先にインタビューし、うまくいってない事例からのアプローチ検討を行った。
直近取り組んだ3プロジェクトとも途中でプロジェクトが終了してしまったとのことで、やはり何かしらの原因があって断念せざるを得ない状況になったようだ。
インタビューの結果は独自開発されたパターンライティングシートに落とし込み分析し、9つのパターンが生まれた。そのパターンの全体像を寺村氏は下記のように分析している。

その中でも特に気になった、またがあるある!と感じたパターンを紹介する。


企業の風土・土壌にあった進め方を実施することは一番重要なことで、それが合わなければHCD導入の導入や浸透は実現しないと考える。個々のワークショップでも1つ1つ状況に合わせてオーダーメイドで作り上げており、プロジェクト自体もそうあるべきである。ワークショップ自体が目的化してしまい、「やりっぱなし」になってしまうケースは我々が取り組んでいる中でよく聞こえてくる声である。
カルチャーは企業毎に異なり、仕組みや考え方の癖はもちろん、プロジェクトの進め方や組織政治の影響は大きいものがある。HCDは一部の部署が実施すればいいというものではなく、企業全体が顧客を向いていなければ生まれたアイデアも顧客を向いたものではない。サービスだけでなく、企業全体から発せられるメッセージも含めて顧客を向いていないと感じさせてしまうかも知れない。その重要性に気付いてHCDをトップダウンで取り入れようと経営判断をされる企業はそうでない企業よりも導入するための体制を整えることができるはずだが、ボトムアップで行うには上層部へまずHCDを理解してもらう、という大きなハードルがある。

別のパターンでも出ているが、パターン3の関わる人がみんなUXデザインを理解する組織づくりをするということにもつながる。実際そんな組織を作ることは容易ではないが、UXについて理解がある人が多いことに越したことはないし、こればっかりは体感してみないとわからないものではあるが、「とにかくやってみる」ということが重要である。やってみる場を作れるだけでも大きな一歩となる。

パターン5でもあるように、経営判断をするべき立場の方々は結果にコミットすることの優先度が高く、取り組みがいかに成果につながるかということを可視化し伝える必要がある。定量的な分析ではない特性上、明確な成果を伝えることが難しいため、これは経営層へのコミュニケーションの大きな壁となる。

特にこのパターン6は個人的にとても好きなパターンで「ヒーローにスポットを当てる」というものだ。HCDを通じて社内で成果があがり、例えばわかりやすい例で言うと担当者が昇格する。これは社内に導入するにあたりとてもいい兆候であり、社内でHCDが受け入れられいるということである。HCD担当者は孤独だ。世の中的にも知見が少なく新しい考え方に取り組もうと先陣を切る人だ。何をやっているかわからないと言われるかも知れない。目に見えた成果につながるのに時間がかかり、時には苦しい時間を過ごすかも知れない。そんな人にスポットを当てられたら。少なくとも我々支援する立場の人たちが、現場の担当者に寄り添い、一緒に取り組んで共創していくことが何よりの支えになる。担当者とパターン0の企業に合った導入体制を作り上げるのだ。これはクライアントとデザインパートナーが二人三脚で取り組むべきであるし、こういったワーキンググループを通じて出会う事例や仲間が大きな支えとなることであろう。

後半は本ワークショップ参加者が体感している「導入あるある」の事例を出して共有するワークを行った。

各自紙に成功/失敗体験を書き出し、その要因となっていること、どうすれば解決するかを書き出した。それを前段で寺村氏が分析したパターン全体像の項目である「チームビルディング」「プロジェクトの考え方」「メンバー育成」に分けて貼り出し共感できる事例や「あるある」と感じたものにシールで投票を行った。

投票が多かったり、私が気になった事例は下記の通りだ。

・上層部の鶴の一声でプロジェクトが終わってしまう
・UXという言葉が社内で独り歩きしてしまい、UXの意味も変わってきてしまっている
・実践してもすぐ前のやり方に戻ってしまう
・UXとそもそもよくわからないものに更に良くわからない言葉を使っているとどんどん自分とは関係のないものだと捉えてしまいがち
・HCDの手法だけを知りたがる、知って満足する
・インタビューやアンケートを実施しただけでHCDした気になっている
・HCDで作ったプロセスの記録がなく意味のない仕様書だけが残る
・UX担当者が辞めてしまう
・インタビューや行動観察調査をしても調査結果のみで判断してしまい、価値創造としてのアイデア出しにつながらない


上手くいかなかった事例が殆どを占め、みんな悩んでいる様子が伺える。これ以上にもたくさんの事例が今回集まったので、本ワーキンググループにてパターンランゲージ化されるようだ。体感しとしてプロダクトデザインや開発に携わる方の参加者が多いようではあったが、皆悩み、霧の中進む現状をどうにか打破したいと考える人達ばかりだ。

社内の人たちだけでなんとかしようと頑張ることにも限界がある。上下関係や社内政治に関係のない第三者である我々のような立場がどうやったらその企業に合った方法で導入が進められるか共に考え、共創して取り組むことの重要性を感じ、またこのように企業の壁も関係なく同じ悩みや思いを抱える人達が交わりヒントを得ながら進めることが大切だ。新しいことを始める先駆者はいつの時代であっても苦労し助け合い進んできたに違いなく、今後HCD導入を進めるにあたり課題や悩みは形を変えていくかも知れないが、こうやって取り組む姿勢の重要性は変わらないだろう。

※出展:クリエイティブシフト(http://creativeshift.co.jp/pattern-lang/)


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