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【ドラマ感想】不適切にもほどがある 登場キャラクターについての雑感

*「不適切にもほどがある」の登場キャラクターについての感想です。ネタバレを多分に含んでいるので、閲覧ご注意下さい。サムネは公式様より。

私は普段は全くドラマを観ない人なので、良く世間で「ロス」とか騒いでいる気持ちが分からなかった。そんなドラマが終わったくらいで大袈裟なと思っていた。

しかし、私は今、正に強烈な「ふてほどロス」に陥っている。

素晴らしい作品に出会うと、何時までもその世界観に浸っていたくなり、離れるのが惜しい。

しかし、最終話までの感想を既に書き終えてしまったので、この記事は余韻としてドラマ内の主要人物達についての雑感を語っていこうと思う。

追記 最終話の感想が見事に誤って削除してしまいました (この記事を書く為に複写作業の途中にやらかした) 再度書くのは断念。


小川市郎

このドラマの主人公。昭和61年で第六中学校の教師をしている。野球部の顧問をしており、そのスパルタ指導から「地獄のオガワ」と恐れられている。妻には早くに先立たれ、娘の純子と2人暮らしをしている。

1話から最終話までの半年間で一番意識がアップデートしたのは間違いなくこの小川さんだと思う。序盤の酷いパワハラ、セクハラ発言は回を追うごとに無くなっていき丸くなっていく。

パワハラ、セクハラは時代の流れで染み付いたものであり、蓋を開ければ、たまにお茶目な事をしたりするお節介な人情オジサンであり、令和でもたまに不適切な事を言いながらも周りの人に頼りにされていく。熱く面白い愛すべきオジサン。私は純子と同世代ではあるが、こんな娘思いの面白い父親が良かったなと思った。

あの「小川市郎」という愛すべきオジサンキャラは阿部サダヲさんにピッタリだと思う。

犬島渚

令和でテレビ局に勤めるシングルマザー。子育てとの両立が難しく、テレビ局を一旦辞めたが後輩が相次いで辞めたせいで復職させられた。有能なバリキャリ。

序盤の渚は、自分を掛け値なしに助けてくれる頼りがいのある「小川さん」に惹かれて付き合う事まで考えたが、自分の祖父である事を察してしまう。

後半で渚は、曲がった事が嫌いで気が強い事も相まってパワハラ疑惑で苦しむことになる。きっと渚が気が強いのは母親を5才で亡くしたせいで、シングルファーザーとして苦労して育てた父の姿を見ていてしっかりしなきゃと強くなっていったのかもしれない (単に母親似というだけかもしれないが) 渚には幸せになって欲しい。

小川純子

市郎の娘で非行に走るスケバン女子高生。父親に対して口は悪いが、実はちゃんと父親を大事に思っている。ムッチ先輩に憧れている。

序盤はスケバンらしくドスの効いた感じの暴言が目立ったが、父親同様に令和を見てきた事で内面がアップデートされた (じじい、金くれは最後まで直らなかったけれど)

純子を演じている河井優実さんは、歌も演技も上手なのでこの純子役を期に更に売れてくると思う。そういえば、このnoteで有名なエッセイスト岸田奈美さんの実写ドラマの主役もやっていたそうで。あの奈美さん特有の飄々とした感じも見てみたいと思った。

秋津睦実 (ムッチ先輩)

純子が憧れる地元の先輩。バイクが好きで良く乗り回している。団子屋の息子。「マッチ」に異常に憧れていて、彼の言動を完コピしている。

ムッチ先輩は不良でカッコつけている割には、純粋で天然で騙されやすい先輩。最初はセリフが全てマッチに掛かっていて変な先輩だと思っていたら、回を追うごとにドンドン愛されキャラになっていった。

ムッチ先輩が、市郎とサカエさんが未来の深刻な話をしていた時にトイレから泣きながら出てきて、「オレ、こんなんでもお邪魔しますは言うから! そこはケジメ付けるから」と。その後にサカエさんにコロッと言いくるめられて単純で可愛いと思った。井上教授のドッペルゲンガーの話も真に受けるし。その後、何が起こって彦摩呂ムッチになってしまったのかは気になる。

向坂サカエ

令和で著名な社会学者であり、タイムマシン開発者の井上教授の元奥さん。息子のキヨシと共にタイムマシンに乗って昭和にやってきた。

当初はフィールドワークとして、短期で令和に戻るつもりがキヨシが帰りたがらなくて市郎も昭和に戻ってこないので、小川家に純子の親代わりとして一時的に居候する事になった。

おかしいと思った事は何でも臆する事なく切り込んでいくサカエさんは、最初苦手なタイプだと思った。でも、回を重ねる毎に砕けたトンデモ発言が多くなり、安森先生との恋愛や市郎に友人として寄り添う姿に最後には好きなキャラになった。吉田羊さんめちゃくちゃハマり役だと思った。

向坂キヨシ

サカエの息子で令和で不登校だった中学生。昭和に着いてすぐに街で純子とぶつかって一目惚れして猛烈にアタックする。昭和だと地上波でおっぱいが見れると感激して令和に帰りたがらずにサカエ共々、小川家に居候する事になる。

純子を巡ってムッチ先輩と殴り合って、あれだけいい感じになっていたのに、純子の将来の夫ゆずるの存在が明らかになって以来、これまでの事がなかったかのように、すっかり純子の弟ポジションになったような気がする。あれだけ痛い目に遭ったのに。ちょっと可哀想。 

それまでは「おっぱい見たい」のイメージが強かったが、佐高君の件で根気良く寄り添うキヨシの優しさが分かって良かった。

井上昌和

タイムマシンを開発した大学教授。市郎の教え子であり、サカエの元旦那でキヨシの父。

中学生の井上少年は、最初はキラキラした目でタイムマシンへの夢を語ったり、真面目で素直な少年かと思ったら、年上の女性じゃなきゃ嫌だとか (多分、大人サカエを覗き見てから)女子アナにモテる為に大リーガーになりたいとか印象がガラリと変わった。

印象が変わったといえば、オジサンになった井上教授の方もサカエさんにモラハラ気味だったり、最初の印象とはかなり違った。もちろん根は悪い人ではないし、38年掛けてタイムマシンを開発したり、最後も粘り強く30年間もタイムトンネルを見付けるまで研究に没頭したり偏屈な学者気質なんだろうとは思う。

安森先生

第六中学校のキヨシの担任教師。顔もイケメンで高身長だが、保守的な性格で女性にはモテないらしい。阪神ファン。

後半でサカエさんをいきなり口説いて付き合い始める。親の影響でレディファーストもバッチリだし、見た目もドンズバでサカエさんも満更では無かった。でもホテルに行ってサカエさんが井上教授から電話が掛かってきて、途中で帰る羽目になってから連絡が途絶えた様子 (純子に連絡取れないって詰め寄っていたし)

最初出てきた時は頼りないし、ちょっと口うるさい先生だと思っていたけれど、まさかサカエさんと付き合うとは思っていなかったので意外だった。安森先生に幸あれ。

秋津真彦

令和で市郎を居候させているアプリ開発会社の営業マン。昭和のムッチ先輩の息子。

秋津君はドライでお父さんのムッチ先輩とは大違いだが、最後に振られた時のいつまでも引っ張っていたから、全然ドライではなかった。

それにしても、序盤で時代遅れな事を言う初対面のオジサンである市郎を、パワハラの聞き取りの時に庇ってくれたからと居酒屋のお会計を払ってあげたり、居候させてあげたり、ドライだという割には人情深い。

ムッチ先輩と秋津君が一緒の場面に出てくるシーンがあったが、顔はもちろん同じだけど声のトーンとか喋り方とかで全くの別人に見えた。磯村勇斗さんは演じ分けが上手でエグい。

栗田一也

渚が働いているテレビ局の先輩で、最初プロデューサーだったが途中でリスクマネジメント部長という出世コースに進む。

コンプラを異常に気にして、いつも部下を厳しく制している。寛大な処置を決してしない。冷たいようだが、それには理由があって、自身も1回の不倫で17年経った今でも嫁の親友達に許してもらっていない。だから世間の声の厳しさを誰よりも知っていて、1回の失敗すら起こさないように厳重な対応を取っているのだろう。

渚のパワハラ聞き取り調査など、コンプラ面では非常に厳しい上司だが、普段は気さくで、渚が復帰した時も周りが腫れ物扱いする中、「おかえりワンちゃん。久しぶりにロケして楽しかったよ」って戻ってきやすい雰囲気を作っていたように見えた。本当は明るくて面白い人なんだろう。

八嶋智人

渚がプロデューサーをしている土曜日の午後の情報番組「プレサタ」のMCをしている。その前は芝居の番宣で来ていたのが、急遽代役でもそつ無くこなして、その後、正式にMCに就任した。

私は八嶋無双とSNSを沸かせた回を残念ながら観られていない。でも、その回の後も「何でも断らずに即席で器用にこなしてしまう」という独特な存在感を放っている。

栗田さんの言葉に感銘を受けて、土曜日の午後に相応しい男になると影でけん玉の練習をしたり、休職を言い渡された挨拶に来た渚にサックリ挨拶しておきながら、後日に気遣いのカニを送るし、どこか捉えどころのないキャラだ。でも、ヤシマンはこのドラマでサカエさんに次いで2番目に好きなキャラになった。

すきゃんだるマスター

昭和でも令和でも登場キャラみんなの溜まり場になっているカラオケ喫茶「すきゃんだる(令和は英字表記)」のマスター。

昭和のマスターはリーゼント(?)でバッチリと決めたちょいワルなロカビリーオジサンという感じだが、令和ではさすがに88才という高齢のせいで、店番中もほとんどは寝ていて、鍋も振れなくて出す料理も味が格段に落ちている。面影は髪型と服装だけで弱々しいお爺さんになってしまった。

昭和と令和両方に出ているキャラの中では、一番変貌した印象(容姿以外) 何故88という高齢になって料理の腕が落ちても喫茶店を続けているかは謎。おじいちゃんマスターも癒し系で良いキャラなんだけれど。

犬島ゆずる

純子の旦那であり、渚の父親。若い頃はディスコの黒服で覇者であったが、バブル崩壊後家業のテーラーを継いでいる。

老ゆずるは心臓の手術をして、常に酸素吸入器を持ち歩くくらい身体が弱っているのに、それを感じさせないくらいお茶目な事を言ったりする。これも古田新太さんの持ち味なんだろう。

若ゆずるの見た目も性格も面影は無いが、若ゆずるも求婚ダンスを始めるくらいだから、やっぱりゆずるはゆずるなのかもしれない。味わい深く凄く好きなキャラ。

最後に

ゲストキャラまで入れると膨大になるのでこの辺に。みんなそれぞれ演技が上手でハマり役なので見応えがあった。だからこそ、終わってしまって寂しい。またSPでもスピンオフでもいいから観てみたい。

最後まで読んで頂き、ありがとうございました。

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