新城 公威(ミモマモ)

だらだらと何かしらを書いたり描いたりします。

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最近の記事

屋上同好会とエトセトラ(3-1)

俺の名は"絹亜 真一(きぬあ しんいち)"。この"私立世界高等学園"に通う"超イケメン"で"超高身長"で"超ハイスペック"な三年生だ。 俺が歩けば周りの女子達はもれなく群れになる。 "きゃー!絹亜センパーイ!" "今日も格好イイー!" "名前がキ◯ヌに似てるわー!" 今日も今日とて、学園の女子達は俺に釘付け。だが悪いな、俺には愛すべき"彼女"がいるんだ。 「おはようございます、真一さん。」 「あぁ、おはよう、蜜柑。」 彼女の名前は"箱入 蜜柑(はこいり みかん)"。超

    • 屋上同好会とエトセトラ(2)

      2.「ッは〜〜ッ!」その日の活動は、海乃の奇声から始まった。 「なんだ海乃、ついに頭がおかしくなったか。」 「どういう意味っスかそれ。」 「いやそのまんまの意味だけど…」 「いやァ〜、穏やかな春風が吹きますね〜…」 グンと背伸びしながら海乃が言う。 「それだけでそんな奇声をあげてたのかお前。」 その横で、グンと曲がった猫背の大江が返す。 「いやいや、それだけじゃないっスよ〜。平和ですスし。」 「まぁ、平和なのはヨシとしよう。しかしだ海乃。」 大江は真剣に言う。

      • 屋上同好会とエトセトラ(1)

        1.「…あのさ、海乃。」「何スか、先輩。」 「いやそもそもなんだけど、俺らって何なんだ?」 大江が変わらず陰鬱なオーラを醸し出しながら、自分より二回りは大きい海乃に訊いた。 「何って、屋上同好会っスよ。いつも通り。」 「いや、確かにいつも通りなんだけども。そのいつも通り、ってところが謎なんだよなー。」 「え、なんででス。」 「そらお前…」 そう言って、ぐるーっと屋上全体と、その上に広がる真っ青な空を眺める。 そうして、真顔で、キッパリと言い放った。 「何もやるこ

        • 屋上同好会とエトセトラ(0)

          0.りーんごーんらーんごーん。と、威風堂々としたグレート・セント・メアリー教会のそればりのチャイムが鳴り響く。1日の授業の終わりを告げるものだ。それと同時に、生徒たちはみな、それぞれ動き出す。ただシンプルに帰路についたり、あるいは放課後の体育館裏で愛の告白をしたり。はたまたバカな男子集団が女子のスカートというスカートを捲ってまわったり。校舎内ははちゃめちゃにわちゃわちゃとしていた。 そんな中に1人、トボトボと歩く少し小さな男子生徒が居た。 極力誰にも絡まれないように、できる

        屋上同好会とエトセトラ(3-1)