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ダイエットでつかえそうな漢方薬    その①ざっくりと(^_^)

5〜8月の「泻す」漢方

ダイエットに漢方薬の力を借りる場合、脂肪の燃焼とかそういう説明がありますが、基本は漢方学的にはそういった使い方は本来しません。
私が5月〜8月に使ったのは、抑肝散陳皮半夏、防已黄耆湯、越脾加朮湯、防風通聖散。確かに抑肝散陳皮半夏以外はダイエットの漢方としてできますが、どっちかというと自分の体調にあわせて「巡りをよくする」という目的で使ってました。その巡りをよくする対象が、気が中心だったり、血が中心だったり、水が中心だったりという感じです。
「ひたすら体重を落とす」ものというより「体を整える」「ダイエットの後押しをする」「動きやすくする」ための処方です。それでも夏はどちらかというと熱や水をさばく処方になるので結果的にダイエット系で有名どころ漢方になりました。
年齢的に東洋医学的でいう「腎気」(腎臓ではありません)の衰えを補うことも必要と考えたので、夏なのでとりあえずこれで、でも秋冬は徐々にそちらも考えて処方を工夫していこうとおもいます。

さて概要

ダイエットといえばよくあるのは防風通聖散、防已黄耆湯、桃核承気湯
3つ並んでいるのを見ると、女性の三大処方なんて言ってよく使われる当帰芍薬散、桂枝茯苓丸、加味逍遙散を思い出します。(実際はこの女性三大処方処方、男性にも使いますので誤解なきよう。実際は私はそこまでこの3剤を多用しません。)

いまから30年くらい前に漢方薬を初めて学び始めたとき、全国から不妊症の女性が相談に来る医師から学び始めました。
傷寒論の白文から読まないと行けない講義でした・・・それまでの「病名漢方」ではない処方でしたので難しいけどとても面白いものでした。
それからいろいろな講義や講座を受け続けていています。
今感じているのは最終的にAIなどで漢方処方が決まる時代が来るかもしれないなあということです。それが正しいと言うのではなく政府の方針として「私費」で「セルフケア」を勧める体制にかえようと・・保険診療を減らすため・・・だとおもうからです。
「セルフケア」には漢方はとても有効だと思います。結構、即効性もあります。そういう意味では「私費」「セルフケア」に漢方処方を使えるのはよいことですが、疾患のように症状がはっきりしているものへの対応ではなく、その患者さん自身の体調を整え、体力をつけ病気と闘う力をつけるという考え方での処方をAIが決めていくにはもう少しかかるように思います。

などという事はさておき、本題

さて今回、ダイエットに使えそうなものの解説をします。★は自分が服用したもの、☆まれに服用したものです。
防已黄耆湯★・・・水太りの人のダイエット薬として有名
越脾加朮附湯★・・・実は関節炎などでよく使われます
防風通聖散☆・・・コッ○ア○Aという名で市販されている
桂枝茯苓丸・・・更年期とか月経困難症でよく登場する
桃核承気湯・・・更年期とか便秘?
桂枝加朮附湯★・・・神経痛や関節炎でつかったりする
抑肝散陳皮半夏★・・・ストレス対応のお薬
大柴胡湯(去大黄)☆・・・肥満高脂血症など
五苓散☆・・・下痢、頭痛、夏バテ的な
当帰四逆加呉茱萸生姜湯☆・・・頭痛、腹痛、しもやけとか
麻黄附子細辛湯☆・・・風邪の薬
アコニンサン・附子末・・・冷えにつかったりする
扁鵲・・・私費の漢方ですがダイエット薬として有名

このなから自分に合ったものを選ぶとして・・・基準ですが
まず 水滞なのかお血なのか、血虚なのか
   肝気鬱結ある?
   便秘か下痢か
   口が渇くか?
   
あと、冷えのあるなし
素人判断でちょっと試してみるならこのあたりの分類?

太っている場合は基本的に全体の「陰虚」は考えにくいので巡りのわるさをどう解決するか考えます。
巡りの悪さは、ストレス・食べ過ぎ・運動不足などでで悪化します。症状としては肩こりや冷えや胃もたれ、お腹の張り・・・。とりあえずざっくりですが
*水っぽさ、水の巡りをよくするのに使うとしたら
  防已黄耆湯・当帰芍薬散・五苓散
*肩こり・冷えなどあり、血の巡りをよくするなら
  桂枝茯苓丸・当帰四逆加呉茱萸生姜湯
*便秘があって肩こりがあれば
  桃核承気湯・桂枝茯苓丸
*食べ過ぎ・便秘気味・冷えはあまりない・高脂血症
  防風通聖散・大柴胡
  便秘が軽度なら大柴胡(去大黄)
ストレスありますという感じで季肋部がつかえるかんじ
  抑肝散陳皮半夏・四逆散・女神散
ストレスと言うより物理的にうっ滞している感じ・冷えはない
  越脾加朮湯
冷えがあって巡りが悪い
  桂枝加朮附湯
このあたりでだいたい、2種類を合計で一日3包くらい。

大柴胡湯や防風通聖散・桃核承気湯、越脾加朮附湯は人によっては冷えるので使いにくいかなと思います。その点では私費ですが扁鵲はバランスがいいので万人向け。

今回はとりあえずここまで、「ダイエットに使えそうな漢方薬」その② 解説に続きます。




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