見出し画像

健康関連物質小ネタ1・・・イリシン・・・脂肪をへらして認知症を改善する・・・本当ならすげ〜じゃん?

irisinというマイオカイン

irisinを論文などで私が目をし始めたのは2010年代の後半。
ちなみにマイオカイン(myokine)というのも比較的新しい名称で「筋肉から分泌される生理活性物質の総称です。
マイオカインの有名どころとしてはIL6,これは免疫系細胞からも分泌されるもので炎症性サイトカインといわれるものの一つです。その他にはここで書くirisin、Myostatin,BAIBAなどがあります。
irisin
については
  白色脂肪の褐色脂肪化促進
  低容量だと皮質骨の骨量、骨強度をあげる
  認知症の改善に寄与する可能性(下述)

などの報告があります。

糖尿病の予防や治療の面でも研究されているのでそのうち薬剤が出てくるかもしれませんが、いまのところirisinの分泌を促すには「運動」が一番の選択肢と考えられます。

アルツハイマーとirisin

Nature Metabolismに掲載された研究で、研究チームは、運動中に筋肉から分泌されるイリシンがアルツハイマー病に起因する脳の障害に対処するための効果的な治療薬になる可能性があると述べています。

この研究では、アルツハイマー病のモデルマウスの認知機能と神経炎症が血流中のイリシン濃度の上昇で改善されることを報告しています。また、アルツハイマー病のモデルマウスにおいて、重大な病理が進行した後でもイリシン投与が効果的であったという結果を得ており、これは、通常、発症してからの治療が中心となるアルツハイマー病の患者への治療に影響を与える可能性があると考察されている。

いままでは運動が認知機能に与える効果としてFNDC5があげられていたが、彼らによると、その一部、可溶性irisinだけで十分であると彼らはいっている。

この研究のもう一つの重要な発見は、irisinが脳内のグリア細胞に直接作用して神経炎症を防ぐというデータです。
※神経炎症:自閉症やアルツハイマー病などに共通して見られる症状の一つで、グリア細胞=中枢神経系を構成する神経細胞以外の細胞、から分泌された炎症性サイトカインによって引き起こされるもの

更に、irisinはアルツハイマーの原因と言われるアミロイドβの沈着を抑えるともでています。

ここまでみるとirisin無敵

でもって「毎日の運動以上に脳の健康に良いものは想像しがたい。我々の研究結果は、そのメカニズムに新たな光を当てている。それは、加齢とともに脳ニューロンを最も破壊する原因である神経炎症を防ぐことだ」
                 と著者らは語っています。

irisinの濃度を上昇させる運動強度についての研究としてはいくつかありますが、具体的に数字がみえたのは「8週間の有酸素性トレーニング(60-70%VO₂peak強度の自転車運動を45分間,週3回)」の運動介入で高齢者の,血中irisin濃度を増加させ,このirisin濃度の増加は有酸素性トレーニングによる腹部内臓脂肪量の減少に関与している可能性があると家光素行らが報告している。
「デサントスポーツ科学」第35巻より

その他には
「全身振動刺激による筋ホルモンirisinおよび脳由来神経栄養因子BDNF発現」という科研の研究もあって、これは1日5分ですのでうちの場合はPPつかえばいいじゃんとおもいました。こっちがらくだから私はこっち派かな?

というわけで
実際に「認知症になる人は歩行速度が遅くなる」という結果があって、どっかの研究で「歩行速度を早くするというエクソサイズ」したら発症率下がったなんて結果をきいたことありました。それほんとか?とおもったけど「ありだな」と最近思います。
そして後・・・irisin 白色脂肪の褐色脂肪化を助けるってこと考えると・・・冷え性の女性にも注目だし・・・ますます注目したいかもです。

というわけで運動しましょうね・・・と言うお話でした。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?