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卯年の卯月(4月/中編)計画編2・・・邪魔する思考とダイエットの続け方②

さて今更ですが
「健康に体重が落ちることの利点」について・・・当たり前なことの復習。

〜一応 医師ですので〜
「体重を落とす=ダイエットの正当性や利点」を整理しておきます。とても一般的なものですので表題だけみて読み飛ばしてオッケーですしダイエットの動機を強めるのに役立ちそうであれば読んでみてください。

その1  体重を落とすことは血糖の安定化につながる。

高血糖は体を酸化させる・・・いろいろな病気を引き起こすだけでなく、エイジングを進める。
うちの家系は酒かまんじゅうで死ぬ家系です。
癌と言うより心血管系がやばい家系です。
仕事柄、とりあえず血管詰まったりしたら困る、周囲に半端なく迷惑をかける・・・回避せねば。糖尿病はもちろんのこと癌の罹患や新型コロナ重症化のハイリスク群です。その他動脈硬化認知症や様々な病気のリスクに関与します。まあ、私は頭では分かっていたけど目をそらした結果、この体型とこの状態。「知識」だけではだめで、ほんとうにまずいと「感じる」ことができないと意味がない証明です。老化(エイジング)にも関与します。内臓脂肪は血糖を抑えるインスリンの働きを悪くします。そして血糖が高いとAGEs(Advanced Glycation End Products)が上昇します。このAGEsは体の酸化=錆びること、を促します。つまり老化をすすめます。
例えばコラーゲンを老化させます。その結果、骨なら骨粗鬆症、そして皮膚ではしわの原因になります。AGEsを過剰に抱え込むと背中も曲がるし、姿勢も悪くなり安いし、しわも増える・・・つまりは「老ける」わけです。姿勢が悪くなると歩行速度は落ちます。運動も不足し転倒しやすくなります。このことは認知症の発症率をあげます。
「姿勢」「しわ」というコスメティックな問題にもなりますがAGEsに注意することは生きていく上でのアンチエイジングにも重要です。
体重が減れば血糖を安定化しやすく体の酸化を防ぐ。血糖を安定化を目指してのダイエットは体の細胞一つ一つからの若返りになります。

その2-1  体重を落とすことはこころの安定化につながる。

反応性の低血糖は気分を不安定にさせる
反応性の低血糖で倦怠感だけでなく、不安感が強くなったり抑うつ的になったり、眠気がつよくなるといわれています。また、一般的に糖代謝などで重要と考えられているビタミンB群。特に、ビタミンB6、葉酸、ナイアシンなどは、脳内で重要な役割を果たしているセロトニンやドーパミン、GABAをつくり出すために必要不可欠な栄養素です。
偏った食事の場合、過剰な炭水化物(とくに白米、白いパンなどの、精白した穀類)はビタミンB系を消費しますので、ビタミンB6やナイアシンを必要とする脳内のドーパミンやセロトニン、GABAのが不足してしまう可能性もあります。
また夜間の低血糖は睡眠の質を悪化させると言われています。睡眠の質の悪化はストレスホルモンを上昇させて血糖や血圧を上昇させる悪循環を引き起こします。

ダイエットの時に食欲がおさえられなくて食べてしまったといって罪悪感を感じたり、後悔したり、「意思が弱い」自分に失望したり・・・経験はありませんか?
過体重になると摂食中枢でPTPRJと言う酵素の発現が増えます。これは「レプチン」という脂肪細胞から分泌される食欲を抑えるホルモンの効果を落として食べ過ぎを助長します。
食べ過ぎは自分の「意思」の強さだけでなくこういった生理的な問題もからむので、減量して「脂肪細胞」が減ればこの点でも楽になると考えられます。

閑話休題1  極端なダイエットは精神的にも身体的にも未来に問題をひきおこす。

1950年代に実施されたミネソタスタディ。アメリカで健康な被験者が毎日約3,200キロカロリー(彼らの標準食)の食事に管理された標準化期間後、6か月の半飢餓期間(各被験者の食物摂取量は1日あたり約1,560キロカロリー)、その期間にわたって約25%の全体重の減少を生じるように計算された食事をし、その後はリハビリ期間を20週以上とる。といったものです。被験者のほとんどが重度の精神的苦痛およびうつ病の期間を経験し、リハビリ期間に食行動の異常がみられ、安静時に基礎代謝エネルギーの低下、体温の低下、呼吸および心拍数の低下が確認されました。無理なダイエットは実はダイエットの後に心身を痛めつけ、その後の人生にも影響をあたえることがしられています。

その3  過体重は関節に負担をかけて、結果としてQOLを低下させる

体重の3倍の負荷が関節にかかる。
関節が痛むと運動が出来なくなります。動けなくなると認知症がすすみます。認知症の人の歩行速度はそうでない人に比べて遅くなることが知られていますが最近では「歩行速度を落とさないこと」が認知症の予防になるという報告もでてきました。
健康長寿の要素の一つに「運動」は必ず上げられます。
過体重は関節に負担をかけます。減量はこういった点でもメリットがあります。減量で体への負担が軽くなることは身体活動や精神活動の両面でQOLを向上させます。

その3 癌にも関わります
肥満は子宮体がんのリスクファクターの一つです。その他、生活習慣病や多くの癌のリスクファクターとされています。



閑話休題2  ダイエットを断念する理由への反論集の例

*もったいないから食べる・・・・・・たしかにもったいないのです。否定しません。残すことが問題ののでしょうか。それより「自分の必要量以上」を抱え込んだこと・・・例えばバイキングで山ほど取ってくるなど・・・のほうが問題なのでは?万が一多すぎたなとおもったら、はじめから人に分けるか、保存法を考えましょう。とりあえず子供の残したものは・・・旦那さんに食べてとかお願いします。
可能であれば「お残しはなし」ではなく、「お残し」しなくてよい量を選べるようになるべきです。
*特別な日だから食べる・・・特別な日はあってもかまいません。
良くあるのは特別な日が多すぎるパターンです。へたすると毎日が特別な日ってのがあります。せめて週一回くらいかなあ。
*忙しかったからエネルギーを消費したから食べる・・・実際は使っているのはカロリーよりビタミンやミネラルだったりします。体を動かして消費されるエネルギーは「ウオーキング30分」なら60キロの体重で95kcal,70キロなら110kcal,80キロなら125kcal。「雪かき1時間」は60キロの体重で360kcal,70キロなら420kcal,80キロなら480kcal。自転車をやや頑張って30分こいだら体重60キロの人は183kcal 70キロなら213kcal、80キロなら244kcal
これに対してバターロール1つがだいたい100kcal弱、クリームパンは200kcal強、シュークリームのカロリーは78.7g(1個)で146kca、吉野屋の牛丼並633kcal、マックバーガー356kcal。動いたからとなかなかエネルギー消費は難しいです。
*疲れたから食べる・・・カロリーでは疲れを補えません。
*頭脳労働したから食べる・・・カロリーは頭脳労働ではほとんど消費は増えません。
*ほっとするから食べる・・・気分の問題なのでなんとも言えませんが、これを理由に甘いものを食べているとかえって反動で低血糖が来るようになってかえって不安定になるから余計甘いものに依存します。手元に何も置いていないとか、熱いお茶を飲んで「食べたい衝動」とちょっと距離を置くとかの工夫で間食は減らしやすいです。または「気分転換」が食べ物以外にあると乗り切りやすいです。

これ以外にもダイエット中は「正当化する思考」がでてきます。・・私はこれをモグラたたきのように対応し続けるとそのうちそのモグラはあんまり出てこなくなるか、コントロール可能になってきたのでこれは経過のなかで随時書いていきます。


卯年の卯月(4月/中編)・・・邪魔する思考まとめ

  • ダイエットを始めない理由で論理的なものはあまりない

  • ダイエットを始めない理由の根っこは「始めたくないから」

  • 「始めたくない」のは習慣を変えることの大変さを自覚しているから当たり前。

  • でもダイエットはカラダとココロの健康に様々な面で貢献する。

  • 短期間のダイエットは習慣の変更が少ないのでとっつきやすいが習慣化しないので体調不良やリバウンドの心配がある

  • 普段使い(長期間)ダイエットは習慣を変えることを大事だと考えるので「始める」覚悟は必要だけど「普段使い」できる内容なので継続可能で内容的にはあまり難しくないものになる。

  • 普段使い(長期間)ダイエットでは「ダイエットを中断したい」気持ちが出現するのにどう対応するかが問題になる。

  • 長期戦なので100%を狙わないで継続することが大事。

次は後編です。

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