球体

砂漠を転がったわけでもないのに
限りなく丸い この球体は
砂を纏い
薄い膜を張っているようにみえる
触れると砂はサラサラと溢れ落ちるのに
いままでそうしてこなかった
どれだけの月日を過ごしてしまっただろう
そっと手のひらにのせ
薄い膜に沿って
指を転がす
浮かびあがるのは
ひんやりと
肌に馴染む
鏡のように
私を映す
限りなく丸い球体

#詩 #現代詩 #自由詩 #砂 #球体

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