スラブ世界の天地創造 第4話 後編
それでは、もう前回の話なんて忘れてしまったわよ、という方はこちら前編を読んでからこの後編を読んでくださいませ。ええと、そもそも話自体が思い出せない、という方は第一話からどうぞ。(ごめんなさい!!!)
では はじまり はじまり
この『人間』は不死ではないので、白神も黒神も次々と作っていった。『人間』は、黒神の側にいるオオカミを恐れ、白神のもたらす火で温まりながらオオカミが日に寄り付かないことに気が付いた。
この『人間』たちは、白神のことをSwarog神と呼びたたえた。
ある日、神たちはこの『人間』が自ら増えるためには女が必要だという考えにいたった。そしてその時、海から黄金の髪をもつ美しいヒトが側に2人の介添人をつれて現れた。1人は後に未婚女性の女神となるDziewanna、もう1人は氷のような美しさをたたえるMarzanna。この3人が姉妹だという説もあるし、「春の少女」、「夏の母」、そして「冬の老女」という説もある。
この3人には婚儀のためのお供がついていた。まず初めに海の妖乙女だ。彼女たちは海岸近くで今か今かと待っている『人間』の男たちの相手となった。
男たちは喜び勇み、彼女たちの気を引くために燃え上がる炎の上を飛び越えた。彼女たちは男たちの手を取り、炎の周りを輪舞する。そして、頭の上にのせていた花の輪を水に投げ込み、男たちはそれを捕まえようと水に飛び込むのだ。花輪をつかみ取ることに成功すると、この男と妖乙女は手をつなぎ森の奥へと入っていく。この情熱を祝福せんがため、Swarog神はシダの花を咲かせたるのだった。
(ちなみに、今日でも夏至の夜は、炎の周りで踊り火の上を飛び越え、女性陣がながす花輪を男性が捕まえる、という風習が残っています。そして、いっしょに咲いているシダの花を探しに森の中へ入っていく、、、かはともかくとして、大都市ではもうすたれていると思いますが、山間部の地元だけの祭だと今でも見られます。まぁ、花の輪を投げて捕まえて、、、、その二人が両想いならいいんですけどね、はい。)
海の妖乙女の幾人かは、水から上がり陸で生活するようになったが、『人間』の男に幻滅したもの、陸での生活を拒んだものは海、川、湖の女神となった。
次に海から出たのは動物のメスたち。陸で待っていたオスたちはすぐに相手を見つけ、手放すことはなかった。
海から初めに出た美しいヒトが言った。「私は肥沃の大地の母Mokosza。 Swarogよ、あなたの炎を消し美しき子孫を授けましょう」
彼女の声はあまりに美しく聞くものは彼女のいう事に従わなければならないほどだった。
黒神はMokoszaの美しさに見とれ何故海の中で彼女と出会わなかったのかと、思わず口にするとSwarog神は「お前の運命の相手ではなかったのだ」と言い放ち、彼女の手を取り住処である「生命の樹」に連れて行った。
1人になった黒神は海に飛び込んだ。オオカミたちは遠吠えをし自分達の相手を探したがこのとき急ぎすぎて妖乙女に手を出すのもいて、その子孫が狼人間になったとも言われている。
オオカミよ、急ぎ過ぎでしょう、、、。
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