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「またおこられてん」

「またおこられてん」

作 小西貴士・絵 石川えりこ(童心社)


家庭菜園というほどでもないのですが、ちいさなプランターで、ナスとトマトの苗を一本ずつ育てています。

けさ、初めてのナスの収穫を向かえました。

土が少なかったのか、水が足りなかったのか、肥料がもっと必要だったのか…片手の中におさまるくらい、まんまるのちいさなナスができました。

スーパーで買ってきたナスは、はちきれそうなくらい凛としていて、「ナスです!!!」と主張しているのと比べると、「こんにちは…あのぅ…ちいさくてごめんね…」と、遠慮がちに葉っぱの裏に隠れようとしているみたいでした。

そう思うと、なんだか余計愛おしくなって、包む手のひらがじんわり暖かくなるようでした。

さて、どんな料理にしようかなぁ…


今日は、読みながら、クスッと笑ってしまうこの一冊。

心からあふれる素直な気持ちとともに、けんたろうが生き生きと描かれます。

子どもって、こうやって生きているんだろうなぁ…と想像しながら読むと、とっても楽しくなりました。

大人になるほど感情や思考は複雑になり、たくさんのことを効率的に、生産的に考えている人が多いような気がします。

でも、こうして見ると、子どもだってそれなりに、頭の中では、口に出さないことをいっぱいいっぱいぐるぐるめぐらせているんだなぁと思います。


どうやったらおこられないかな、とか、こうしたら褒められるかな、とか、にいちゃんに勝てる技ないかな、とか…

そんなふうに思ってることを、想像して子どもを見るだけで、大人の気持ちもほんのちょっとだけ、穏やかになるのではないかと思うのでした。


おしまい。










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