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同業界から見る、中古マンションの高騰は続くのか?

ありがちなテーマですが、同業界からの見立てをお伝えしたいと思います。

中古マンションの高騰=新築マンションの高騰・供給減とも言えます。

はい。高騰しています。

画像引用:東京カンテイ 「三大都市圏・主要都市別/中古マンション70㎡価格年別推移」


新築マンションが高騰、供給が減っていることは要因であると見えます。


2013年以降のエリア別の指数推移

少し俯瞰してみましょう。2013年からデフレ下でしたが、価格は上がっていました。土地価格に紐づいているところは大きいと思います。

主要資材価格動向

そこにコロナが来て、一気に建築材料の価格が高騰しました。

そして、輸送費が急激にあがりました。

日経電子版 2024/9/26

人手不足も深刻です。

です。まとめると
・土地価格が徐々に上昇
・建材が上昇
・建設業の人件費高騰
・配送費高騰

安くなる要素がないです。

でもどこかで落ちるはず。デフレ下で暮らした私たちはどうしても高値掴みが怖くて手がでません。

ですが、ちょっと古いデータを持ち出してみました。
2007年~2015年の中古マンション価格推移です。

首都圏、近畿圏、中部圏の中古マンションの平均価格(70平米換算、単位:万円)

冒頭のデータも再掲しています。

2007年以降、2009年に価格が10%超下がりました。文京区で300万円/坪を割るなんてこともありました。リーマンショックです。世界が不景気になり、金融不安で黒字倒産も横行。完成品の不動産も土地も投げ売りみたいな時期がやってきました。
 その後少し持ち直したと思ったら2011年に東北の震災がきました。景気は2年ほど低迷。2015年までは中古価格も安く推移しました。

その後徐々に価格は上がっていきます。

で、その後やってきたコロナ危機がきました。どんなにマーケットが痛むのか気になっていました。
不景気にもなりましたが、金融不安ではなかったためゼロゼロ融資があり、返済猶予もあり且つ供給も少なく価格は落ちませんでした。

そう、金融危機さえなければコロナ級のリスクが来ても新築マンション価格も中古マンション価格も大きくは下がらないことがわかりました。

ちょっと唐突ですが、アメリカの不良債権です。

CEIC 2024/9/10時点

米国の不動産ではコロナ後のリモートワークでオフィス価格が下落、地方銀行の貸付が焦げ付くリスクがあると業界内ではリスクととらえられていますが一方で負債額自体のシェアは住宅ローンに比べ大きくなく、金融不安が一気に広がることにはならなそうです。ということでしばらく中古マンション価格は高い状態を続けて上昇するかもという状況です。


エリアにより価格推移は違います。

人口の増加予測の強い東京都、特に23区は価格が高騰しています。
一極集中で人口増加≒賃料高騰の予測が立ちますからどうしても価格が上昇しますよね。

東京23区以外はどうでしょう。同じく供給は減っていますが、人口動態から考えればそう価格が上がらないと予測されます。
一方で、建材・人件費・運搬費が高騰していますから利益が取りづらく、新築マンションの供給はますます減ると思います。
人口は減るがマンションの供給も減る。駅近い物件とか特殊なものは価格が高くなるかもしれませんね。賃料がついていけば投資価値の高いアセットになるかとは思います。

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