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あなたはあのとき鬱だった②

🪻🪻🪻🪻🪻🪻🪻🪻💦🪻💦💦


この記事は昨日の続編なんです。
アイデアがつぎから次に浮かんできて
どこからどう手をつければよいのか


あなたは、本を読むのは好きですか?
恥ずかしながら、本を読むのあまり好きじゃありません。



映像を見てる方が文を眺めているよりずっと楽です。
世の中、AIで文章を作ることはすでに簡単です。




本を書く本を読む文化なんて正直きっとなくなってしまうのではとも思っているのです。(きっとここで本好きのあなたからは嫌われるんだろうな。とか思いながら書いています。)



(ちなみにこのお話はリアルで作ってますよ。そうしないとちっともうまくならないので。ただあとで読み直して次の日に加筆を加えたりしています。)



しかし、手遅れなのかもしれないと思いつつ、私は文章を繰り出す練習をしたり、本を読み始めたりしています。



だからってあなたの10分の1も頭に入らないのですが…

アホ
ほんと自分でも

アホって思います。
なのになにか本を出したい。


もしかしたら読者さんの
役に立つものを書けるかもしれない。
面白いものが書けるかもしれない。




そんなことを思いながら今日も指先を踊らせてみました。


よかったら大変はげみになりますので、読んでください。

🪻🪻🪻🪻🪻🪻🪻🪻🪻🪻🪻🪻🪻


今日も

 昨日のつづきです。↑(読んでない方はこちらから。)

  お父さん はやく 治って 

  
      
奈美子は電話を静かに置いた。

「 とりあえず、職場には電話したからね。





まあ、ゆっくり休んで、午後から行けそうなら病院とかいけばいいから。


じゃあね。 」


ホームドラマのようにキレイな優しい声などんなにいいだろうか…。


奈美子はそんなふうにはなれず、
湯気モクモクの温泉のケロヨン洗面器を
ポンっと置くような鈍き音を発した。

( お父さん、もう、勘弁してよ。しっかりしてよ。 )

「 行ってきます。 」

彼女は寒さをこらえながら、駅にむかった。AM6時半、2月の朝は寒かった。


奈美子が通う職業訓練場所は住んでる町から電車で1時間半ほど離れた場所だった。


イヤホンを耳に突っ込み携帯を開いた。


you tubeでも見ようと思ったのだ。


『ハッピーマイレージ♪』携帯の画面から不思議な歌が聞こえた。


活き活きしているおじさんがこちらを見て笑ってた。

プァーっと、音がなった。

電車がやってきたのだった。

🪻🪻🪻🪻🪻🪻🪻🪻🪻🪻🪻🪻🪻🪻

ハッピーマイレージ



すっかり夜になった。

職業訓練所は小刻みのタイムスケジュールだった。

帰ってきたらも宿題があった。


パソコンの資格のテストに向けて色々と勉強をしなければならない。

奈美子はドアをあけ、リビングに入っていった。

そして、信彦のいる奥の部屋をのぞいてみた。



布団の中から黒いジャージ姿が見えていた。さび付いた車輪のようにせなかが丸まっていた。


「 ただいま。どうだった?病院行った?」  

返事がなかった。

「 お父さんどうだった!。病院行ったの?」

信彦がぬぼっと布団から顔だけだした。
( 顔なしみたい。 )
奈美子は思った。


「 あぁ。行ってきた。」



( で??)

「 俺は鬱病だ。先生が言ってた。そう診断された。」

「 そう、よかったじゃない。ごはん買ってきたよ。食べる?」


「 いらない。何も・・食べたくないんだ。」


「 薬は飲んだの?もらったんでしょ。」

「 ああ、薬、昼に飲んだ。夜にはこれを飲むらしい。睡眠導入剤と精神薬。」
「 よかったじゃない。じゃあさ、お腹すいてないなら、薬だけでものみなよ。」
「 空腹じゃだめだ。食パンをとってくれ。食う。」



信彦は柔らかい食パンを袋から一枚だしてモソモソと食べ始めた。


少し安心したような表情になり薬を飲んだ。



奈美子は手を洗いエプロンをつけた。


鍋にお湯を沸かす。

ネギとキノコを手早く切り
カニカマを混ぜた。
春雨と中華スープをいれた。

グツグツしてきたところで

溶き卵を加えた。


「 お父さん。スープできたよ。

あったかいわよ。」

「 あぁ。」

「 ハンバーグも買ってきたわよ。」

「 いらない。そんなに、
食べたくないんだ。
おかずとかそんな味とか
どうでもいいんだ。 」



 信彦が、肉好きだから喜ぶと思って買ってきたのに。


内心、奈美子はがっかりした。



( せっかくわざわざ買ってきたのにさ。)



スープを飲んでも、信彦は無言で無表情だった。

俺がいないとな・・・



後から樹里が帰ってきた。

玄関から声がした。

「ただいま。」

「 寒かったでしょ。おかえり。 」


彼女はぼそぼそと奈美子につぶやいた。
 「 お父さんは。」

「 お父さんいるわよ。」


奈美子が言った。



「 お父さん、大丈夫?」

「 ああ。」



( 俺がいないとな。)

信彦は樹里をみつめた。

「 寒かったぁ〜。」といい、ハンバーグとスープをを喜んで食べる娘


( こいつには俺がいないとな・・・)


樹里はいたって普通のふりをしていた。
しかし、部屋に戻ると友人にラインをした。
(うちの父、マジ・ヤバイ。病気!😖)


そのうち30分後には信彦のいびきをかきだした。


睡眠導入剤の効果か、

ぐっすりといびきをかきながら眠る。

信彦の小さく丸まった姿は千と千尋にでてくるカオナシのようで少しだけ愛らしいと奈美子は思った。


奈美子と樹里はめくばせした。

ぬぅん~~ん
ぬぅ、ゴー
ぬっぅ!ゴー
グァ 
グー
 ぐっごぅ。



そのいびきはまるで
地下のマグマに
特急電車が挟まって
揺れているかの
ような音だった。


「 お父さんすごいいびきだだね。」

「 うるさ。マジうるさ。」


ほんとうにあまりにすごいので奈美子は顔を両手でもち、うごかして向きを変えた。


信彦がびくりとうごき、向きをかえた。

イビキが少し小さくなった。


( なおるといいな。 )



奈美子と樹里は話し合った。

お父さんは病気だからとりあえず、

いちお
優しく
まあ、なるたけ
平常心で普通に接しよう。

と話し合った。




奈美子が帰ってくると敷きっぱなしの布団の中からもぞもぞ黒いジャージで起きだしてくる・・そんな感じだった。

会話は最低限しかはなさない。

今日会ったことを話すと
「 静かにしてくれ。」
というぐらいだった。


 


一か月ほどたったある日のこと。


奈美子が帰宅すると信彦が起きてきた。


活気が戻ったわけはない。

実年齢より10歳ぐらい老いた感じはもう彼の中になじんでいた。

弱い灰色のオーラをまとった信彦はまるで留置所の死刑囚のようだった。


(ずいぶん、おじいさんになっね。)


奈美子は思った。


「 お父さん起きたんだ。 」

彼女はこえをかけてみた。

「 オレ、病院行ってきた。診断書も書いてもらった。鬱病だ。明日からオレ仕事に行く。みんなに迷惑をかけたから菓子折りをイオンで買ってきた。明日職場にわたす。」




「 そう、まあ、ずいぶん早い復帰だけど・・大丈夫?無理しないでね。」



( あぁ、よかった。早く軌道にのってくれて元に戻ってよ。)




「 あぁ・大丈夫だ。」

奈美子も内心は、早すぎる復帰にと惑いつつも、やはり、働いてくれてるほうが、いいと思い、なにもそれ以上言わなかった。そして、安堵したのだった。


信彦自身本当はもっと本格的に休めばもっとよくなっていたのかもしれなかった。


しかし、無職の妻、これから進学する子供にかかる学費などを心配すると休んではいられななかったのだ。



信彦は1か月休職をしたあと職場復帰した。通院しながらの復帰だった。


( 俺がいなくちゃな・・・)  
信彦はつぶやいた。

つづく??







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