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内閣支持率25%過去最低

 2月26日に発表されたテレビ東京と日本経済新聞社の世論調査によると、岸田内閣の支持率は25%で、政権発足以降で最低となりました。調査は2月23日から25日に18歳以上の867人から固定・携帯電話による聞き取りで回答を得ました。過去最低の支持率といっても、4人に1人が内閣をいまだに支持しているのは、どうなのでしょうか。
 「岸田内閣を支持しない」は67%でした。政治資金問題で岸田総理の一連の対応を評価するかどうかを聞いたところ、「評価しない」は78%になりました。この問題については、政倫審で自民党議員4人が出席して質問に答えることになりましたが、非公開で議事録もとらないという形式だけのものとなりそうです。この反応が数字に表れているのだと思います。脱税が疑われている議員が多数いるにも関わらず、自民党は絶対安定多数の議席を背景に形だけで突破するつもりのようです。
 日経平均株価が史上最高値を更新しましたが、政府の経済政策が株高を後押ししていると思うかどうか聞いたところ、「後押ししていると思わない」が67%でした。実態は、米国景気が強く、半導体企業NVIDIAの決算発表が良かったため、米国株につられて海外投資家がEPSの高い日本株を中心に買いました。岸田首相は、政権の政策が寄与したと発言していますが、国民は決して政府の経済政策が効いているということではないと考えています。
 この春の労使交渉で政府が目指す「物価上昇を上回る賃上げ」が実現するかどうかについては、「実現すると思わない」が80%でした。株価は上昇していても、実体経済は良くなっていません。物価上昇に対して賃金上昇は追いついておらず、国民生活は苦しくなるばかりです。中小企業は、日本国内の企業の99.7%を占めており、3人に2人が中小企業に勤めている実態から考えると景況感がよくない中、中小企業の賃金が物価上昇率以上に上がるとは思えないということだと思います。
 それでも、岸田総理がどれくらいの期間、総理を続けてほしいかについて聞いたところ、最も多かったのは「9月の自民党総裁の任期満了まで」で45%を占めました。裏金問題で政治不信が最高潮に達し、賃上げも期待できず、株価の最高値更新も政権の手柄ではないにも関わらず、「直ちに政権交代してほしい」ではなく、「9月の自民党総裁任期満了まで続けてほしい」と考えるのが最も多いというのは信じられない思いです。
 自民党支持率が20%台に落ちても、野党の支持率がそれだけ増えていないのが理由だと考えられます。立憲民主党の支持率が5%に留まっているくらいで「支持政党なし」層が半数を占めています。野党の中でも、立憲民主党、日本維新の会、国民民主党、共産党が連立政権を組むとは考えられず、政権交代の実現可能性はほとんどないと考えられます。現実は今年の秋に行われる自民党総裁選で新しいリーダーが選出されることしか期待できないと国民は考えていると思います。
 健全な政治に戻すには与野党の勢力バランスだと思いますが、現在、自民党が衆参両院で絶対安定多数の議席を有している状況下で、政治資金規正法の問題を含めて、国民が望むような解決を行うことは望み薄だと思います。健全な政治を行うには、与野党伯仲の議席を有することが大事ではないでしょうか。チェック機能が働くには、野党の議席がもう少し増えないといけないと思います。野党は、政策テーマによって意見が異なり、自分の考えに近い政党を選ぶ必要があります。自分の投票が死に票にならないためにも野党勢力の結集は必要だと思いますが、野党の戦略として、選挙戦略を来年夏までに行われる衆院選までにいかに行うかは、重要なポイントになると思います。

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