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「自然」

小学校を卒業するとき、卒業生は自分の好きな言葉を色紙に書いてもらった。私は「自然」とリクエストした。校長先生が一枚一枚に、筆で書いて下さった色紙だ。

私って変わっていないなぁと笑ってしまう。好きな言葉も、好きな歌も、好きなものも、ことも、好きな味も。もちろん増えたりしているけれど、あの頃ピンときたものたちは、今の私の心にもまっすぐ届く。
あっ、映画や本は、受け取り方がだいぶ変わったかな。でも涙もろいことは変わらない。


自然、それは私にとってその当時から特別なものだった。動物、とりわけ野生動物に心惹かれていた私は、当然のように彼らが生きる自然環境にも関心があった。

そんなネイチャーという意味の「自然」とともに、自然体で生きたいという思いを小学生のときから持っていた。飾らない人になりたいと願ってきたけれど、いまだにできていないかな。

最近大切にしているのは、30才をこえて意識するようになった「自然に心が動く」ということ。
例えば、私にとって動物を愛おしく感じることは自然な心の動きで、彼らがピンチな状態なら救いたいと自然に思う。
土の匂いは大好きだし、どんぐりや松ぼっくりや猫じゃらしをとびきりかわいいと思う。先日はシロツメクサを見つけて心が幸せいっぱいになっているのを感じた。
一昔前の洋楽が好きなのも、レトロなものに惹かれてしまうのも、誰に勧められたからでもない。
そんな、させられたのでもなく、しなくちゃでもなく、心が自然に動き、惹き付けられてしまう、そんな素直な好きを大切にしたい。
それは、心地よさや居心地のよさと繋がっていて、私に生きている美しさを教えてくれるものたちだから。
自分の自然な心の動きにもっと近づけたら、身体も心も自然体でいられる、そんな気がする。

2022.5.13


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