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月まで三キロ

実にスルッと心に入ってきた小説です

この本のタイトルも、作者も、第38回新田次郎文学賞を受賞した作品であることも私は知りませんでした。

知り合いのAさんのfacaebookにこの本の話題が出ていて、なんか面白そう!と思いました。具体的に、本の中身を説明しているわけではないですが、感想がフワッとしていてなんか不思議だったんです。この、自宅待機モードのなか、自分にとって新しい作家との出会いが必要なんじゃないか。そういうタイミングなんじゃないか、って感じました。小さな運命かしらね。

作者は伊予原新(いよはら しん)という方。神戸大学理学部を卒業後、東京大学大学院理学系研究科で地球惑星科学を専攻し、博士課程終了とあります。

本の帯にはこうあります。

「本書がなぜ新鮮なのか。理系的世界を描きながらも、そこで描かれるのが感情的なドラマであるからである。」(北上次郎氏)

「理系的世界」?ってなんなんだろうね

さて、本書には6篇が納められています。

月まで三キロ
星六花
アンモナイトの探し方
天王寺ハイエイタス
エイリアンの食堂
山を刻む

さて、タイトルを見ていかがでしょう。
どういう話か想像できますか?
私は全然想像もつかなかったです。

読了。かなり泣きました。

微妙な暖かさが心に残りました。
人の営みを、宇宙から優しく見守るような、悠久の時間から微笑みかけるような、そんな大きく包み込まれるような感覚。
包まれてる、守られてる。きっと大丈夫。

そんな感想です。
心がほぐれて、楽になった。
僕ももうちょっと優しくなれるかしら。

素敵な本なので、オススメします。


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