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おこりんぼうをやめる

おこりんぼう。

 
わたしは、どちらかというと、おこりんぼうだと思う。

だけど、あんまり、おこりんぼうで得をした記憶もないので、

明日からおこりんぼうを辞めてみることにしよう。

 

どうして、ひとは、おこるのだろう。

 

たいてい、怒る相手は、

人に対してが多いように思われる。

 

箪笥に小指をぶつけたときに、箪笥が心の底から憎くてたまらなくなるときもあるけれど、

そういうときも、

わたしはよく箪笥を擬人化していて、

「なんの恨みがあるんじゃワレ、」と怒ってしまう。

 

基本的にはやはり、

人に対して怒ることが多いように思う。

 

といっても、怒ったとき、

たいていは、ヘラヘラしているのだけれど。

 

それで、どうして人に対しておこりんぼうになってしまうのか。

 

相手に対して、勝手な期待を。

「きっとこういうふうに考えているだろう」とか、

「こういうふうにしてくれるよね」という考えを持っているとき。

妄想と現実がちがったとき、かもしれない。

 

だから、おこりんぼうをやめるためには、

他人に対して勝手に抱いている妄想もやめないといけない。

 

いや、人間だから、やめることはできないんだろうけれど。

現実のよくわからなさを、そのまま認める、ということかもしれませんよ。

ーそうですかね? ーーわかりません。

 

わたしは、心理テストが、にがてだ。

現実のわたしが、ぎゅっと、数個の言葉に押し込められている感じがする。

現実は、どこまでもよくわからない。

わたしたちは、ことばを通してしか、現実を理解できない。

(ことばのない理解は、もはや理解とはよばれない)

 

時として、沈黙があれほど雄弁なのは、

現実が生々しく迫ってくるからなのかもしれない。

 

卒業式が近くなると、

クラスのみんなが仲良くなる現象は、どこにでも見られるものだ、

と思うけれど、あれは、他人への期待が、

こうあるべき、みたいな期待が、なくなるからではないかしら。

もうじき、全く顔を合わせなくなるもんだから、

現実の他人だけが、見えるようになってくる、ような。

 

だから、

あしたからは、毎日が卒業式のつもりで、過ごしてみようと思います。

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