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オンラインギャラリー“iiwii(イーウィー)”が熱い!~アート業界の課題を変えろ~

はじめに

今回ご紹介するのは、「iiwii」(イーウィー)。「アーティストの創造活動を支援し、世界に向けて発信したい」と語る坂東工氏が2019年6月にスタートさせたオンラインギャラリーです。「iiwii」は、It is what it isの略で、英語のスラングで「しょうがない」「なるようになる」などの意味だそう。作品を作り終わった後で、これはこういう風になりたかったのか、と感じたときに浮かんだネーミングとのことです。

iiwiiのできた経緯

立ち上げた坂東工さんは俳優であり、有名な婚活サバイバル番組「バチェラー・ジャパン」の司会という顔も持つ人物。そして皮や角、石を使った作品や、映画・ドラマの衣装制作などのアーティスト活動もやってこられている方なんです。その活動の中で様々なアーティストと出会ってきた坂東さん。「アートはおもしろい」と確信すると同時に、多くのアーティストが必要な費用を稼げていないという実情も目にします。個展やグループ展で認知を広げようとしても、かさむ場所代やコミッション(委託手数料)は軽視できない額なのです。

アートに携わる人たちが抱える、「世界に向けて自分のアートを発表する場所がほしい。」という共通の悩み。それを解決する発表空間としてオンラインギャラリーという発想に至ったそうです。

藤沢まゆさんの作品

登場するのは、藤沢まゆさん、湯沢英治さん、Ahn Sinjaeさん、奥田拓郎さん、khayahさん、森田ひさえさん、加藤秀之さん、嶺脇 美貴子さん、Shino Takedaさん、俵藤ひでとさん、三浦康太郎さん。画材も様々、個性あふれる作品群を展開されています。

私が特に惹かれたのは染色画家の藤沢まゆさん。こちらから作品をご覧いただけます。

美しい緑の尾の毛を使い、織り上げた緑のじゅうたんで、大地を覆って植物を育てる。馬の神様がテーマの絵です。物語性があるのは素敵ですね。文明と、動物や植物との共存を思わせるようなモチーフが散りばめられています。緑や水色などが多く使われていますが、曲線が多用されているためか柔らかくぬくもりのあるように感じられます。

藤沢さんは、幼少期をアメリカで過ごし、帰国後女子美術大学短期大学部にてテキスタイルデザインコースを専攻なさっています。

筒描きという日本の染色における伝統技法と独自に開発した染色技法を用いて、淡い色調で布に絵を染め上げているそうです。

美術館での展示をはじめ、百貨店、ギャラリーなどで精力的に個展やグループ展を行う傍ら、シンガーソングライター・木村カエラと雑誌Nylon Japanにてコラボレーション、のちに発売されたアートブックに掲載されるという輝かしい業績も。またルミネ新宿のメインビジュアルやルミネ新宿1のエレベータの扉絵などに採用されるなど、その活動は多岐にわたるとのことです。

おわりに

いかがでしたか?独自の染色技法が光る作品でしたね。これからはこうしたオンラインギャラリーが台頭していく時代かもしれませんね。それでは今回もみなさんに瞳の至福が訪れますように!


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