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12番(インサイドセンター)をプレーして学ぶこと

こんにちは。山本実です。

早速ですがこちらのツイートをご覧ください。そして私の背番号をご確認ください。




私は最近12番をプレーする機会が増えています。もちろん10番もプレーしますが、とても貴重な経験を積んでいます。



以前、「私の分析と今後について」という記事を執筆した際に『私は10番を背負うことはとても誇らしいことだと思っています。しかし、12番もプレーしたいと思っています。』と記していました。


12番をプレーすることで新たな収穫が得られ、ラグビー選手として大きく成長できると思うからです。(ここだけの話ですが世界的に有名なダンカーター選手やオーウェンファレル選手が10番/12番ともにプレーできることに憧れているというのも少しあります。笑)


ですが、まさかフィジカルの強いプレミア15sでチャレンジできるとは思っていませんでしたので、このような機会をくださるコーチ陣に感謝しています。





ということで今回は本職が10番であった私が12番をプレーすることから学ぶことについて皆さんに共有したいと思います。






1.アウトサイドにスペースはある


もちろんない時もありますが、10番の位置からは中々見えづらいことが多いことに気付きました。今まで盲点だったのですが、AT時にはエッジのブレイクダウンから10番が立つ位置はタッチラインから15m程度の位置です。

そこから見たDFラインは遠くに行けば行くほど(アウトサイド)間隔が狭く見えます。


なのでそこにスペースがあってもなかなか気づくことができなかったのですが、12番の位置(グランドの中央付近)からDFをスキャンすることで、アウトサイドにあるスペースを見つけやすくなりました。


この経験を得たことで10番に戻った際にも「アウトサイドにスペースがあるかもしれない」という思考を持つことでスペースの探し方が変わりました。







2.10番はコールが聞こえていたら応答せよ


ジェネラルプレー(セットプレー以外)で12番の位置から10番にサインを伝えている時に10番からのリアクションがないと不安になり、永遠にそのコールを言い続けることになります。


でも、10番が聞こえた段階で何かしらのリアクションをすれば、12番の選手はさらに詳細なコミュニケーションをとることができますし、ブレイクダウンからボールがリサイクルされるまでの短い時間ではありますが、次のプレーに対して準備をすることができます。


そのリアクションは形を問いません。


「OK」と言うも良し、片手をチョイと挙げるもよし。とにかく「私に次のコールは伝わっていますよ!」と味方に知らせることが大事です。







3.スクラムDFプッシュできるのできないの?


10番をプレーしている時もこれをフランカーの選手もしくは9番の選手に思うことは多々ありますが、12番をプレーしているとよりそれを強く感じます。


スクラムからのファーストフェイズのDFはバックフィールドを守るために7名いるBKのメンバーの中から2名ほど下げた状態でDFする必要があるため、最初のノミネートからボールが展開されていく内にノミネートをプッシュ(1つずつ外側の人へ変更する)していく必要があります。



特に接点の発生しやすい12番の位置からDFをするとなると誰が誰をノミネートしているのかを理解することでタックルに入りやすくなりますし、ラインブレイクをされる可能性も低くなります。




ですから、10番の位置に戻った際には「プッシュ」とか「○○番見れる」と早めのコールをして12番以降の選手を助けたいと思います。


また、プッシュできるのかできないのかはスクラムが組まれている時のATラインの深さや広さなどからある程度予想することができるのでそれを伝えるのもアリです。

「多分プッシュできるよ」「もし相手の○○が内側に入ってきたらプッシュできない」などのように相手のATを予測して可能性を伝えることもDFをする際に助けになると思います。


(おもしろい顔)





4.10番がいなくてもラグビーは成立する


ゲームメイクを担う10番の選手がフィールド上で常にタクトを振るうことができればチーム内の混乱を避けることができるのでしょうが、ラグビーはイレギュラーの連続です。ファーストフェイズからのATで10番がブレイクダウンに参加しなくても良い約束事になっていても、何かエラーが発生した時は参加することもあります。



10番が常にフィールドに立っていることが理想的だと思っていましたが、私のような10番をプレーできる選手が12番に入ることで10番の選手がボールキャリーをしたりブレイクダウンに参加しても、チームをコントロールすることができます。



でも、それはおそらく12番が10番をプレーしたことがない選手でもどうにかなります。誰かしらがリーダーシップを発揮してどうにかなるんです。



それに気付いてから、私が10番をプレーする時にスペースが見えたらボールキャリーをするし、必要であればブレイクダウンに積極的に参加するようになりました。


今まで自分の役目ではないと勝手に思い込んでいたことに面白みを感じて、新たな側面からラグビーを楽しんでいます。




でも、私はフィジカルが格段に強いわけでないので(イングランドでは顕著に)、パスもキックもオプションとして持っていることを強みにプレッシャーを減らしてボールキャリ―をしています。




12番をプレーすることで、今までの概念がいい意味で壊されてプレーの幅が広がりました。









さて、こんな感じでラグビーを楽しめているわけですが、先週の試合には10番で先発出場をしました。12番をプレーしたことから学んだことを存分に活かして、外にスペースがあれば運ぶし、ディフェンダーの腰の向きが私の隣の選手の方を向いていたらボールキャリ―をするなど良いパフォーマンスをすることができました。



こちらからフルで試合をご覧になれますので、よければお楽しみください!





ラグビーを始めて14年が経ちますが、新たな魅力に出会うことができたり、海外に出て異文化に触れることができたり、異なる言語を話す友達ができたり、本当に素晴らしいスポーツだとしみじみ感じています。まだまだ頑張りますよ!!


新しいことに挑戦することで多くの学びを得ることができました。

ラグビー最高!!


ご精読ありがとうございました。

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