プレミア15sのタフさ
今回はプレミア15sのタフさについてお話したいと思います。
私自身、このリーグでは3試合しか経験しておりませんし、10チームのうちの1つのチームにしか所属したことがないので全てを語れるわけではありませんが、こちらの世界を何も知らなかった私にとって衝撃的な出来事などを話していきます。
ちなみに近況としては、9月4日に開幕戦を迎えてから3週連続で試合をして、今週はお休みです。
リーグの日程
リーグの大まかな日程についてですが、9月から(決勝まで残った場合)翌年6月頭まで予定されています。
参加している10チームでホーム&アウェイで総当たりをして、獲得ポイント上位4チームが準決勝に駒を進めます。
1位×4位、2位×3位
で準決勝を行い、その勝者同士で決勝戦が繰り広げられます。
つまり、総当たり戦の時点で18試合を経験することになります。
途中、テストマッチが実施される11月やイギリスが聖地であるクリスマスの時期、シックスネーションズが開催される翌年4月はリーグ戦が予定されていません。(イングリッシュはクリスマスLOVE)
その期間、各国の代表に選出された選手は代表活動をするわけですが、チームに残る選手にも試合の機会が用意されています。
その大会はカップ戦と呼ばれていて、最終的にはカップ戦でも優勝チームを決めるみたいです。カップ戦の試合数などは詳しく分からないのですが5試合程度はあると思われます。
普段、なかなか試合経験を積めない選手や若手の選手が培ってきた力を発揮する機会がしっかりと用意されているシステムが素晴らしいと思いました。
試合に出場することができないとモチベーションを維持するのが難しいと思いますが、そこでのパフォーマンス次第によってはリーグ戦での出場機会もあり得るのでモチベーションも高く維持できますね。
ここまででご理解いただけたかと思いますが、日本との圧倒的な差、それは試合数です。
日本とイングランドではそもそもの15人制のシーズンの長さが異なるので比較は難しいですが、15人制のパフォーマンス向上を図るためには間違いなく適した地だと言えます。
1週間のスケジュール
そして、1週間のスケジュールですが、これもまた衝撃的でした。
(今回は翌週にも試合がある想定です)
土曜日:試合
日曜日:OFF
月曜日:スキル練習&ウエイトトレーニング
火曜日:ウエイトトレーニング&チームミーティング&チーム練習
水曜日:OFF
木曜日:ウエイトトレーニング&チームミーティング&チーム練習
金曜日:OFF
土曜日:試合
大まかではありますがチーム全体のスケジュールとしてはこんな感じです。
別途、個人的にコーチや栄養士さんとミーティングをしたり、チーム練習の前に実施されるキックセッションやスクラムセッションに参加することも可能です。
また、分析も熱心に行われます。チームで映像やコメントを共有することができるHudlというアプリを活用しています。
試合当日の夜には試合の映像がアップロードされるので、そこから個人的な課題や良かったところ、コーチへの質問などのクリップを作成してコーチに共有して、Hudl内でコメントを貰ったり、1on1のミーティングの時にそれをもとにディスカッションします。
コーチからもAT、DF、ブレイクダウン、ユニット毎にまとめられたクリップが共有されるので私はそこにも積極的にコメントをします。
翌週の火曜日のチームミーティングで試合について話すので、そこまでにある程度の分析を終わらせておく必要があります。
私は働いていませんが他のチームメイトは働いているので大変だと思いますが、手を抜くことなく分析にも熱心に取り組んでいます。
さてさて、1週間のスケジュールの話に戻りますが、試合はとてもハードなわけです。ラグビー経験者であればお分かりいただけると思うのですが、試合の2日後はまだ身体が悲鳴をあげています。
もちろん怪我を負っている場合はリカバリーに努めますが、そうでない場合は身体に鞭を打ち続けます。
月曜日のスキルトレーニングは軽めの内容となっていますが、ウエイトトレーニングがガッツリとやります。月曜日は上半身が中心です。
試合の2日後からウエイトトレーニングをするの?!と驚きましたが、長いシーズンを怪我なく過ごしていくためにはウエイトトレーニングで身体に刺激を与え続けることは必須です。
そうしなければ身体が萎んでしまい、パフォーマンスの低下や怪我のリスクに繋がってしまうからです。
そして火曜日の練習ですが、翌週も試合がある場合は最も強度が上がる日です。コンタクトをバチバチやります。試合にフル出場した人、20分出場した人、ノンメンバー関係なく同じ強度の練習をします。
試合の修正点にフォーカスした内容を中心にメニューが組み立てられます。また、次戦に向けたセレクションも行われるので皆必死です。
そして、水曜日の夜に週末の試合に向けたメンバーが発表されます。
木曜日はユニット&チームラン中心ですが、私が想像していたチームランとは異なりました。チームランの割合が高めの普通の練習という感じです。コンタクト練習がある時もあります。試合前最後の練習ではありますが、そこまで強度は落ちません。
試合当日はホームかアウェイかによって過ごし方が変わります。
14時キックオフだと想定して、試合がホーム戦であればお昼前までゆっくりとお家で過ごすことができますが、アウェイ戦であれば場所にも6時過ぎには起床します。アウェイ戦の時はホームスタジアムに集合して大型バスで移動します。
聞いた話によると、イングランドの北に位置するニューキャッスルのチームと対戦する時は4時や5時に出発するみたいです。まさにタフですね!笑
試合の強度
とにかくパワーがあってコンタクトが強いです。
FWはほとんど大きいです。語彙力が足らず申し訳ないです。笑
仮にそこまで大きくないFWがいたとすればおそらくフランカーで、彼女はハードタックラーであり気が利くボールキャリアです。相手チームからすれば嫌な奴で味方からするとチームに安堵をもたらす存在です。
BKはFWほど大きくありませんが身長は高めの人が多いです。ハイボールに強い!そしてとてつもなく速い!1チームに1人くらいは「なんであなたがBKにいるの?」と問いかけたくなるようなサイズの方もいます。
十人十色、みんな違ってみんないい!
ゲームのテンポは日本の方が速いです。こちらではテンポを遅くしてプレーをしようとしているのではなく、DF側がブレイクダウンで激しくファイトしてくるのでテンポをあげることができない、という印象です。
2戦目で昨年度チャンピオンのHarlequins(以下、クインズ)と対戦した時、前半は競ったスコアで終えたのですが、後半にブレイクダウン周辺をクインズに攻撃され、なかなかスローダウンさせることができず、ハイテンポで攻撃されて大量失点してしまいました。
あとは激しさを象徴するように試合中に痛んでいる人が多いです。それがかなり頻繁なので試合中に高頻度で給水することができます。
インプレータイム自体は日本の時とさほど変わらないのですが、プレミア15sはとにかくセットプレーが多いです。そのため、スクラムやラインアウトをしないBKである私は日本のラグビーの方が疲労します。
試合後の身体は主に上半身が痛いです。日本での試合後は臀部やハムストリングスに疲労が蓄積していたり、ふくらはぎを攣ってしまったりしていたので、疲労を感じる部位からもどんなラグビースタイルなのかが想像できると思います。
アクティブレスト
こちらは休みの日も全力です。なんなら試合後から全力です。
試合後に友達と遊ぶ人、パーティに行く人、ムービーナイトをしたりと様々です。1日のイベントはラグビーだけでなく、全力で時を楽しんでいるように感じます。
試合翌日はチームメイトが誘ってくれるのでプールに行くことが多いです。試合後ではありませんが、先日はハードな練習の翌日に山登りをしました。
イギリスにしては珍しく晴天で(失礼)かなり絶景でした!!が、私の足はガクガクでした。笑
「昨日、試合があったから…」
「明日、大事な練習があるから…」
そのようなことは一切関係なく、"今"を楽しんでいます。
以前の私からしたらあり得ない過ごし方ですが、タフなみんなに囲まれて私もタフになりつつあります。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
プレミア15sの概要やタフな生活をお伝えすることができていれば嬉しいです。
「タフだなぁ」と実感するたびに『だからここにいるんだよな』と憧れの地で生活していることをしみじみと感じ、充実感で満ち溢れています。
タフなリーグの中でも、日本が世界で勝つためには何を磨くべきなのか?日本人を相手にしたときにどのようなプレーを嫌がるのか?といった勝つための道筋も見えてきます。
こちらでの学びはしっかりと日本に還元します!
まだまだシーズンは始まったばかりです。自分の身体を大切にしながらタフなシーズンを生き抜いて、大きく成長した姿をお見せできるよう頑張ります!
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