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足立実(1928年8月12日~2022年2月9日)は東京東部地域の合同労組、東京東部労…

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足立実(1928年8月12日~2022年2月9日)は東京東部地域の合同労組、東京東部労働組合(東部労組)の初代委員長であり労働組合運動の指導者であった。享年94歳

最近の記事

ある労働運動指導者の遺言 足立実の『ひと言』第88回「情勢の見方について(1)」1999年11月

 国会多数派の「自自公」は、国民に犠牲をしいる法律を次から次へと成立させている。成立した法律は国民全員を拘束する。  これをどう見るのか。  「やられっ放しだ。何をやっても勝てない」と悲観するのか。  それとも、「自自公」が人民との紛争の種を大量にばらまき、自ら墓穴を掘っていると見るのか。  わたしは後者である。  これから人民の抵抗が多発し、21世紀は人民が偉大な勝利をかちとる世紀になるにちがいない。  暗い海が白みだして水平線が見えだす。いまの情勢はそれに似ている。やがて

    • ある労働運動指導者の遺言 足立実の『ひと言』第87回 「警察の犯罪 神奈川県警」 1999年10月

       神奈川県警の座間署員が買春、小田原署員が容疑者に所内で暴行、加賀町署巡査部長の痴漢行為と警部補のもみ消し、藤沢署巡査部長2人が同僚に暴行、川崎署警部補が電車で車掌に暴行、緑署巡査部長が万引き、相模原南署巡査長が証拠品をもちだし女子大生に性交を強要、厚木署員が新隊員の頭にピストルを突きつけたり陰毛をライターの火で焼くいじめ、覚醒剤を使用した県警外事課警部補を「不倫」で諭旨免職・・・・・・、 呆れていたら、今日また藤沢署警部補が女子高生をどついて10日間のけがをさせ巡査部長が和

      • ある労働運動指導者の遺言 足立実の『ひと言』第86回「種はまかれた 日の丸・君が代法制化」1999年9月

         もう20年もまえ、次女が中学の卒業式で君が代斉唱があるという。妻と長女と四人で家族会議をひらいて、「お父さんが少年のとき、君が代は天皇に忠誠を誓う歌で、他国を征服する戦争に出ていくことを意味した。 親として娘の卒業の場で君が代の斉唱は認められない。壇上に上がっても 「訴える」と話した。みんな緊張したが、結局次女が担任・教組分会長・校長の順序で「父がこう言っている」とはなすことにおちついた。  このせいかどうか判らないが斉唱はなかった。おれは背広の正装で出席し、校門をでるとき

        • ある労働運動指導者の遺言 足立実の『ひと言』第85回「敗戦の日から54年」1999年8月

           もうすぐ8月15日がくる。  当時16歳の中学生だった私も歩兵銃をもたされ銃口を中国人民とそれを解放しにきたソ連赤軍にむけていた。天皇のラジオ放送で武装解除して家に帰った。  当時は警察憲兵の恐怖政治で労働組合など一つもなかった。  それから数年後、あの戦争は資本家の利潤追求のために、他国の領土を占領し物資を掠奪し、アジアと日本人民の生命を奪った侵略戦争だったこ とを知った。  だから戦後の日本人民の希望をあらわしたスローガンは「平和と民主主義」であり、私がことの是非を判断

        ある労働運動指導者の遺言 足立実の『ひと言』第88回「情勢の見方について(1)」1999年11月

        • ある労働運動指導者の遺言 足立実の『ひと言』第87回 「警察の犯罪 神奈川県警」 1999年10月

        • ある労働運動指導者の遺言 足立実の『ひと言』第86回「種はまかれた 日の丸・君が代法制化」1999年9月

        • ある労働運動指導者の遺言 足立実の『ひと言』第85回「敗戦の日から54年」1999年8月

          ある労働運動指導者の遺言 足立実の『ひと言』第84回「世界の大転換 NATOのユーゴ武力攻撃」 1999年7月1日

           わたしたちの職場のたたかいは労働者の生活と権利をまもる基本的なたたかいだが、労働者の生活は国の政治に影響されるし、日本は世界の動きに影響される。  世界は青戸を中心に回ってはいない。だからわたしたちは世界の動きのなかに自分たちの利害を見いだすことを学ぶ必要がある。  第二次世界大戦後、世界は資本主義陣営と社会主義陣営が対立して、「ソ連から侵略されたらみんなで守る」という口実でNATOという軍事同盟が生まれた。社会主義がわも対抗してワルシャワ条約機構をつくった。  いま社会主

          ある労働運動指導者の遺言 足立実の『ひと言』第84回「世界の大転換 NATOのユーゴ武力攻撃」 1999年7月1日

          ある労働運動指導者の遺言 足立実の『ひと言』第83回「日米安保の解消・アジアとの連帯を!」 1999年6月1日

           日本に他国の軍隊が54年も駐留していることは異常で、独立国とはいえないと思う。  事実、日本は米軍の駐留費を負担しているだけでなく、アメリカのイラク戦争の費用まで負担させられ、外交はアメリカのもっとも忠実な腰ぎんちゃくだ。  だから世界で日本外交を尊敬する国など一つもない。とくにアジア諸国の不信感を半世紀も解消できていない。まったく情けないはなしだ。  日米安保条約は「日本は戦力をもてないので、アメリカに守ってもらう」というのが理由だった。54年のあいだ日本を侵略した国はな

          ある労働運動指導者の遺言 足立実の『ひと言』第83回「日米安保の解消・アジアとの連帯を!」 1999年6月1日

          ある労働運動指導者の遺言 足立実の『ひと言』第82回「戦争前夜は誇張ではない! 日米安保ガイドライン」 1999年5月1日

           戦争はある日突然はじまる。  そして異様なふんい気の中で国民全体がまきこまれていく。 私が体験した日中戦争と日米戦争はそうだった。  このことが、いま私にとってにわかに現実的な不安になってきた。  日米安保新ガイドラインの周辺事態とは、「第二次朝鮮戦争であることは明らかだ」 と竹岡勝美元防衛庁官房長は言っている。「突然はじまる」 日が綿密に準備されているのだろう。  ベトナム戦争 (クリントンが徴兵拒否をした不正義の戦争) のときは、この法律がないために、アメリカは日本の自

          ある労働運動指導者の遺言 足立実の『ひと言』第82回「戦争前夜は誇張ではない! 日米安保ガイドライン」 1999年5月1日

          ある労働運動指導者の遺言 足立実の『ひと言』第81回(番外編) 「ストライキについて」 1998年4月7日 

           だれでも平和な日々を好み、 闘争が好きな者はいない。だが、経営者が法に反して労働者の団結権を侵害し、不当な挑発をおこなうならば、われわれは自らの利益を守るために徹底的に争い最後まで闘う。  始めはたいてい会社に申し入れをやったり、社前で抗議集会をやる。これは会社に実害がないかたちでおこなうわれわれの経営者にたいする意思表示であり、警告だ。  労働者をあまく見て警告を無視すればストライキをやることになる。会社がやり放題のことをやるのにわれわれが労務の提供をしなければならない理

          ある労働運動指導者の遺言 足立実の『ひと言』第81回(番外編) 「ストライキについて」 1998年4月7日 

          ある労働運動指導者の遺言 足立実の『ひと言』第80回「確信をもって春闘をやろう」 1998年3月15日

           まず われわれの労働をしっかり確認する必要がある。  もし、労働がなかったら・・・原料は製品になるのか。トラックは荷物を運べるのか。スーパーで物を手に入れることができるのか。子供は保育をうけられるのか。パソコンはさまざまな資料を生みだせるのか。病院は患者を救えるのか。障害者は社会的自立に進めるのか・・・。  明白である。労働(肉体的・知的)はあらゆるものを創造する偉大な役割と価値があり、その担い手がわれわれ労働者だ。これは子供たちに堂堂と誇れる職業である。  意地汚い官僚・

          ある労働運動指導者の遺言 足立実の『ひと言』第80回「確信をもって春闘をやろう」 1998年3月15日

          ある労働運動指導者の遺言 足立実の『ひと言』第79回「先進者の悩み」 1998年3月

           新しい支部の活動家の悩みの一つは、組合結成のときはみんな燃えて参加したが、時がたつにつれ組合員が会議に出なくなり、あるいはやめていくという問題のようだ。  これをどう理解し解決するか。  私は自分の利益をどういう方法で守るかというそれぞれの認識の差から生まれる分岐だと思う。  先進的な人は、経営者と断固闘わなければ労働者の利益は守れないと考えて先頭に立って闘っている。  後れた部分は、会社に幻想をもったり、労働者の力を信じられないので悲観的になり、組合活動にたいする意欲が減

          ある労働運動指導者の遺言 足立実の『ひと言』第79回「先進者の悩み」 1998年3月

          ある労働運動指導者の遺言 足立実の『ひと言』第78回「無名の英雄たちの二五年 組合結成25周年」足立実 1994年1月1日

           私たちの組合の歴史を創ったのはケーテー製作所からスーパーたじまに至る約千人の老若男女の労働者である。  組合結成が三一回あった。みんな資本に対する憤りで不安を乗り越え、妨害や弾圧と闘って組合を結成した。  結成後は会議や職場闘争、団交やストライキで賃金や労働条件を改善した。重要なことは労働者の団結で資本家と対等の地位を獲得し、『物も言えない』 みじめな立場から脱却したことである。  波乱もたくさんあった。どこかの職場で問題が起きる度に、全支部の労働者や職員が寄ってたかって支

          ある労働運動指導者の遺言 足立実の『ひと言』第78回「無名の英雄たちの二五年 組合結成25周年」足立実 1994年1月1日

          ある労働運動指導者の遺言 足立実の『ひと言』第77回「先を見よう 友誼労組との合体問題」 1992年11月17日

           全国一般東京労組からの組織合体の申し入れは、執行委員会で意見の一致を見ず討議を打ち切る結果になったが、賛成論も反対論も自身の組合や自分の職場の当面の利害からの発言が多いように聞こえた。私たちは何時の間にか視野が狭くなっているのかな。  『中小企業労働者の地位向上のために何をするか』という議論をしてもよかったなと思う。  私たちの組合のエネルギーの源泉は何だろうか。『労働者は自らの利益のために必ず闘いに立ちあがる』ことを自ら体験し、『全国の仲間が立ちあがれば日本は必ず良くなる

          ある労働運動指導者の遺言 足立実の『ひと言』第77回「先を見よう 友誼労組との合体問題」 1992年11月17日

          ある労働運動指導者の遺言 足立実の『ひと言』第76回「闘いが団結を育てる」 1992年9月10日

           私の場合、組合の仲間以上に頼りになる人たちがいない。親戚も友人もこれに及ばない。おそらく何時かの闘いで運命を共にし、長い間支え合った者たちの間に生まれる感情なのだろう。俺もそうだという仲間は多いと思う。  会社の利潤追及は宿命で、必ず労働者の利益を侵害する形で出てくる。私たちは必要に迫られ、組合の団結を武器に職場闘争や組合結成、ストライキや不当弾圧反撃など無数の闘いをやった。闘いが労働者の利益を守り友情を育てた。  でもそれだけではなかった。  政財界の軍事大国政策や国民を

          ある労働運動指導者の遺言 足立実の『ひと言』第76回「闘いが団結を育てる」 1992年9月10日

          ある労働運動指導者の遺言 足立実の『ひと言』第75回「ウソは侵略のはじまり 自衛隊のカンボジア派遣」 1992年7月10日

           他国への侵略は自国民を欺くことから始まる。自公民がそれをやっている。  「カンボジアでは自衛隊でないと役に立たない」と言う。日本には優秀なトラック運転手・建設労働者・医師と看護婦・通信技術者が山ほどいるじゃないか。十分な身分保障と給与を完備した民間協力隊なら応募する人は多いと思う。  「国連は軍隊でなければダメだと言っている」と言う。「日本は憲法で軍隊を禁止しているから民間協力隊を出す」くらい言えなくてどうするか。  民間の協力組織はとっくに物資援助・医療活動などをしている

          ある労働運動指導者の遺言 足立実の『ひと言』第75回「ウソは侵略のはじまり 自衛隊のカンボジア派遣」 1992年7月10日

          ある労働運動指導者の遺言 足立実の『ひと言』第74回「一週間の出来事 民衆の自発的行動」 1992年5月10日

           岡山の「私たちの県政を! 一万人の会」が「岡山県知事になりませんか」と候補を公募したら十九人が応募したそうだ。現知事は五選、県議会は自社公民オール与党で、「議会はチェック機能を果たしてない。候補の選定から県民がやろう」と運動を始めたという。  大阪の大東市長選では元小学校長が、市民団体の後押しで「市民が主人公の政治を!」と訴えて、五党推薦で五選をめざした現職市長を破った。  七〇年安保当時の全学連委員長の藤本敏夫氏(夫人は歌手加藤登紀子)がもとの運動仲間の支援で参院選に出馬

          ある労働運動指導者の遺言 足立実の『ひと言』第74回「一週間の出来事 民衆の自発的行動」 1992年5月10日

          ある労働運動指導者の遺言 足立実の『ひと言』第73回「あなたは何をやるか 92春闘」 1992年3月10日

           東部労組の良い伝統の一つは「寄ってたかって闘う」ことだと思う。  どこの支部でも全員一人ひとりが立ちあがり真剣に闘った思い出がある。  その力で会社に解雇を撤回させたり、団結権を認めさせたり、違法行為や障害者差別を是正させたり、不当弾圧を粉砕したり、賃上げを実現したりして労働者の利益を守ってきた。大きい闘争は全支部から集まって勝利した。  このように「寄ってたかって」は大事な武器だが、職場が少し安定すると、少数の執行委員が活動を請負い、多数の組合員は「執行部にお任せ」という

          ある労働運動指導者の遺言 足立実の『ひと言』第73回「あなたは何をやるか 92春闘」 1992年3月10日