「安定した生活」なんてあるわけない。

「少しでも良い学校を出て、安定した会社に入りなさい。」
子供の頃から、両親からよく言われた言葉だ。

自分の頭が悪いことは分かっていたし、勉強は嫌いだったから、高校を出たら進学せずに手に職をつけたいと言った。
両親は賛成せず、大学だけはいくよう言われた。

私は何故か反発することなく、丸暗記だけで受かる大学に入り、興味のない授業の単位をギリギリで取得して、安定していると言われる会社に就職した。

そして今、「仕事できない人」として、会社から排除されてしまった。
排除されたことはショックだが、もし逆の立場で私が人事部門であれば、同じことをしただろうと冷静に思う。

今まで当然のようにあった給与がなくなり、この先は不安ばかりである。
健康であれば、片っ端からアルバイトに応募して、必死に働くかもしれない。
でも、不眠症で疲れ切ったこの身体ではとても無理だ。

確かに今までは給与をもらって、いわゆる「安定した生活」ができていたのかも知れない。
でも、状況が変わってしまえい、安定は簡単に吹っ飛んでしまった。
こんなに簡単に吹っ飛ぶ安定は、果たして本当の安定なのだろうか?

私は今まで、ありもしない「安定」を求めて、あたかもそれを手に入れたかのような幻想の中で漂っていたようだ。
安定した生活なんて、あるわけないのだ。
やっと、そのことに気付いた。
そして、これからが私の本当の人生なのだと思う。

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