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【未来思考の仕事のOS③】育成の定石-状態と捉える

育成を考える時に抑えておきたい基本のポイントについて。

企業の管理職研修の場などで「こんな部下がいるのだけど、どんな風に育成したら良いか・・・・」などと相談を受けることがあります。正直そんなに簡単に答えられないことも多く困ったりもします。そんな時に思うのがメンバーを一人一人個別の問題として捉えていると、100人100様に答えの無いことを考えなくてはならなくなるので大変だなと。相談された時には、基本的に抑えておきたいこととしてにお話ししています。

いつの時代にも発生すること

人は人を差異によって認識することもあり、職場にはいつの時代にもパフォーマンスの高い人、普通の人、低い人が発生します。そしてその間には何かGapがあります。

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少し前には、ハイパフォーマンスを上げる人に密着し行動分析を行い、それを組織に導入するなどと言うことも流行りました。これで少しは全体の成果が上がるかも知れないのですが、個性が違うので中々その人のことを上回る人が出てこなかったり、向かい合う対象が異なったり環境変化するのが早い時にはそのやり方が通用しなくなってきたりしますね。

ハイパフォーマンスの人と普通の人の違いは何なのか

組織の中で良く問題になるのは、「パフォーマンスが低いメンバーをどうするか」←ここは個別の問題を抱えていることも多いので、そこまで「大きな変化を期待せず、でも見放さずに期待する」こんな匙加減も重要なのだろうなと思います。※研修などで面談ロープレを行う時などにも対象から外してもらい練習してもらったりします。大きく分けてしまうと、それぞれの階層で「パフォーマンスが普通」と「パフォーマンスが高い」の差になりやすいことは以下のことが出来ているかどうかに起因していることが多いのです。

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次の階層で活躍する人を育てようと思うと、新人時代にどんな仕事の仕方をするか、中堅時代にどんな仕事の仕方をするかが重要なのです。社会人になって最初の仕事で「言われたことをきっちりやり、それ以上のことをしたら怒られる」こんな環境だったりすると、いつまで経っても指示を待つ姿勢が身につき、自分で考えることが苦手になっている人もいます。

次のステージで活躍できる人材を育てるために

それぞれの階層で差が出ることは、そのポジションになってから身に着ける(特にマネジャー研修などはそんな目的で企画されることも多いのですが)こともありますが、実はその前の段階の課題をキチンとクリアできているかも影響が大きいです。リーダーになりいきなり「自分なりの考えやビジョンを持ち行動するように」と言われても難しい。それは、自分自身が対象物やマーケットに向かい思考を巡らせ、他の人に教えたりできる様に体系化する、などがあって初めて「自分なりの考えやビジョン」が考えることができます。個人差も大きく、社会人になる前に身につけている人もいます。直属の上司からの視点は、目の前の業務にフォーカスされるので、育成を継続的に考えにくかったりもします。

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業務の内容や職場を理解できていないので、個別のメンバーの育成方法を答えるのは難しいのですが、こんなマトリックスを使い、上司の方の関わり方で変わる獲得していない課題についてお話ししをします。実は、質問してくださっている上司の方自身の課題が隠れていることもあります。自分が経験していないことは中々理解し行動しにくいのです。さて、ここでマネジャーの「できる人」と「普通」の差で見られるのは、どんな差か?

あくまでも私の私見ですが、「自分の考えを伝えられるかどうか」。これは上司や経営に提言したり、メンバーには納得感あるコミュニケーションができるか、そんな違いだと思います。

状態で捉える

ハイパフォーマーとローパフォーマー・・・、良い悪いになりがちなのですが、どちらが良い悪いの問題ではなく「たまたま力が出せる状態にある人と出せない状態にある人がいる」だけ。たまにスケート選手が競輪で力をはっきしたりもしますが。。。輝ける場所は人それぞれ。勝ち負け、優秀かそうでないか・・などで人にレッテルを貼りがちですが、このレッテルはあまり人を幸せにしないのでは無いでしょうか。特に、超少子高齢化の日本では、老若男女、全員活躍時代を迎えます。〇〇ができない・・で人を潰してスポイルすることは、回り回って反社会的な考え方を生み暮らしにくい社会を作っていくことに繋がりますよね。今回はハイパフォーマーとローパフォーマーと言う言葉で分けましたが、状態で捉え、その状態を変更させるための変数に目を向けることを大切にしたいです。

子どもの成長に合わせて考えてみると

チャイルド・ファミリーコンサルタントの視点で子どもの育成を見てみると(子どもは自分たちで育って行きますが)、軸に置くものが少し変わります。「階層」→「段階」へ。子どもは社会に貢献できる人になるまでの段階を通過中なので「大人の階段登る・・・」では無いのですが、ステップがあります。どこに時間がかかるかの差異で「ゆっくりさん」「おませさん」などはあるかも知れませんが、早いことが良いことでも無いですし、人によってどこで時間がかかるかは異なってきます。

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これは、勉強ができるできない・・そんなことの前に社会的な生き物である人間が大人になる上で獲得しておきたいことです。

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子どもたちが発達課題を獲得するために大切にしたいこと。大人の心得としてはこんなことが大事かなと思います。

こんなことを軸にして、チャイルド・ファミリーコンサルタントの活動としては考え方や関わり方のお話を「講座」や「相談」でしています。

まとめ

目の前の人を見ていると悩みが尽きないのですが、その人が今どこにいて、何につまづいているのかが見えてくると、関わる上司や大人としてできそうなことが見えてきますね。大人も時には、子どもから大人になるまでの過程を結構育ち損なっていて「時間や相手を考えること苦手」「他者を受容すること苦手」などいますが、そんな時は後天的なことなのでこれから意識し取り組めばいい。大人は内省して自分を変えられると言う素晴らしい能力を持っています。「気がつき、意識する」ことができれば変化=成長できるチャンスがあります。

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