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【未来思考の仕事のOS④】過ぎたるは及ばざるごとし

自尊心の扱い方

職場の中では問題児として話題になりやすい人たちがいます。それぞれ異なる課題を抱えていたりしますが、見ていると「仕事ができない人」と意外にも「仕事が出来すぎる人」であることも多いのです。自信がありすぎると過信が起こり、視野が狭くなっていくのだと思います。自尊心は大切なことですが、高過ぎても低過ぎても問題になりやすいですね。発達心理学者エリク・H・エリクソン(※)が唱えた生涯発達心理学の観点で考えると、この職場で問題になりやすい人は「発達課題」に直面している人だったりもします。

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大人の発達課題

かの松下幸之助さんが「人はダイヤモンドの原石だ」と喩えたように、人の人間性を磨くことができるのは人。人としてのあり方の部分は関係性の中で成長していきます。大人に成り立て、仕事をスタートしたタイミングでは思春期の課題の延長線「生産性」(社会に役立つ自覚)、自立して社会人として確立されてくる時期には、「連帯」「親密性」(異なる他者を受け入れる)、そして自分より優れた存在を次に残す使命に向き合う時期になると「生殖性」(自分を超えさせる)など。様々な役割やポジションは、発達課題を獲得していく上では、機会(チャンス)にもなります。自尊心が強過ぎる・弱過ぎる人にはこんなことが起きがちです。

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価値観などに関わっていたりもしますので、正そうとしても簡単にいかないことも多かったりします。

獲得して欲しい発達課題に目を向ける

自尊心が弱い人の問題は、自信を持てるようにサポートされることが多いのですが、自尊心が高い人に起こる問題は、性格の問題としてレッテルを貼られ、扱いにくい人として放置されてしまうことも多いように思います。仕事ができる故に口を出しにくいので。発達課題を獲得している最中の葛藤と考えると、自信がありそうに見える人も自信を持てずにい自分との間を揺れ動いていることも多いと思います。葛藤ですから。発達課題として取り組む時に心がけて行きたいことは。取り組む課題によってキーワードを「目」「受」「任」(もく・じゅ・にん)と置いてみました。

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干渉と過放任は同じ結果に到る

チャイルド・ファミリーコンサルタントの視点で考えると、正に過ぎたるは及ばざるごとし、過干渉と過放任は同じ結果に到る。過干渉で接してしまうと本人が獲得するはずだった発達課題を,転ばぬ先の杖で親が先回りしてして取り除いている状態。結果的に必要な発達課題を葛藤なしには獲得できずままになってしまいます。過放任では何が起きるかと言うと、壁にぶつかることは誰にでもあり、乗り越えるためにやはりちょっとしたサポートが必要なことがあるのですが人は一人では乗り越えられないことも多い。つまずいたまま、乗り越えられずに大人になってしまいます。

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子どもは環境の影響を受けやすいので、関わる大人がやる気を削がない、やれる気を削がないことが大切なのです。子育てにおいて日常の中でついつい無意識のうちに削いでいたり、分かっていても削いでしまう行動をしてしまうことを自覚しておくことは大切なことです。学童期には結果をあまり求め過ぎないようにだったり、思春期には、小さな努力を重ねて成功体験を得る経験を積めるようにサポートすることは意識しておきたいことです。

人間の成長の過程は連続的で、何かにつまづいたり壁にぶつかって葛藤したり悩んでいることは1歩前進するために必要なことや時間。上手く出来ないことだらけですが、私は何事も無駄ではないと考える派です。

※エリク・ホーンブルガー・エリクソン(英語: Erik Homburger Erikson, 1902年6月15日 - 1994年5月12日)は、アメリカ合衆国の発達心理学者で、精神分析家[1]。「アイデンティティ」の概念、エリクソンの心理社会的発達理論を提唱し、米国で最も影響力のあった精神分析家の一人とされる。



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