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【未来志向の仕事のOS⑦】未完成は可能性

物事は完成した瞬間に陳腐化する

今を過程と捉える

「完成した瞬間に陳腐化する」こんな経験をしたことがあります。当時営業部署にいた私は、顧客管理システムを作成するプロジェクトにいました。営業活動のプロセスをシステムで管理し、最適化しようと考えられたプロジェクト。営業のベストな行動をシステムにより補完する筈でしたが、試行錯誤でチューニングし、完成した途端にそのシステムを捨てることになりました。一時的なベストの状態を作り上げても、社会やマーケットが変化してしまうので、そのことが続くことは無いと言うことをリアルに知る経験でした。そんな経験以来思うことは「途中が一番素晴らしい」と言うことです。途中は中途半端であったり、まだまだだったりしますが、「可能性」と言う無限大のものを持ち得ています。完成は可能性をなくすことでもあるのです。自分はまだまだだ〜と思っている人には朗報ですね(笑)

大切なのはビジョン

何かを作る時、システムであっても料理であってもどんなものを作りたいか目指すものは必要です。何かしら作り上げたものが届けた相手にどのようなことをもたらすのか、そんなイメージがあるとより完成度も上がっていきます。そんな時にあると良いのがビジョン。ここで言うビジョンは「ビジョナリー経営」などで言われた経営理念などと比べると、もっと軽やかなもので、辞書で引くと出てくる「視界」や「未来像」のようなもの。今の問題に向かう時に、「視界を遠くに広げ」「未来像」を置いて考えると不思議なことに今は可能性に満ちたものに変わってくるのです。

目の前の目標を日連続で追いかけても到達できない

多くの企業が取り入れている(取り入れていた?)MBO(Management by Objectives目標による管理)の中で長らく働いてわかったことは、身近なGoalを追いかけ続けても中々行きたい場所に行きつけない。従来は役職が上になり経営陣に近くなると、物理的な忙しさから解放され、考えることは目先ではなく中長期の視点のものに移っていたのだと思いますが、今は変化の激しい時代、そこを経営陣だけに任せて置いて安心というわけでもありませんね。今や、グループやチームや個人の単位でもビジョン(未来像)を持つことが大切なのだと思います。

私の場合は人事系の仕事がメインなので例えばこんなイメージになります。

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ユニークな会社として世の中からも評判になる。そんなビジョン「未来像」を描き、今の状況と未来像の間にある課題を整理する。

そして、中期の未来になった時に、「どんな影響を与えているか」=周りから聞こえてくる声を妄想してみる。

そして、先ほどの課題を半年後、1年後、1年半後に振り分ける。

この作業は、どんな役割を担うのか・・・どんなことでもそうですが、「ローマは一夜にしてはならず」何かを成し遂げようとすると、積み上げていくことが大切で、そのステップを明らかにすることができます。

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そして、「ラダー効果」梯子の途中に置かれた仕事は、取り組む1人1人にとってもよりやり甲斐や意味の感じられる仕事になり、モチベーションが上がります。更に、視点を上げてみることで、細部に気づきも出てきて成果をあげることにつなが利、半年立った時に達成できていることが多いです。MBOに変わり注目されるようになったOKR(Objectives and Key Results目標と主要な結果)同じ考え方だと思うのですが、ビジョンから全てのものに落ちてくるか、それぞれがそこに向かって考え続けていくのかプロセスの置き方が異なりますね。

そして半年立った時には目標はこのように変わります。ビジョンに近づいて行く間が減るかと言うとそうでもなく、1歩進むと更に高みが見えてきて、新たな先の目標が生まれて来て簡単には辿りつけない(笑)完成すると後は陳腐化して壊すことになる・・・そんなことを知っていると、この可能性の大きさはとても幸せなことに見えてきます。

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可能性のあることの素晴らしさ

完璧や完成・・求めてしまいがちですがドラマなども「完」と言う文字がついたら終わってしまいます。人間も同じで「完」は死ぬ時にやってくる。そこまでの長い道のりを、いつも過程だと捉えると、未完成の持つ可能性の大きさに気がつきます。チャイルド・ファミリーコンサルタントは一番可能性の高い”子どもたち”と成長の過程にある”大人たち”の育ち合いに伴走します。家族の対話のサポートをする中でも、視点を今だけではなく未来について向け、お子さんが幼児期でも「子どもが小学生になった時どうなって欲しいのか」「自分はどうしていたいのか」の質問をご夫婦に投げかけたりします。目の前にある問題解決になると議論やすれ違いを生みやすく、お互いの意見を知る機会いなり心の準備ができたりします。そして先のことや抽象的なことになると意見は合いやすくなる利点もあり、日々の生活を共にしてい中で起こる些末なことが問題も、大きなところで共有できるものを作っておくと大事にならずに乗り越え安くなります。



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