多目的トイレ②多目的トイレとトランスジェンダーと車いすと
こんにちは♪
今回は、多目的トイレの在り方について、私の考えを書いてみたいと思います。
多目的トイレのマークはなぜ車いすなのか
「多目的トイレでトランスジェンダーの人は車椅子の人がいると申し訳なく思う。」
これは、LGBTQ当事者で研究をしている大学の先生から聞いたお話です。
前に投稿した岐阜大学のフォーラムで知り合った先生です。
多目的トイレは、一般的に男女の区別がありません。
トランスジェンダーの方は、自分の心と体が違った性なので、体は女性でも心は男性の場合、男子トイレに入りたいし、逆もしかりです。
しかし、なかなか自分の心の性のトイレには入りにくい。
そんな時に利用したいのが多目的トイレです。
他の人と鉢合わせることもなくお手洗いが使えるため、多目的トイレが重宝されます。
しかし、多目的トイレに「車いすマーク」がついています。
これを見ると、入りづらいし、実際に車いすの方が待っていた時には気まずいと言います。
なぜわざわざ車いすマークをつけるのだろう、多目的トイレをそういった用途の人たちしか使えなくしている感じがするという声をいただきました。
車いす利用者の私が思うこと
車いす利用者の一個人の私が思うことを書いてみます。
正直、私は中学生ぐらいまで、トランスジェンダーの方が使いたいということをしりませんでした。
だから、多目的トイレから健常者(高齢者、赤ちゃん連れなどを除く)が出てきたときに、健常者が使うなよぉって、正直思っていました…
その頃の自分にはちゃんと調べてから、考えて欲しいと訴えます笑
それはそうとして、
車いすの人は、物理的に絶対に普通のトイレは使えない、生理現象は止められないから多目的トイレにみんなが使ってしまうと漏れてしまう。ということを考えると、優先して欲しいかなという気持ちがありました。
エレベーターに乗れなかった件で炎上?したこともありましたよね。
この話で大切なことは、絶対その手段でないと行けない人がいるということです。
ただ一方で、物理的に行けないことと、精神的に行けないことに差をつけてもよいのでしょうか。
トランスジェンダーの方々にとって、普通のトイレを使うことがどれほど苦痛なのか、私はそれをはかり知ることはできません。
だから、私は車いす利用者を優先させるような表示がよいのか、まだわからない、という考えに至りました。
多目的トイレは男女分けるべきか
次にあげる議題は
「多目的トイレを男女に分けるべきか否か」
これに対して、トランスジェンダーの方の声として、
多目的トイレを男女に分けられたら困る。
という声をいただきました。
分けられてしまったら、結局どちらのトイレに入ればいいのかという苦悩が付きまとってしまいますよね。
一方で、車いす利用者の視点から見たらどうでしょうか。
車いす利用者の中でも様々な声があることが分かりました。
まず、男女分けてほしいという声です。
現在の男女同一の多目的トイレの場合、車いす利用者、特に女性は、男性の座った後の便座を利用します。
しかし、一般のトイレに行く女性は、女性しか座らない便座を使えます。
さらに、特にいやだなと感じるのは、床が濡れていること。
男性が立って用を足した後、その飛び散った床の上を車いすは通らなければなりません。
これは嫌ですよね。
このような事情から、多目的トイレも男女分けてほしいという車いすユーザーの声があります。
一方で分けてほしくないという声もあります。
理由は2つ。
まず、せっかく開いている多目的トイレに入れないということです。
多目的トイレが2つ以上ある施設はほとんどありません。
だから、せっかく男女で1つずつ作ったとして、異性の多目的トイレが開いていたとしても利用できないことは非効率だと考えられます。
次に、異性介助(ご家族など)の方が入りずらくなるなどがあります。
小さい子どものお手洗いのお手伝いや、介助が必要な人のお手洗いでは、異性が介助することがあります。
その際に、男女分けられていたら入りづらくなってしまいますよね。
このように、様々な意見がありました。
多くの人が快適に過ごせるようにするために
様々な意見がある中で、多くの人が快適に過ごせるようにするために必要な事を私なりに考えてみました。
それは、マイノリティがある者が自分のマイノリティを主張するだけではなく、様々な人々同士がコミュニケーションをとることです。
そのようなコミュニケーションで一つうまくいった有名な事例を一つご紹介します。
それは、車道と歩道の段差。
視覚障害者にとって、段差は必要です。
なぜなら、段差がないと、車道と歩道の見分けがつかずに、車と接触するリスクが高くなるからです。
しかし、車椅子ユーザーにとっては、段差というのはかなり苦手なものになります。
手動の車いすを利用している人で、ウィリー(前輪を上げる行為)ができるなら、少しの段差は越えられます。
また、電動車いすも、その電動の力のおかげで登ることができるということもあります。
しかし、手動で、ウィリーまでできない人にとっては少しの段差も難しい。
このような事情の中で、両者が話し合い、「2センチまで」とすることが決まりました。
両者にとって、2㎝では不満なところもあるでしょう。
しかし、お互いが妥協できるところまで話し合った結果、このようになりました。
この例のように、健常者と障がい者とかではなく、マイノリティのある人同士のコミュニケーションも、どんなときも多種多様な人々が自分のこととお互いのことを考えてコミュニケーションを取ることが必要なんだなと強く感じました。
多目的トイレ、3つ作りませんか?
多目的トイレという点に対して、私は1つの考えに至りました。
「多目的トイレ、3つ作りませんか?」
2つは男女別々、もうひとつはオールジェンダー(というよりもevery one)のトイレです。
メリットを2つ、デメリットを1つ挙げます。
メリット①使える多目的トイレが純粋に増える。
基本的に多目的トイレは一つの場所に一つしかありません。
しかし、車いすの人のトイレの利用時間はとても長い。
1人が入ってしまうとなかなか次はいることができません。
この3つのトイレがあれば、自分の性別と、オールジェンダーのトイレの常時2つを使うことができます。
メリット②トランスジェンダーの方も使いやすい。
例えば、「オールジェンダー」と書かれた多目的じゃないトイレを一つ作ったとしたら、それは自分が性的マイノリティであることを周りに知られることになってしまうと感じると、かなり利用しずらいと思います。
しかし、1つしかない多目的トイレを使うことにも、障害のある人に申し訳ないなと感じてしまう。
そんなときに、3つの多目的トイレがあれば、自分が1つ入っても、他は使うことができるし、誰でも入っていいとすれば、性的マイノリティだと周囲から思われることも少ないのではないか、と考えました。
デメリット 場所がない、お金がない
これにつきますよね…
3つ分の多目的トイレを設置できる施設がどれだけあるでしょうか。
ユニバーサルシートを置くのも難しい施設が多い中で、3つはかなり無理がありますよね。
しかも、多目的トイレの作りにするならば、費用がかなりかさみます。
やはり現実的ではないのかな…?
なかなか難しいことは分かります。
しかし、設置できるスペースがあるならば、多目的トイレを3つに増やすのが一番いいのではないかなと考えます。
あなたはどう思いますか?
今回は私が調べる中で、様々な声を集めてみました。
多くの人は特に考えずに利用するトイレですが、掘り下げるといろいろなことが見えてきます。
私にはまだこれがいい!という結論は見えていません。(というよりも、万人にとって良いものはそもそもないと思っています。)
しかし、もっといろんな声を集めて討論するのも面白いのではないでしょうか?
ぜひ思いついたことがあれば一緒に語りましょう!
みのり
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