見出し画像

14.アラサー肺がんサバイバーの複雑なキモチ がんは困ったさん

こんばんは、肺がんサバイバーのminoriです。

3年ほど前に罹患したがんの闘病記録を綴り、今回で15回目となりました。
ここで一旦、がんに対する現在の気持ちを整理してみたいと思います。

1.不満

宣告されてから今日に至るまで、がんに対し様々な思いを抱いてきました。
ネガティブな思いも。
ポジティブな思いも。

そして現在はどんな思いをがんに抱いているかと言うと、ずばり「不満」です。「不満」。
とにかくあらゆる面でがんに邪魔されている気がします。
がんは健康面以外にも厄介な病気だとつくづく思い知らされました。

【厄介①】通院が面倒くさい

現在の通院頻度は1ヵ月に一度です。
これでも長い方です。この間まで新薬の副作用チェックと規約の関係上、2週間に一度の通院だったので。

ちなみに新薬を始める前は大体3ヵ月に一度、最長で半年に一度でした。
そのまま何事もなければ通院もなくなったのですが、転移が見つかったため通院は続行。通院頻度も高くなりました。仕方がないけどね。

少し話は変わりますが、最近県外へお引越ししました。
お隣の県とかではなくまあまあ遠いところ。けど、定住ではなく所謂プチ移住というやつです。
お仕事もしつつ、ほとぼりが冷めたらまた別の場所へプチ移住…そういう生活がしてみたくて。再発した時に色々と悔いたので、人生に悔いがないようにと強引に決行しました。

が、治療を辞めるわけにはいかないので、転居先の近くの病院に紹介状を出してもらいました。

この場合の紹介状って、書類だけじゃなくデータ入りディスクも入るんですね…。想定よりも重い封筒。インストールにも時間がかかるらしい。新しいお医者さんには「こまめな通院から始めましょう」と言われました。

あの…私、他の場所にも住んでみたいんですけど。これからずっとこんな感じになるんでしょうか?
新天地を病院で選ぶか、アクセスのいい病院を探すか…。
いずれにしろ金魚の糞のように通院が付きまとってくるので、とても面倒です。

【厄介②】お金がかかる

通院の厄介さに比べると、個人的にはとても小さな問題です。
取れるだけの対策を取っているので、そこまで心配する必要もないんでしょう。

が、精神が持たない!
毎月毎月限度額いっぱい払って少しずつ残高が減っていくのが辛くてしょうがない。
冷静に考えると限度額もとてもありがたい制度なのですが、それでも嫌だと思ってしまうのは贅沢なんでしょうか。ケチには辛いです…。

【厄介③】将来がわからない

現在の日本の状況を見ると誰も将来のことなんてわからないのですが、それとはちょっと違います。

将来に向けての対策が取れません。というより取る気になれません。正確に言うと、対策を取るのが正しいことには思えないんです。
老後の問題とか言われても、老後があるかわからないし。
老いと死、先に来るのはどっちかなー? と思うような人です。この先の人生EXTRAステージだと思ってるし。

現実問題、がんにかかり更に再発したとなると、完治するということは基本ありません。
最近の医学の進歩は目覚ましいのでその限りではありませんが、基本は延命のような治療が続いていくだけです。

そしてそんな治療も、いつかは効果を失くす時が来るかもしれない…。
そう思うと、とても30年40年先のことなんて考えられません。

と同時に、身近な人や同世代との間に妙な隔たりを感じるようになりました。
別にそこまで厄介じゃないけど、ちょっとモヤモヤはします。

【厄介④】牛乳がとれなくなった

↑3ヶ月前の呟き

これは通院の次に厄介です。
がんになったことはどうでもいいですが、これは是非憐れんでください。

原因は定かではないですが、薬の影響は大いにありそう。

牛乳を使用したものが食べられなくなっている…!
シチューもピノも、勿論シェイクも。
でもチーズは平気。

ソフトクリーム食べたいとぼんやり思っても、あの不調を思い出すと躊躇ってしまいます。

これの何が辛いって、あの美味しさを知っていることです。
最初から知らないのならその方がよかったよ…。

いつかまた食べられる日が来るといいのですけどね。


2.がんの治療と人生選択

「今欲しいものは何か?」
と訊かれれば、グラボ性能のいいノートPCもそうですが、一番はやはり健康と答えます。

新しい環境に来て、特にそう思いました。
体力面は勿論、精神面もそう。そして何よりがんのような病気だと面倒ごとが多い。健康は自由と同義なのではないかと最近思います。私の不満は結局、自由になれないことから来ているので。

今はあらゆる障害を振り切って県外にプチ移住していますが、そう決意するまでに色々な葛藤がありました。
やはり一番決意を揺らがせたのは、今現在治療中の身であったことです。家の人も心配するだろうし、周りは事情を知らない人ばかり。いつ悪化するかわからないし、何より今は通院している。

もう少し落ち着いてからにしようとも思いましたが、果たしてそれはいつになるのでしょうか? 
がんになって人生のリミットを意識し始めるようになった私には、ただ黙って待つのは辛いことでした。
こうして思い悩んでいる間、何の気なしに新薬の治療を始めてしまった自分を憎みました。断っときゃ良かったんだ。やりたかったこともがんの治療で我慢しなきゃいけない。私、そうまでして生きたいんだっけ? 何度もそう思いました。

…で葛藤の末、面倒ごとはありつつも夢を叶えられているわけですが、案外どうにかなるのかもしれない。
ということは、今抱えている厄介ごとも少しはクリアーできるのかな? 今度相談してみよーっと。

「がんと共に生きる」か…。まさしくそうだと思います。
けど色々と制限も多いですね…。
どこまでも続くのは線路だけでいいよ。
たまにそう考えてしまいます。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?