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中度知的障害の方の特徴②

前回に引き続き、中度知的障害がある成人の方々と接していて感じる特徴を、主観ではありますがご紹介します。

人間関係を意識している

人の名前を覚えて呼んだり、日常的に会っている人たちに関しての認識は、しっかりあると感じます。

たとえば「◯◯さんは△△(野球チーム)が好きなんだよね」とか、「この前、●●さんがこう言ってたよ」という感じで覚えていたり、周囲の人たちへの適度な関心がある方も比較的いらっしゃいます。

社交性の程度は人それぞれ

これは知的障害に限らずかもしれませんが、人付き合いのスタンスや、どの程度人に興味を持ってコミュニケーションを取ろうとするかはかなり個人差が大きく、その人によって異なるように見えます。

フレンドリーでお話好き、相手のことを知りたがり質問をたくさんする、休日は友人と会ったり趣味の集まりに出かけることが多い、というような方もいます。

一方で、プライベートは一人で過ごす時間が長め、趣味も一人で完結できるものが多い、家族など近しい人以外とはそこまで交流しない、必要以上には他者に話しかけない、という方も。

ここに関しては性格や、その方が置かれている環境によっても多少変わってくる部分かもしれません。

日常や社会に比較的適応できる

交通系ICカードで買い物をするとか、ゲーム機やタブレットを使いこなすとか、一人で外出するとか、そういったことが普通にできている方も多いです。

一方で、「一度も行ったことがない場所について自分で全部調べて準備して計画し、実際に一人でそこへ行って帰ってくる」「簡単ではないことがらを理解して、適切に判断する」みたいなことはややハードルが高い、サポートが必要な部分かも、と感じます。

日常での行動範囲や、すべきことや居場所がある程度決まっているほうが、安心して暮らせる方が多いのかな、とも思います。

イレギュラーはやや苦手な傾向にある

こうだと思ってたのにこうなった、とか、これは全く予定になかったけどノリでやってみようよ!みたいなことは、あまり得意ではない方が多いかもしれません。

おそらく、想定外があまり好きではない、ご自身の中で処理しにくい?のかもしれません。

たとえば急に知らない人に話しかけられたり、予期せぬ出来事に遭遇したり、とても早口で聞き取りにくい人から何か質問されたりしたときも、戸惑いがち(状況が読みにくい、どう解決や対処すべきかがわかりにくい)かもしれません。

誤解される可能性もゼロではない

たとえば、相手に中度知的障害があるということを全く知らない第三者が接したときには、

・不審な人かもしれないと勘違いする
・話が噛み合わず不思議に思う

というケースも、ゼロではないかもしれません。※あくまで可能性の話で、その心配がない方ももちろんいらっしゃいます

見た目からわかりにくいため、本人が何の悪気もなく無自覚にやっているクセや行動(例:小さい子がいるとジッと見る、電車内で特定の場所に立ちたがる、たまに独特の歩き方になる、慣れない状況では無言になるorすごく無愛想に見える)を「怪しい」と誤解されるなど。

前回ご紹介した通り、客観視が苦手な傾向にあるため、そもそも「人から誤解されないような行動をしよう」みたいなことには、やや思い至りにくいのかもしれません。

ただ、たとえばカバン等にヘルプマークをつけておくとか、単独行動が不安な場面では誰かのサポートを受けるとか、そういった対策であらぬ誤解をしっかりと防げる部分とは思います。

また、第三者が見たら怪しまれてしまいかねないような癖や行動を、なるべく早い段階(未成年くらいまで)の過程で減らしていく、指摘してくれる人を身近に置く、というアプローチも有効かと思います。

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