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『うたの日』に遅刻した短歌を鑑賞します

みなさま『うたの日』という短歌投稿サイトのことをご存知でしょうか。

毎日、管理人より提示されたお題に従って短歌を詠み、投票によって点数をつけて秀歌を選ぶという、初心者から上級者までが入り混じる楽しい魔窟サイトです。

短歌初心者ことミノリアキラもこのサイトを利用して短歌の暗黒面を体感勉強をさせていただいております。

この『うたの日』には投票で秀歌を選ぶ都合上、各題の提出には締め切りがございます。

今記事は、『うたの日』遅刻常習者である私が詠んだもののなかから、締め切り時間を大幅に越えてしまい投稿できなかった遅刻短歌を並べて鑑賞するものとなっております。

Q・なんの意味があるんですか?
A・意味? それって個人の感想ですよね

『遅刻短歌エントリー作品』

1.
悪口に君を思おう柔肌の血の玉をみて君を思うよう

お題:『アザミ』
遅刻理由:締め切りまでにまとまらなかった。「アザミって何? 中国地方に生えてる?」からはじめたのとエロくしたいという無駄な意欲のせいで落とし所を見失い、日付変更線を越えた。

2.
くち開けて湿度の海を「ああ」と言い自転車で走り抜けるも愛

お題:『愛』
遅刻理由:友達に草案を見せたところ「それは愛なの?」と問われ、愛のぬかるみにハマって出れなくなった。愛って何……?

3.
おみやげのレモンリキュール隠してるシンク下シチリアの風吹く

お題:『リキュール』
遅刻理由:「レモンリキュール」の字数が多すぎてシチリアの風がいつまでも吹かなかった。実家の台所の近況を31字にまとめただけで短歌と呼んでいいのか? という哲学的な問いに正面切ってぶつかったのも痛い。

4.
遠くへと連れていってね約束が恋を迂回しインドへとゆく

お題:『連』
遅刻理由:インドが思いつかなかった。「遠くへと連れていってね約束が恋を迂回し……」まではスッと出たのに、恋愛関係にある二人がどこへ行ってしまうのか見当もつかず、インドに到着したのが二日後だった。
恋愛とは一体……?

5.
年表を細かに刻む出来事のよう白線に黒蝶とまる

お題:『史』
遅刻理由:なぜかそのときはそれがいいと思って、蝶と歴史を合わせて詠もうとした。中学生が突然十字架や蝶のシルバーアクセサリーにハマるみたいな出発点が間違っていた
遅刻したというより出さなかったに近い。
誰かこの短歌の意味わかりますか?

6.
目を凝こらし一片の帆を探してる明るい月がまぎれる街角

お題:『唐詩』
遅刻理由:李白を参考にしようとした。
遅刻短歌全六首の中で最も不遜な遅刻理由を持つ短歌。
本歌取りと言えば聞こえはいいが、お前の31文字を読むより元ネタを読ませろというブーイングがうっすら聞こえてくる。
結局あまりうまく詠みこめないまままた日付変更線を越えた。
そりゃそうだ。音楽始めたばかりの初心者がモーツァルトをアレンジしようとしているようなもんだぞ。そんなんコピーバンドばかりの中学の文化祭みたいになるに決まっているだろ。

参考元:

哭晁卿衡
日本晁卿辞帝都
征帆一片翹蓬壺
明月不帰沈碧海
白雲愁色満蒼梧

以上六首となっております。
遅刻した理由を大まかにまとめると、

・考えすぎ
・テーマがデカすぎ

という、初心者が陥りがちな陥穽にみごとにハマっているのがわかりますね。改めて見てみると、遅刻する奴は遅刻するべくして遅刻しているのだということがよくわかります。

そのへんは小説で既に通った道なのにどうして……?
(※小説は執筆歴20年以上、暗黒の中学二年生時代を小説を書いて過ごした中二病のプロ)

たぶん、大人になってもラノベとか書いてるからですよ。

大人が書いたラノベ。


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