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木を見ずに森を見る

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心ありてもるとなけれど小山田に
いたづらならぬ かかし なりけり

    仏国国師(ぶっこくこくし)
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かかしは、自分で田んぼの稲穂を守ろうとか
などと、考えているわけではないのですが

かかしの姿を見て
鳥や獣は恐れて逃げていきます

人形のかかしには「心」なんてないのですが
それでも、ちゃんと役割を果たしています

これは、どの道を極めるにしても必要であり
その極みに到達した人の所作を例えたものだそうです

もしかかしが
目の前の鳥を追い払ってやろう!!
と考えたら・・・

その時、後ろにいる鳥には気が付かない

では、飛んでくる鳥を追い払ってやろうと
空ににらみを利かせていたら
足元のモグラには気が付かない

身体の全てを動かしながら
心を一つ所にとどめない

身体の総てを動かしながら
心はそのどこにもとらわれず
無念無心

全身に心を生き渡せば
どこかひとところにだけ気をとられるという事はなくなる

何かに執着すれば
喪失したときの痛手は大きいが

全体を見ていれば
失ったものは、些末なものだと気が付く

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