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日本茶と器を愉しむワークショップ_「煎茶」と「かぶせ茶」~栽培方法の違いによる香り・味わいの変化を体感~|@EIGHT TOWN

”日本茶のある暮らし”を少しでも身近に感じていただきたい想いから、美濃加茂茶舗では月に一度「日本茶と器を愉しむワークショップ」を開催しています。日本茶に詳しい方から、興味を持ち始めたばかりの方まで、毎回色々な方に参加いただいております。

講師を務めるのは、お茶をこよなく愛す美濃加茂茶舗の店長であり日本茶インストラクターの伊藤、会場は鶴舞にあるエイトタウンです。

1月に続いて5回目の開催となった今回のテーマは、「煎茶」と「かぶせ茶」~栽培方法の違いによる香り・味わいの変化を体感~ 。過去最多の9名のお客様にお越しいただきました。ありがとうございます!

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※会場に到着後、入口から入ってすぐのレジにて受付をし、ワークショップの費用(1,000円)をお支払いしてから2階にお進みください。

座学編〜煎茶とかぶせ茶の違い〜


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今回のテーマである「かぶせ茶」は新芽を刈り取る前に黒い覆いを10-14日間ほどかぶせ、遮光をして栽培したお茶。玉露と煎茶の中間と言われます。玉露は少なくとも20日間ほど被覆栽培を行い、煎茶は被覆栽培を行いません。

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また、味についても淹れ方によって玉露寄りにも煎茶寄りにもなります。ぬるめのお湯でいれると玉露、熱めのお湯で淹れると煎茶に近い味わいが楽しめるため、玉露と煎茶のいいとこ取りができるお茶です。

玉露より期間は短いですが、被覆して光を制限するとアミノ酸(テアニン)からカテキンへの生成が抑えられるため、渋みが少なく旨味が強いお茶になります。玉露ほど甘味や旨味は濃くありませんが、煎茶よりもまろやかで苦渋味が抑えられた味わいです。

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美濃加茂茶舗ではかぶせ茶は販売していないため、今回の講座では同じ東白川村で栽培された「ふくよか」というかぶせ茶をご用意しました。

ふくよかな旨味の中に白川茶の香りが残るのが特徴で、低音でじっくり淹れるのがおすすめです。

かぶせ茶は、茶葉の収穫前に茶樹に遮光幕をかけて日光を遮ることで、
旨味成分であるテアニンを増やした高級茶

出典:東白川村公式サイト

かぶせ茶は被覆して栽培する影響で、煎茶よりも濃い緑をしています。実際に茶葉を見比べながら、見た目の違いを確認していただきました。

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今回は、かぶせ茶を普段飲んだことがない方が多かったので、かぶせ茶の栽培方法の成り立ちや、主な産地のご紹介など、丁寧に説明をさせていただきながら講座を進めていきました。栽培方法が異なるだけで、植物としては煎茶もかぶせ茶も同じお茶からできていることにみなさん驚かれていました。

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実践編〜基本のお茶の淹れ方〜

かぶせ茶について知っていただいたあとは、実践編へ。美濃加茂茶舗の煎茶を使って、基本のお茶の淹れ方を学びます。

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ワークショップで使用する道具は
・「宝瓶(ほうひん)」と呼ばれる持ち手のない急須
・湯呑み(湯さましの役割も兼ねます)
・小さめのスプーン(ティースプーン)
です。

宝瓶は玉露や煎茶などのうま味を十分に引き出して飲みたいお茶に適しており、ワークショップでも毎回ご自身でお茶を淹れていただく実践パートで使っています。洗う際に茶殻を取り出しやすく収納もしやすい茶器です。

まずは店長が実際の手順をお見せしながら、宝瓶の使い方、茶葉の量、お湯の温度、湯さましの仕方、蒸らし時間など、美味しいお茶を淹れるために留意すべき点を解説していきます。

▼ティースプーン2杯分ほどの茶葉をすくって宝瓶に入れます

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▼一度湯のみにお湯を入れ、そのお湯を茶葉が入った宝瓶に入れます

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湯のみが温まると同時に、宝瓶に注ぐお湯も適温(煎茶では80-85度程度)になります。さらに、湯のみにぴったりの水量になるので適量のお茶を抽出することができます。

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▼蒸らしは約1分です

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▼最後の一滴まで注ぎきることが二煎目も美味しく淹れるコツです

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さて、いざ実践です。

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基本の淹れ方を知ったあとは、いつもより美味しく感じられたでしょうか。

▼今回のお茶請けは、中村区「とう吉饅頭」さんの上用饅頭

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最後に店長がかぶせ茶をお淹れし、みなさんに飲んでいただきました。

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煎茶との味の違いを楽しんでいただけたのではないでしょうか。

今回の淹れ方を基本として、お湯の温度や茶葉の量を変化させ、自分好みの一杯を楽しんでいただけたら幸いです。

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質問タイムにはみなさんからたくさん質問も出て、活発にお話いただいたおかげで盛り上がりました◎

終了後のアンケートでも、他の参加者の質問でより理解が深まるという声がありましたが、今後はもう少し参加者の方がお話できる時間も設けていきたいと思います。

土曜日の午前中、お時間を作ってお越しいただきましてありがとうございました!

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次回3/14(土)は、“抽出温度によって変わる味わい”をテーマにお話します。ご興味を持たれた方は、お気軽にご参加いただけると嬉しいです。

🍵次回ワークショップのお知らせ🍵

テーマ:「お湯と水」~抽出温度によって変化する味わいを楽しむ~
内容:日本茶は淹れる温度によって同じ茶葉とは思えない程、味や香りが変化します。 “0〜100℃どの温度で淹れてもおいしく飲める”をテーマにブレンドした「煎茶」をお湯と水で淹れ比べ、味・香りの変化を楽しみます。
日時:3月14日(土)10:30-12:00
定員:10名【予約制】
受講料:大人(中学生以上)1,000円 小学生以下 無料
※価格は全て税抜です

4月以降のワークショップテーマも出ていますので、ご覧ください。

小さなお子様の同伴も可能になりました。会場にはキッズスペースもありますので、今まで参加が難しかった方も参加をご検討くださいね。

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また来月、お会いできることを楽しみにしております!

講師:伊藤(美濃加茂茶舗店長/日本茶インストラクター)
TEXT:松下(美濃加茂茶舗プロジェクトマネージャー)


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