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日本茶と器を愉しむワークショップ_「お茶のいろは~日本茶の製造方法を知る~」|@EIGHT TOWN

”日本茶のある生活”を少しでも身近に感じていただきたい想いから、美濃加茂茶舗では月に一度「日本茶と器を愉しむワークショップ」を開催しています。かなりの日本茶好きの方から、興味を持ち始めたばかりの方まで、毎回色々な方にお越しいただいています。

12月に続いて4回目の開催となった今回のテーマは「お茶のいろは~日本茶の製造方法を知る~」。

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講師を務めるのは、お茶をこよなく愛す美濃加茂茶舗の店長であり日本茶インストラクターの伊藤です。

今回は1月7日から行っていた星が丘テラスのイベントスペースMOGMOG出店の合間でのワークショップでした。

会場は鶴舞にあるエイトタウン。

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まずは入口から入ってすぐのレジにて受付をし、ワークショップの費用(1,000円)をお支払いしてから2階にお進みください。

今回は3名の方にご参加いただきました。今回もざっくばらんに質問などしていただきながら、和やかな雰囲気で進んでいった様子をお伝えします。

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日本茶の製造方法を説明する前に、まずはお茶の分類について知っていただくべく、今回はチャートをご用意しました。

日本茶は大きく分類すると不発酵茶、半発酵茶、発酵茶の3つに分かれます。緑茶は不発酵茶で、ここに煎茶や玉露、かぶせ茶、ほうじ茶などが含まれます。烏龍茶は半発酵茶、紅茶は発酵茶です。

細かく分けていくともっと枝分かれしてしまうのですが、基本のワークショップということで製造方法の違いを大まかに理解する上で必要な分類にとどめています。

普段日本茶を飲んでいる人でも、正確な日本茶の分類は意外と知らないもの。緑茶と烏龍茶と紅茶が同じ茶葉から作られることにみなさん驚いていました。

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大まかな分類について理解したあとは、製造方法と合わせて、それぞれのお茶の特徴や違いについて詳しく学びます。

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実際に、美濃加茂茶舗の煎茶とほうじ茶の茶葉の見た目や香りの違いを確認しながら進めていきました。

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今回はもうひとつ、美濃加茂茶舗ではお取り扱いがありませんが、東白川村の「かぶせ茶」もご用意。

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(左がほうじ茶、真ん中がかぶせ茶、右が煎茶です。
かぶせ茶と煎茶、見分けられますか?)

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東白川村産のかぶせ茶「ふくよか」は、ふくよかな旨味の中に白川茶の香りが残るのが特徴で、低音でじっくり淹れるのがおすすめです。

かぶせ茶は、茶葉の収穫前に茶樹に遮光幕をかけて日光を遮ることで、
旨味成分であるテアニンを増やした高級茶

出典:東白川村公式サイト

かぶせ茶はよく、煎茶と玉露のいいとこ取りのお茶と言われます。玉露が少なくとも20日間ほど被覆栽培を行うのに比べ、かぶせ茶の被覆期間は一週間程度。玉露ほどの期間は無いにしろ、被覆して光を制限するとアミノ酸(テアニン)からカテキンへの生成が抑えられるため、渋みが少なく旨味が強いお茶になります。玉露ほど甘味や旨味は濃くありませんが、煎茶よりもまろやかで苦渋味が抑えられた味わいです。

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いつもより長めに座学パートの時間をとって一通り日本茶の製造についてお伝えしたあとは、いよいよ実践パートへ。

まずは美濃加茂茶舗の煎茶を使って、基本のお茶の淹れ方をレクチャーします。

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ワークショップで使用する道具は
・「宝瓶(ほうひん)」と呼ばれる持ち手のない急須
・湯呑み(湯さましの役割も兼ねます)
・小さめのスプーン(ティースプーン)
です。

miyamaの「宝瓶」は昨年実施したクラウドファンディングのリターンや、オンラインショップでも人気の商品。玉露や煎茶などのうま味を十分に引き出して飲みたいお茶に適しており、ワークショップでも毎回ご自身でお茶を淹れていただく実践パートで使っています。洗う際に茶殻を取り出しやすく収納もしやすい茶器で、美濃加茂茶舗の店舗やイベント時にお世話になっています。

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(↑先日のイベントでも宝瓶でお茶を淹れました)

この宝瓶を作っている「miyama」は美濃焼の産地の中でも磁器に特化した地区にあるブランド。伝統を守りながらも現代の暮らしに馴染むプロダクトを届けているところが美濃加茂茶舗が目指す姿と重なります。

昭和中後期、世界の工場として欧米の洋食器ブランドの依頼に対し上質な白磁の洋食器を供給した時代に培われたものづくりの基礎。
私たちは、それら受け継いだものを基に、現代の暮らしに寄り添った丁寧な道具としての器を作っています。

出典:株式会社 深山HP

宝瓶の使い方、茶葉の量、お湯の温度、湯さましの仕方、蒸らし時間など、美味しいお茶を淹れるために留意すべき点を解説。そして、いざ実践です。

はじめにティースプーン2杯分ほどの茶葉をすくって宝瓶に入れます。

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一度湯のみにお湯を入れ、そのお湯を茶葉が入った宝瓶に入れます。そうすることで湯のみは温まり、宝瓶に注ぐお湯も適温(煎茶では80-85度程度)になります。さらに、湯のみにぴったりの水量になっているので適量のお茶を抽出することができるのです。

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最後の一滴まで注ぎきることが二煎目も美味しく淹れるコツです。

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蒸らしはだいたい1分。慣れないうちはしっかりとストップウォッチで計りましょう。

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ご自身で淹れた煎茶と一緒に、店長イチオシのお茶請けを味わっていただきます。今回のお茶請けは、中村区の「とう吉饅頭」さんの豆大福。

お豆のかたさも味も、お餅のしっとりやわらかな食感も、あんこの上品な甘さも、どれを取っても美味しい。トータルバランスが高い!

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豆大福が苦手だった店長が、豆大福好きになったきっかけになった商品なだけあります。見た目も美しいです。

お茶請けを楽しみながら、続いてはほうじ茶を飲んでいただきました。

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ほうじ茶は焙煎香を楽しむお茶なので、煎茶よりも熱めのお湯で淹れるのが一般的です。美濃加茂茶舗のように一番茶のみを使用しているほうじ茶は香りだけでなく旨味も十分に感じていただけますので、お好みの温度を見つけてみてください。

最後は店長がかぶせ茶を振る舞いました。

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かぶせ茶は被覆して栽培する影響で、煎茶よりも濃い緑をしています。茶葉の見た目の違いと合わせて、最初に飲んだ煎茶との味の違いを感じられたかと思います。

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最後は質問タイム。かぶせ茶を飲みながら、全体を通しての質問や感想をお話していただきました。

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初めての土曜開催となった今回。ご参加いただいた皆さま、ありがとうございました!

次回2/8(土)も、かぶせ茶をテーマにお話します。ご興味を持たれた方は、まだ応募を受け付けていますのでお気軽にご参加ください。

🍵次回ワークショップのお知らせ🍵

テーマ:「煎茶」と「かぶせ茶」~栽培方法の違いによる香り・味わいの変化を体感~
内容:品種や産地の違いだけでなく、栽培方法によっても味わいが異なる日本茶。 同じ東白川村で栽培された2種類のお茶「煎茶」と「かぶせ茶」を飲み比べ、その違いを体感。なぜ味や香りが変化するのかを解説します。
日時:2月8日(土)10:30-12:00
定員:10名【予約制】
受講料:大人(中学生以上)1,000円 小学生以下 無料
※価格は全て税抜です

小さなお子様の同伴も可能になりました。会場にはキッズスペースもありますので、今まで参加が難しかった方も参加をご検討くださいね。

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また来月、お会いできることを楽しみにしております!

講師:伊藤(美濃加茂茶舗店長/日本茶インストラクター)
TEXT:松下(美濃加茂茶舗プロジェクトマネージャー)

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