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寒い季節のはじまりに。ほうじ茶の違いを楽しむワークショップ@THE GIFTS SHOP

寒くなってくると飲みたくなるほうじ茶。香ばしく、やさしい味わいで、カフェインも少ないことから、ホッとひと息つきたい時におすすめです。

そんな「ほうじ茶」も、茶葉の種類や焙煎度合いによって、香りや味わいの違いはさまざま。そこで、美濃加茂茶舗では、色々な種類のほうじ茶を飲み比べて、その違いや淹れ方について学ぶワークショップを開催しました。

今回のワークショップは、岐阜駅内にある「THE GIFTS SHOP(ザ ギフツショップ)」さんで開催しました。家具や雑貨、食品など、岐阜県に根付くいいものを常時約1,500点以上取りそろえているお店です。

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今回は5名の方にお越しいただきました。ご参加ありがとうございます!

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講師を務めるのは、「美濃加茂茶舗」店長であり、日本茶インストラクターの伊藤(@naoya_iii)です。

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今回は、お茶をこよなく愛する伊藤がほうじ茶をテーマに、お茶について学ぶ「座学」・お茶の淹れ方を「実践」・飲み比べる「体験」の順で進行していきました。

座学編 ~ほうじ茶ってどんなお茶?~

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「そもそもほうじ茶とは?」「煎茶と何が違うの?」という疑問を持つ方も多いのではないでしょうか。

ほうじ茶とは、煎茶や番茶、茎茶などをキツネ色になるまで、約200度の強火で炒って(ほうじて)、香ばしさを引き出したお茶のこと。

煎茶など緑色の茶葉のお茶との違いについて、講師・伊藤は、「日本茶の製造工程である、蒸し工程・揉み工程・乾燥工程までは、ほぼ同じで、最後の仕上げ工程での火入れの温度や時間が違うだけなんです」と言います。

「最後の火入れの工程で、煎茶の場合はゆるやかに香りをつけるのですが、ほうじ茶は約200度と高温で火入れをします」

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「ほうじ茶」とひと口に言っても、茶葉の種類や焙煎温度によって、味や香りも大きく異なります。その違いを知るために、今回は3種類のほうじ茶を用意しました。

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①1番茶のみ使用したほうじ茶
②主に2番茶を使用したほうじ茶
③茶葉の茎の部分のみを集めて、低温でじっくり焙煎したほうじ茶
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それぞれの形や色を見て、茶葉の香りを嗅いだ参加者からは、「どの種類も全然違う!」との声が。なぜ、同じほうじ茶なのに、違いが出るのでしょうか。

「多くのほうじ茶に使われる茶葉は、2番茶や3番茶など、「番茶」を使用したものが多いです。今回用意した①のほうじ茶は、良質で柔らかい茶葉である1番茶を使用しているため、甘みや旨味がしっかりと感じられます」と、講師の伊藤が、3種類の茶葉の違いを説明。

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「一般的なほうじ茶は②。口当たりがさっぱりしているので、食後にもぴったりです。そして、③は茎の部分をじっくりと焙煎しており、やさしい甘みが特徴ですよ」

実践編【1】〜おいしいお茶の基本的な淹れ方〜

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日本茶の製造工程やほうじ茶の種類について知った後は、美濃加茂茶舗のほうじ茶を使って、基本的なお茶の淹れ方を学びます。

まず講師の伊藤が、お茶の淹れ方の手本をレクチャー。ワークショップで使用する道具は下記の3つです。

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・宝瓶(ほうひん):持ち手のない急須のこと。
・湯のみ:湯さましの役割も兼ねます。
・小さめのスプーン(ティースプーン)
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まず、ティースプーン2杯分(約4-5g)の茶葉を、宝瓶に入れます。

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次に、沸騰させたお湯を湯のみに注ぎ、適温になるまで冷まします。沸騰させたお湯の温度は、約90度。ほうじ茶をはじめ、日本茶を淹れる時は、お湯の温度を下げた方がまろやかな味わいになると、講師の伊藤は言います。

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「沸騰したばかりのお湯は高い温度なので、カテキンなどのタンニンが多く出やすく、苦みと渋みが多く出てきます。一方、少し冷ましたお湯やぬるま湯で淹れると、渋みが抑えられ、うま味や甘みが感じられます」

湯気の立ちがゆるやかになったら、湯のみのお湯を茶葉が入った宝瓶に注ぎ、蓋をして約1分待ちます。

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湯のみに注いだ熱湯を早く冷ますためには、他の容器に移しかえるのがポイント。蒸らす時に約1~2分程度待つことで、温度が約10度くらい温度が下がり、お茶を淹れるための適温となる、70~80度になります。

約1分程度蒸らした後、湯のみへとお茶を注ぎます。

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急須に残らないように、最後の一滴まで注ぎ切ることで、次の2煎目、3煎目までおいしく飲むことができます。

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実践編【2】~ほうじ茶を淹れてみる~

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おいしい日本茶の淹れ方を学んだ後は、いよいよ実践へ。良質な茶葉でできた、一番茶のほうじ茶(①)を使用します。

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「今までに何度もお茶を淹れてきたけれど、はじめて聞いたことばかりです!」と、日頃お茶に親しんでいる参加者も、初耳だったそう。

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最後まで注ぎ切ったら、淹れたほうじ茶を飲んで、味わう時間です。

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「自宅で飲むほうじ茶とは全然味も香りも違う!」「すごく甘みがあって、はじめて飲むほうじ茶でした」と皆さん驚きつつ、自分で淹れたお茶をじっくりと楽しみました。

体験編 ~3種類のほうじ茶を飲み比べ~

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続いては、ほうじ茶の飲み比べ。先ほど飲んだ一番茶のほうじ茶(①)以外の、一般的なほうじ茶(②)と、茎茶のほうじ茶(③)を、講師の伊藤が淹れて、みなさんに飲んでいただきました。

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座学編で見て香って比べた茶葉を目の前に、ほうじ茶を種類ごとに飲み比べます。

参加者から、「一般的なほうじ茶の茶葉も、こうして丁寧に淹れるとおいしいですね」との感想も。

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今回のお茶請けとなる「岐阜のかりんとう(栗きんとん味)」と一緒に、ほうじ茶の飲み比べを楽しんでいただきました。こちらのかりんとうは「THE GIFTS SHOP」でオープン当初から人気のロングセラー商品。中津川の名菓・栗きんとんを糖蜜に溶かしてかりんとうにコーティングしているんだそうです。

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最後はもう一度、参加者それぞれがほうじ茶を淹れてみます。最初よりもさらに、手際よくお茶を淹れることができたみなさん。今回学んだ淹れ方を、ご自宅でぜひ実践してもらえるとうれしいです。

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「茶柱が立ちました!」と、参加者の1人の方が見せてくれました。良いことがありますように!

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ワークショップの最後は、質疑応答タイム。ほうじ茶について、学んで飲んで、比べてみた参加者からは、本日のワークショップのこと以外にも、自宅に眠った茶葉の焙じ方や活用方法をはじめ、お茶にまつわる様々な質問をいただきました。

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お茶を飲んで心の緊張がほぐれるからでしょうか。だんだんとお話も活発になり、あっという間におしまいの時間になりました。

土曜日の午前中、お時間をつくってお越しいただき、ありがとうございました!

また、お会いできることを楽しみにしております!


講師:伊藤(美濃加茂茶舗店長/日本茶インストラクター)
TEXT&PHOTO:ライター fujico(@fujicccoo

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