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淹れる温度でお茶の味わいはどう変化する?日本茶の成分や効能について

こんにちは。美濃加茂茶舗の伊藤です。

美濃加茂茶舗では、月に一度、名古屋にあるオリジナル家具のショールーム&インテリアショップ「エイトタウン」で日本茶ワークショップを開催しています。

ワークショップは、毎月テーマを変えて実施しています。5月は「温度で味わいが変わる日本茶を楽しむワークショップ」と題し、淹れる温度で変化するお茶の味わいと、日本茶の成分・効能についてご紹介しました。

今回のnoteでは、5月に開催したワークショップの内容をまとめてご紹介していきます。

講師は美濃加茂茶舗の店長で日本茶インストラクターの伊藤です。

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お茶の種類と製造方法

茶業者でないとなかなか見ることができない、お茶が作られている製茶工場の様子を写真や動画でご覧いただき、収穫から製品の茶葉になるまでの製造工程をご紹介しました。

※この記事で掲載している茶畑や茶工場の写真は、すべて東白川村で撮影されたものです。

日本茶の製造工程 | お茶ができるまで

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①収穫
摘み頃になった新芽を収穫。葉を傷めないように注意して収穫します。 収穫は、ひとつひとつ人の手で摘む「手摘み」もありますが、ほとんどが機械で収穫されます。
※鹿児島などの暖かい産地は4月上旬ごろから新茶の収穫が始まり、桜前線のように北上していきます。

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②蒸熱(じょうねつ)※蒸し工程
蒸気で加熱して茶葉を蒸す工程。茶葉が持つ酸化酵素の働きを止め、青臭さを取り除きます。 このときの蒸し時間の長さは、味や香りに大きく影響します。

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③ 粗揉(そじゅう)※揉み工程_1
茶葉を柔らかくし、内部の水分を低下させるため、熱風を送り込み、打圧を加えながら揉みます。

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③ 揉捻(じゅうねん)※揉み工程_2
粗揉での揉み不足と乾燥むらを補い、お茶の葉の水分を均一にする工程。
加熱せず圧力を加えて揉みます。

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④ 中揉(ちゅうじゅう)※揉み工程_3
乾燥した熱風を送りながら打圧を加えて揉みます。
茶葉を解きほぐし、次の精揉(せいじゅう)工程で整形しやすいように乾燥させます。

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⑤ 精揉(せいじゅう)※揉み工程_4
最後の揉み工程。
熱を加え、茶葉の水分を取り除いて乾燥を進めながら、細長く形を作っていきます。

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⑥ 乾燥
生葉の水分を100%とした時、ここで5%程度まで乾燥させる工程。
青臭みを取り、お茶の香りを引き出します。

乾燥を終えたお茶を「荒茶(あらちゃ)」と言います。

⑦ 選別 ※仕上げ工程_1
形を均一にして不揃いなものをふるい分けして、
茎(茎茶)や粉(粉茶)、大きい葉、細く撚(よ)れた葉など、大きさごとに選別していきます。

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⑦ 火入れ ※仕上げ工程_2
ふるい分けた茶葉ごとに加熱して、水分をとばし、香りを引き出します。
この工程を終えた茶を「仕上げ茶」と呼びます。

仕上げ茶は、適宜、合組(ごうぐみ=ブレンド)され、販売されるお茶となります。

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日本茶の成分と効能

煎茶には、渋み成分の「カテキン」苦み成分の「カフェイン」旨み成分の「アミノ酸(テアニン)」など、たくさんの味の成分が含まれています。このようなお茶の成分は、味わい深さだけでなく、体にも様々な効果をもたらします。

カフェイン
コーヒーなどにも含まれている、苦み成分の「カフェイン」は、実はお茶にも多く含まれています。覚醒作用があり、眠気覚ましや運動能力を向上させたりする効果があります。

カフェインは高温で淹れると効率よく抽出されますが、低温では抽出されにくい成分なので、シャキッと眠気を覚ましたいときは熱湯で、旨みを楽しみたいときは、少しお湯の温度を冷まして淹れるのがオススメ。

カフェイン グラフ

アミノ酸(テアニン)
アミノ酸は、お茶の旨みを構成する成分で、お茶に含まれるアミノ酸の半分以上が、お茶特有の成分の「テアニン」。テアニンを飲んだあと、脳波を測定すると、リラックスしている状態のときに多く出現するα波が上昇することも判明しています(伊藤園の中央研究所の調査による)。

アミノ酸は低温でもじっくり時間をかけて淹れると抽出される成分なので、煎茶を水出しで淹れると低温では抽出されにくいカフェインによる苦味が抑えられ、まろやかな甘みが感じられるお茶になります。

アミノ酸 グラフ


「煎茶」の淹れ方(ホット)と、「水出し煎茶」の淹れ方

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「煎茶」の淹れ方(ホット)

ポイントは、茶葉とお湯の量をしっかり計量して、熱湯よりやや低めの温度で淹れて、じっくり焦らず1分待つこと。

① 沸騰させたお湯を湯のみに注ぐ(湯量:約180ml)
② 宝瓶(急須)に茶葉を5g入れる
③ 湯のみに入っているお湯を、宝瓶(急須)に入れる。
④ 蓋をして、1分待つ。
⑤ 最後の1滴まで注ぎ切る。
(二煎目以降は、待ち時間なしでお湯を入れたら、すぐに湯のみに注ぐ)

「水出し煎茶」の淹れ方

① 小さじ4杯(6~7g)の茶葉をボトルに入れる
② 冷水500mlを注いで約2時間待つ。
③ 飲む前にボトルを数回傾けて静かに茶葉を攪拌させたら完成。

↓今回のワークショップでは、同じ淹れ方で、水出し煎茶と水出しほうじ茶をつくりました。

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今回のワークショップで使用したアイテムとおすすめ商品

ワークショップで使用したアイテムは、美濃加茂茶舗のオンラインストアでも販売しています。

“0~100℃どの温度で淹れてもおいしく飲めるお茶”をテーマにブレンドした美濃加茂茶舗定番の「煎茶」

一番茶のみを焙煎した茶葉の芳醇な香りが格別の「ほうじ茶」

少しずつ色々な種類のお茶の味わいを楽しみたい方や、いきなり容量の大きい商品を購入するのは不安という方にオススメの送料無料の「お試しセット」のシリーズ。

「煎茶」と「ほうじ茶」の2種セット(茶葉/ティーバッグ)

「煎茶」「ほうじ茶」「和紅茶」の3種セット(茶葉/ティーバッグ)

美濃加茂茶舗でお取り扱いしている5種類のお茶をすべて飲み比べられる「5種セット」※この商品は茶葉タイプのみです。

ワークショップで皆さまにお使いいただいている「宝瓶(ほうひん)
ひとり分(一煎分)のお茶を淹れるのにちょうど良いサイズです。


次回の開催は6月12日(土)、新茶を楽しむワークショップ

次回は、基本の淹れ方と合わせて、一年に一度、初夏のこの時期にしか味わえないフレッシュな香りの「新茶」を存分に楽しむ淹れ方をご紹介します!

オンラインショップ用新芽

■開催日時
6月12日(土)10:30-12:00
受講料:大人(中学生以上)1,100円 小学生以下 無料
※お茶うけつき

■会場
EIGHT TOWN(鶴舞)
愛知県名古屋市昭和区鶴舞2丁目16-5
JR中央線・地下鉄 鶴舞駅から徒歩8分

■お申込み方法
お申込みは、下記のエイトタウンHPからお願い致します。

その他、ご不明点等ありましたら、コメントやDMにてお気軽にお問い合わせくださいませ。

ワークショップは万全な感染防止対策を行い、安心して参加いただけるよう配慮した上で開催します。

インストラクターの手洗い消毒の徹底、マスク着用をいたします。また、当日参加されるお客様は、ワークショップ開始時にアルコール消毒と、お茶を飲む時以外はマスクの着用をお願い致します。

皆様ご協力のもと、少しでも安全にイベント開催ができるよう、ご協力いただけますと幸いです。


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