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設立一周年。感謝の気持ちを「煎茶×ハーブ」に込めて。|美濃加茂茶舗のお茶の定期便4月号

3月27日に、美濃加茂茶舗は独立して一周年を迎えました。たくさんの人に応援していただきこの日を迎えられたこと、感謝申し上げます。

煎茶茶葉

一周年の感謝の気持ちをなにか伝えられないかと考え、毎月定期便をご利用いただいている皆さまに、いつもとは一味違った美濃加茂茶舗を楽しんでいただけたらと初めてのハーブティーをお届けすることに致しました。

今日はこの一年の振り返りと、2021年度最初の商品となる「煎茶×ハーブ」に込めた想いをお伝えします。

丁寧に伝えられるスピードで無理のない商品展開を。

この一年はまず、美濃加茂茶舗の自己紹介および、産地である東白川村のお茶を知っていただくことを目指して商品展開をしてきました。そのため、東白川村の特徴がわかりやすい独立前からの看板商品

・煎茶
・ほうじ茶

からスタートし、玄米茶、萎凋煎茶、とラインナップを増やしました。無理に商品数を増やすことはせず、ひとつひとつの商品を大切に、丁寧にお伝えしていけるスピード感で新商品の投入をしています。

また、設立直後の新茶の時期には、東白川村のような産地が抱える課題を知っていただくため、同じ様に新茶の時期が遅い山間部で茶作りをしている「鈴木茶苑」さんとコラボさせていただき、【山の新茶】と題したセット販売もしました。

美味しさとともに、産地の顔が見えるような商品づくりをしてきたつもりです。(伝わっていたでしょうか・・・🍵)


お客様の時間に寄り添いたくて。定期便で、月に一度のご挨拶

レギュラー商品と並行して、日本茶インストラクターである代表の伊藤がセレクトする「お茶の定期便も毎月お届けしてきました。

世の中には色々な定期便がありますが、美濃加茂茶舗としては日本茶インストラクターでありお茶に精通する伊藤が、季節に合わせていろいろなお茶を紹介したり、飲み比べをしていただけるような通常商品とは違った楽しみ方ができる内容としています。

▲2月の定期便:
煎茶と深煎り煎茶を飲み比べて火入れによる味わいの違いを楽しめる号
▲3月の定期便:
数量限定で販売した東白川村の”在来茶”をお届けし、品種茶との違いを楽しめる号

設立から一周年経った最初の月となる定期便4月号の内容は、いつも以上に悩みました。

せっかくなら、これまでに無かった商品かつ、いつもの美濃加茂茶舗とは一味違うお茶にチャレンジしてみたいし、同時に昨今のご時世で閉鎖的になった気持ちもふっと軽くしてくれるお茶がいいな・・・

そう考えたとき、ハーブティーの見た目や香りがもたらしてくれる華やかさが思い浮かびました。

「見ているだけで気持ちが明るくなるお茶を、
一周年の感謝の気持ちとともに届けたい」

東白川村の茶師さんに相談してみたところ、我々の気持ちを受け、この企画だけのオリジナルのハーブティーをブレンドしてくれることになったのです。

萎凋煎茶をベースに、素朴さと華やかさが調和した草木香る美濃加茂茶舗らしいハーブティーができました

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4月の定期便限定でお届けする「煎茶×ハーブ」は、新世紀工房茶師の森本さんと薬剤師の前田さんによるブレンドで作られています。

森本さんは美濃加茂茶舗のパートナーである「新世紀工房」の 茶師さんです。茶師とはお茶のブレンドや火入れを担当し、原料の状態だった茶葉を、市販できる状態つまり「完成品」へと導く人です。
岐阜県中津川市出身で、10年前に白川茶に出会い、東白川茶業に惚れ、生涯を捧げる職と決意したそうです。同じく新世紀工房の茶師 田口さんとともに、美濃加茂茶舗の商品開発を全面的にサポートしてくれています。

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「茶師として茶をつくることに楽しさと喜びを感じる日々です。日本茶という日本を代表する嗜好品、そして”本物”に携われることに誇りを持ちつつ、古きものを大切に新しいことにも挑戦し続けています」

そう語る森本さんに、今回のハーブティーづくりについてお聞きしました。

(以下、地の文は森本さんのコメントとなります)

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―――森本さんご自身、昨年からハーブティーの開発に力を入れていらっしゃいますがきかっけは何だったのでしょう?

日本全国、茶業界では「お茶が昔のように売れない」とよく耳にします。それはこの岐阜県の地でも同じです。確かにひと昔前と比べればお茶の消費量は減っています。お茶を普段飲んでいた層の方たちが、時の流れに伴い減少しているからという理由もあるかもしれません。
でも今、日本茶業界では全国のあらゆるところで様々な取り組みがされていて、若い方たちの中にもお茶への興味を持ってくれる層が増えてきている。これは身をもって感じています。
だから僕は、「お茶が売れなくなった」のではなく「お茶の売れ方が変わった」のだと信じています。

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どんな形でも良い、ペットボトルのお茶でも、水出し茶でも、スイーツやラテなどの加工品でも…どんな形であれ「茶」に触れる、文化に触れる機会を、お茶を知らない人たちに提供したいんです。そこを入り口に、茶産地や人や物語に触れて、気が付いたら日本茶にのめりこんでいた。そんな人たちが増えたら…と日々思っている中でたどり着いたひとつが「ハーブティー」でした。
「白川茶×ハーブ」のきっかけは、とあるイベント。普段お茶を買わないような人でも、ハーブティーの美しい見た目や効能に関心を寄せ、購入をする姿を目の当たりにしたこと。そのハーブを東白川村のお茶にブレンドしたら面白そうだな…という遊び心が湧きました。

―――ハーブティーの開発パートナーの前田さんとの出会いや、惹かれた点を教えて下さい。

僕の出身地中津川市が拠点の薬剤師の前田氏とは、イベントでコラボしたのがきっかけで出会いました。「薬剤師が作るハーブティー」としてハーブティー専門店「Jasper Green」を開業しており、とても真面目な方です。若くして頑固・・・というか、信念をお持ちの人で、その姿勢に惹かれました。

今回、美濃加茂茶舗さんからのご依頼でハーブティーの相談をしたときも、きちんと今回用のテーマに対して「処方」をしてくれました。極端な話、薬の処方と同じです。彼は薬剤師なので、全てのお客様からの相談を聞き、その内容に合わせたブレンドを大切にしています

しっかりとひとりひとりのお客様に向き合い、その人を想いながらお茶を出すって、僕ら茶人と同じだと思いませんか?

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僕と前田さん、真面目で頑固な造り手・淹れ手のペアで、今回の一周年を記念する「処方」をさせていただきましたので、ぜひ美濃加茂茶舗のお客様にも楽しんでいただきたいです。

―――ハーブティー開発の面白さや難しさについて教えて下さい。


ハーブはそれぞれ個性が強いので、わかりやすく明確な「テーマ」を持ってブレンドできることが面白く、無限の可能性を秘めている気がしています。自分が今後日本茶の茶師、ブレンダーとして成長していくためにも良い経験になりそうです。

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僕が手掛ける場合は、やはりお茶の味わいを大事にしたいので、その点において日本茶と合わない・日本茶の風味を損なうハーブは使用できないかなとは思います。ただ、ハーブ同士でもそれぞれが効果を高め合ったり、補ったりするケースもありますので、その辺りの知識はこれからも深めていきたいです。

―――美濃加茂茶舗の定期便のために仕立てていただいたハーブティーに込めた想いをお聞きしたいです。


自分の中のテーマを「可憐」「華々しい」に設定し、ベースに使用する茶葉もはなやかな香りのある東白川村の「萎凋煎茶」を選びました。


そこにブレンドしたのはローズペダル、コーンフラワー、マルベリー、ストロベリーリーフというハーブです。それぞれが体に嬉しい効能を持つハーブですが、特にストロベリーリーフを入れたのには美濃加茂茶舗のお二人への想いがあります。

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ストロベリーリーフは幸運を呼ぶハーブとも呼ばれているので、設立一周年ということで御社にとってさらなる幸がありますように…という想いです。この想いを汲んだ前田さんが、ストロベリーリーフをセレクトしてくれました。彼の粋な心遣いです。

ローズペダル:ビタミンCが豊富で美容に良いとされる。リラックス効果も期待できる
コーンフラワー:花の浸出液には収斂作用や消炎作用があると言われ、疲れ目にもおすすめ
マルベリー:桑の葉のお茶。糖の吸収を抑えたり、腸内環境の改善に寄与
ストロベリーリーフ:ミネラルが豊富。胃腸の調子を整えたり、鉄分も豊富で貧血予防にも

―――最後に一言お願いします。


もしかしたら茶業界には、日本茶にハーブは邪道だと言われる方もいるかもしれません。
しかし西洋のハーブと和の日本茶が融合したハーブティーは、日本人にも馴染みやすいと思いますし、地元岐阜県で新しい茶の文化が根付けばと願っております。
また、ハーブの見た目、効能も大切ですが、それ以上にお茶の造り手として、美味しくないと意味がないとも思います。味も見た目も美味しいハーブティーに挑戦していきたいです。

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我々にとっても特別なハーブティー。たくさんの人に届けられたら嬉しいです。

定期便のお申し込みはこちらから。

解約もいつでもできますので、気軽にお試ししていただけます。気にせず、やめたり復活したり、してみてください。

美濃加茂茶舗二期目も、どうぞよろしくお願い致します。

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[TEXT]美濃加茂茶舗|松下沙彩( @saaya_matsushita

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