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十日町市の女性農業者が考える商品を食べてみんなと話そう(2022/09/10)

※こちらの記事では、noteに未掲載だった、2022年09月10日に、新潟県十日町市と実施したファンミーティングの内容を紹介しています。

■ ファンミーティングのテーマ

ふるさとチョイスが、2014年から開催している、「ふるさとチョイスAWARD」。

ふるさとチョイスAWARD」とは?
地域で頑張る「人」にスポットを当て、ふるさと納税の裏側で起きたストーリーや地域の人の熱い想いを表彰する年に一度のイベント。

新潟県十日町市は、ふるさとチョイスAWARD2021に「共同食品加工所を作りチャレンジできる女性農業者を増やしたい!」という内容でノミネート。

ふるさとの納税の取り組みによって、地域産品の価値を高めたり、地域経済の活性化やまちの魅力づくりに貢献した事業者の取り組みに対して贈られる『チョイス事業者部門』において、見事大賞を受賞しました。

今回は、その十日町市の事業者の想いについても触れながら、検討中の商品アイデアについてみんなと考える内容のファンミーティングです。

■参加者同士で自己紹介

「女性農業者の皆さんの取り組みを応援したかった」「十日町市のことをもっと知りたい」「フードロスの取り組みなどに興味があり勉強したくて参加しました」という、様々な参加理由の方が集まりました。

■ 十日町市の取り組みを紹介

十日町市の魅力について、2021年当時ふるさと納税担当だった大嶋さんより、お話いただきました。

新潟県南西部に位置する人口約5万人のまち「十日町市」は、一年の3分の1以上が雪に覆われる日本有数の豪雪地帯としても知られています。

また近年は、越後妻有地域を舞台に3年に1度開催されている「大地の芸術祭」も開かれるなど、自然とアートが調和する芸術文化が育まれているまちでもあります。

女性農業者の大きな挑戦

続いて、ふるさとチョイスAWARD2022の「チョイス事業者部門」で大賞を受賞した取り組みについて、十日町市内で家族経営の農業をやり、さらに、「越後妻有のごちそう家ごったく」という農家レストランを経営する、福嶋恭子さんからお話いただきました。

十日町市には家族経営の農家が多く、女性も子育てと両立しながら、農家の労働力として働いています。

だからこそ自分の農産物を美味しく加工するためのアイデアや、「あったらいいな」と思う消費者感覚があり、自分達で加工にチャレンジし、販売したいという思いが強くあります。

しかしこのチャレンジすることに大きな壁があると福嶋さんは感じていました。

そこで福嶋さんは、女性農業者同士がつながり、農作物を自分のアイデアで新しい商品へと加工できる、共同の食品加工所を設立することを思いたち、資金を集めるため市の企業支援事業を受けて、ふるさと納税を活用したガバメントクラウドファンディング(GCF®︎)に挑戦。

ガバメントクラウドファンディング®(GCF®
ふるさとチョイスがふるさと納税制度を活用して行うクラウドファンディング。地域が抱える課題解決のため、ふるさと納税の寄付金の「使い道」をより具体的にプロジェクト化し、そのプロジェクトに共感した方から寄付を募る仕組み。

そして実際に2022年には、共同加工場が設立され、冬の間は雪で農業が出来ない女性農業者同士が集う場所となり、冬の間の仕事が生まれています。

福嶋さんは、
「GCF®︎で応援メッセージをいただいて、応援してくれる人や共感してくれる人がたくさんいることがわかり、とても勇気づけられました。ありがとうございました。」とお話されていました。

■ ファンミーティングの様子

共同加工場からオンライン中継!

十日町市の空き家を改造してつくられた共同加工場から、実際に女性農業者の皆さんが働いている様子を見させていただくオンライン中継を実施。

また、女性農業者が生産しているホーリーバジルを使ったお茶と、加工場で作られているクッキーの試食もさせていただきました。

お惣菜の加工室に移動すると、大きな設備がたくさん。

「この冷蔵庫付きの大きなテーブル(左)と瞬間冷凍機(右)を、GCF®︎でいただいた寄付金を活用して購入できたんです。」

どちらも設備として重要な役割を担っており、GCF®︎によるみなさまからの応援に大変感謝しています、と話す福嶋さん。

また、部屋を進んでいくと、商品を袋詰めしている女性農業者の皆さんの姿が。

その3名の皆さんから、オンライン中継でお話を聞きしました。

司会者:いま会場のみんなが飲んでいるホーリーバジルティーのこだわりを、バジルを栽培している嶋村さんから教えていただけますか?

嶋村(女性農業者):松之山という地域の中で出ている、もみ殻や、きのこの廃菌床を畑に撒き、無農薬・無化学肥料で夫が栽培しています。リラックス効果が一番高いと言われているので、皆さんがリラックスしてくださるのが一番の喜びです!

司会者:実際にこの共同加工場が今年できたと思うのですが、この加工場ができたことによって、女性農業者であるみなさんに何か変化はありましたか?

近藤(女性農業者):十日町市は、積雪量がすごくて農業ができないので、冬場はみんなスキー場に行って働いたりします。でも、私たちは冬の加工場で干し芋を作ることができるようになったので、それがとても大きな変化かなと思っています。

司会者:加工場で働くことで、コミュニティも広がりましたか?

近藤(女性農業者):そうですね!ありがたいことに毎日ワイワイ楽しく過ごすことができています(笑)

司会者:この干し芋も含め、ふるさと納税を通じて全国の方々に届けていると思いますが、どのような想いで(加工場で)製品づくりをしているか教えてください。

近藤(女性農業者):味はもちろんですが、冬になると加工場の近隣は雪壁になるぐらい雪が降ります。そんな雪深いところでも美味しいものが届けられることを知っていただきたいですし、皆様に食べてもらうことで雪国の風景が思い浮かぶような、そんなほっこりした気持ちになっていただきたいと思いながら楽しく作っています。

司会者:最後に、この加工場を通じて、これからどんなことに挑戦してみたいですか?

嶋村(女性農業者):自分の家族が作っているもち米を加工した製品も作ってみたいです。あと、個人的ではあるのですが、趣味がパン作りなので、作ったパンをマルシェとかで販売することに挑戦したいなと思っています!

この共同加工場をきっかけに、女性農業者個人として挑戦したいことが見つかり、実現できるように前に向かって進んでいこうという熱意が感じられる時間でした。

ご協力いただいた現地スタッフの皆さん。ありがとうございました!

wofaの挑戦についてみんなと考えるワークショップ

福嶋さんは、トライ&エラーの情報を共有しあい、お互いに助け合える女性農家のワーキンググループwoman farmers Japan(略wofa)を立ち上げました。

このwofaには、市内の方から移住してきた方まで、子育てをしながら農業に励む様々な女性たちがメンバーとして集まっています。

加工所で商品をつくるだけでなく、ランチをしながら互いに持ち寄ったアイデアについてディスカッションをしたり、子供を連れて参加できる講習会を実施したり、仕事も子育ても共有しながら、メンバー同士が共に支え合いながら活動を行っています。

そして今回のファンミーティングでは、wofaが現在考えている2つの商品について、十日町市の皆さんとグループを組んで意見交換するワークショップを実施。

一つ目は、「新しくなった皮ごと丸干し芋」の感想を話し合うというテーマでした。

wofaでは、さまざまな干し芋製品を作っていますが、こちらは栄養価も高い皮付きのサツマイモをそのまま干している商品です。
しかし皮付きのため、消費期限が早まってしまうという課題を抱えていました。

そこで、考えたのが冷凍にして販売するという方法。
冷凍にすることで、スイートポテトのような味わいになり、新食感のスイーツとして販売を計画しています。

今回はこの「皮ごと丸干し芋」を試食しながら、サツマイモの味や新パッケージデザイン、そしてこれが実際に道の駅などで販売されていたら購入したいか?という意見交換をしました。

参加者からは、
「サツマイモ本来の甘さが感じられてすごく美味しい」「ねっとりしていて新食感!」という感想や、「道の駅で買うなら車中で食べたいのでワンハンドで食べられるパッケージが良い」「冷凍ケースに並ぶので中身が見えた方がいいのでは?」という意見が。

実際にデザインも検討しているwofaの佐藤可奈子さんは、

「こうして生の声を聞くことができて、新しいパッケージや販売方法のアイデアがすごくクリアに想像できているので、すぐに実践します。」

と話していました。

そしてワークショップテーマの二つ目は、プレーン、干し芋入り、トマト味の「3種類の野菜入りベーグル」を食べながら、プロモーション方法を考えます。

もちろんそのまま食べても美味しいベーグルですが、おすすめの食べ合わせを提案しながら販売するために、実際に試食しながら、どんな組み合わせで食べたらさらに美味しくなりそうか?について、話し合い。

参加者からは、
「ゴロッと干し芋が入っているのでバニラアイストッピングしたら最高のスイーツになりそう」「トマトベーグルは水切りヨーグルトと黒胡椒などが合うかも」「でもやっぱりそのままでも美味しい!」という様々なアイデアが!

「これから販売する商品もありますので、今日の皆さんの意見を活かしながら、たくさんの人に愛される商品にしていきたいと思いました。ありがとうございました。」

と、話すのはwofaのスタッフであり、福嶋さんの娘でもある佐藤友美さん。

そして福嶋さんも、

「直接このようにご意見をいただく機会が今までなかったのでとても素敵な時間を過ごすことができました。自分達の取り組みや商品についてここまで考えていただけるのはすごく光栄です。今日いただいた意見を参考にしてもっと皆さんに喜んでいただけるように頑張りたいと思います。」

と話し、感極まって目に涙がにじむような場面もありました。

■ 参加者の声

  • グループで話すことができ、実際に困っていることなども伺いながらでしたのでとても有意義な時間となりました。

  • 十日町市のスタッフの方が喜んでくださってこちらも嬉しくなりました。

  • GCFでどのような使い方をしているのか具体的にわかりましたし、中継で見せてもらえてより理解が深まりました。

  • 検討中の商品について意見を求められたので更に役に立てている感じが持てました。

  • 実際に製品を試し、消費者である私たちの意見を聞いていただける場でとても嬉しかった。

■最後に

今回のファンミーティングでは、ふるさとチョイスAWARD2021の「チョイス事業者部門」を受賞した十日町市の熱量を体感できました。

私たちがふるさとチョイスAWARDを開催し続けるのは、地域の未来を応援するきっかけをつくりたいから。

そして、それは「持続可能な地域づくり」を目指すふるさとチョイスの役割だと思っています。

今回は、十日町市の女性農業者である福嶋さんがGCF®︎に挑戦し、そこでいただいた寄付者からの応援が励みになったと話していました。

ふるさと納税を通じて、自治体職員や事業者の皆さんと寄付者が繋がり、さらに地域を盛り上げていく活力になっていると今回のファンミーティングで感じることができました。

これからも引き続き、地域と寄付者の架け橋になれるように、私たちができることに全力で取り組んでいきたいと思います。

ご協力いただいた、十日町市の皆様。ありがとうございました!

■新潟県十日町市

▼新潟県十日町市の詳細ページ

▼ふるさとチョイスAWARD2021 大賞受賞自治体の取り組み紹介