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課題はチャンス!地域のヒトを繋ぎ、未来へ向けてチャレンジし続ける宮崎県小林市<前編>

みんなとチョイス」のnoteでは、ふるさと納税を通じて、地域をもっと元気にするために頑張るヒトの声を、ふるさとチョイススタッフとの対話を通して、お伝えします。


2月26日(日)、宮崎県小林市と「みんなとチョイス」のファンミーティングを開催しました。

昨年、ふるさとチョイスが主催する「ふるさとチョイスAWARD2022※」において、宮崎県小林市は、「チョイス自治体職員部門」で大賞を受賞。

ふるさとチョイスAWARD」とは?
地域で頑張る「人」にスポットを当て、ふるさと納税の裏側で起きたストーリーや地域の人の熱い想いを表彰する年に一度のイベント。「チョイス自治体職員部門」とは、エントリーが可能な4部門のうち、まちのために頑張っている、ふるさと納税担当職員の熱い想いやその取り組みが評価される部門。

今回のファンミーティングは、小林市を元気にするために頑張る、ふるさと納税担当職員の熱い想いや、その取り組みを感じることができる内容で開催。その中で、現在開発中のふるさと納税のお礼の品を、みんなに体験してもらいながら意見交換会も実施しました。

ファンミーティング終了後、ふるさとチョイスAWARD担当スタッフと、小林市のふるさと納税担当職員が、「チョイス自治体職員部門」として大賞を取った時の心境や、これからのまちの未来について話しました。

その様子を、<前編><後編>の2回に分けて、お届け!

このnoteは、前編。小林市が積極的に取り組んでいる活動の背景や、それに対する想いを中心に紹介していきたいと思います。

佐藤 友和さん
宮崎県小林市役所 総合政策部 地方創生課 プロモーショングループリーダー
宮崎県小林市出身。1999年に小林市役所に入庁。2014年〜2017年、2021年〜の、2回に渡り、ふるさと納税担当職員となる。シティプロモーションやふるさと納税のディレクションに従事。PR動画の企画等も手掛け、CM大賞等受賞。

村尾 明仁
ふるさとチョイス事業本部/ブランド企画チーム
神奈川県横浜市出身。2021年にトラストバンクに入社。主に、ふるさとチョイスのブランド開発を担当。ブランドの戦略構築やコンテンツ企画をおこない、ふるさとチョイスAWARDの運営も担う。

宮崎県小林市のこれまでの取り組み

小林市のふるさと納税の、勢いを取り戻す

村尾:今日はよろしくお願いします。佐藤さんは、小林市のふるさと納税事業の立ち上げを担当されていましたよね。

佐藤:僕は、これまで2回、ふるさと納税担当をしてきました。最初は、2014年〜2017年。この頃は、みんな本当にがむしゃらで、必死。「事業の成長になりますから!」と協力を仰ぎながら、ふるさと納税のその先のことも見据えて、先進的な取り組みに挑戦していました。

当時の取り組み(一部抜粋)

村尾:最初のご担当時は、事業者さんやチームのメンバーと、その熱量を共有できていたことによって、モチベーションが高い状態だったんですね。

佐藤:その後、僕は、ANAに出向することになりました。「未来を見据えた取り組みを、続けてほしい」という気持ちで、ふるさと納税担当を離れました。その後2021年に、また、ふるさと納税担当として戻ってくることになったんです。

村尾:再び担当になったとき、以前と比べ何か、状況に変化などはあったのでしょうか?

佐藤:びっくりすることに、僕がいた当時に比べて、全体的にトーンダウンしていた。寄付額も下がっていました。新しい取り組みをやろう!という、スタッフのモチベーションも低く、淡々と業務に従事しているような状態。何をどうすれば良いのか、わからなかったのだと思います。そして、何より悲しかったのは、離れてしまった事業者さんもいたこと。取り組みや想いを、上手く引き継げていなかったことに、自分自身とても反省しました。

村尾:そんな中で、まず、何から始めたのでしょうか?

佐藤:とにかくこの状況を変えよう!と思って、「チャレンジ」というスローガンを掲げました。スポーツも同じですが、ピンチな時に点を取れば、勢いが出る。そういう姿、いわゆる「成功体験」を、新しいスタッフや事業者さんにも感じてもらって、小林市全体のふるさと納税に、勢いをつけるような取り組みを、たくさんやりました。

村尾:とはいえ、立ち上げ当時の様子を知らないメンバーには、きっと、戸惑いもありましたよね。

佐藤:かなりあったと思います。僕はとにかく突っ走るし、言い出したら聞かないし(笑)。役所の仕事は、減点主義なところがある。みんな、慎重になりすぎて、守りに入ってしまう。その状況を変えたくて、挑戦する雰囲気づくりをしました。そのためにも、まずは、現状分析をして、課題を整理。その上で、みんなと課題を共有し、解決するためには何が必要かを考えるとともに、まずは自分が率先してトライして見せる。「失敗しても僕が必ずリカバリーするから」と伝えて、とにかく挑戦する雰囲気づくりをしました。市長はじめ、上司達も、そのスタンスを見守ってくれました。

村尾:よく佐藤さんは、「トライ・アンド・エラー」とおっしゃっていますよね。具体的には、どんな取り組みを?

佐藤:とにかく勢いをつけるために、尖った企画をやりましたね。振り切って、ここまでやってみようよ!という、スタンスを見せようと思って。仮にうまくいかなかったら、そこから何かを学んで、次に活かせばいいと。きっと、スタッフも戸惑いがあったと思いますが、その中で少しずつ、楽しさを感じてもらう方向に、舵を取りながら、士気を高めていきました。

ピンチはチャンス!事業者との関係づくり

佐藤:ふるさと納税に勢いをつけるには、小林市内の事業者さんの存在が不可欠。あと、僕は、現場主義の人間で、これまでも事業者さんと直接話すように心がけてきました。

村尾:先日、私も小林市に行かせていただいた時に、佐藤さんのそのスタンスをリアルに感じました。事業者さんとの会話や、コミュニケーションを見ていて、普段から関係性を築いていることが、伝わりましたね。

佐藤:僕が担当に戻ってきたとき、事業者さんに、「ふるさと納税以外のことでもいい、何か困ってない?」って聞いてみたんです。そしたら、「コロナ禍で商品が売れず、廃棄品が多くなった」というピンチの声を聞いた。でも僕はそれを聞いて、チャンスだと思ったんです。

村尾:ピンチはチャンス!発想の転換ですね。昨今、フードロスの問題など、注目が集まってきていますもんね。

佐藤:それで、事業者さんと「何かやろうよ」ということになり、小林市フードロス削減プロジェクトコバヤシB印(びーじるし)』を立ち上げました。規格外品を活用し、ふるさと納税のお礼の品として、全国の人の手元に届ける取り組みです。B級品だけど、ベターな商品を目指して、“B印”という、キャッチーなネーミングをつけたりして。事業者さんも愛着があるようで、よく「こういう“B印”作りたいんだけど」とか、「“B印”用の在庫がね…」って、言ってくれるようになりました。

村尾:共有ワードができたのは、うれしいですね!事業者さんとの取り組みは、これだけに限らず、事業者コラボなども実践されていますよね!

佐藤:そうですね。事業者さん同士が「何かやりたい!」という想いがあっても、うまくマッチングできていなかったりするので、自分は黒子となって、地域のヒト同士を繋ぐ役割。昨年は、小林市の酒蔵の焼酎と、老舗菓子屋がコラボした商品ができました。

村尾:専門領域が異なる事業者さんの、お互いの意見を聞き、一つの商品を作るって、簡単なことじゃない。こうしてちゃんと形になったものが、小林市のお礼の品にもなり、全国に知られていく。事業者同士はもちろん、佐藤さんの熱意があって、地域の魅力をさらに引き上げているなと感じます。

佐藤:ただ、地域の持続性を考えると、事業者さんには、ふるさと納税や行政に頼りすぎないで、自分達で努力することを忘れないでほしい。それは、正直に伝えます。その上で、一緒に議論しつつもしっかりとフォローしながら、地域で生まれた魅力的な品を、どのように世の中に出していくのか、考えていますね。

ふるさとチョイスAWARD2022を振り返る

「チョイス自治体職員部門」で大賞受賞!

村尾:昨年10月に開催した、「ふるさとチョイスAWARD2022」。もう一度ふるさと納税担当に戻り、チームメンバーや事業者さんの士気を高めながら、地域一体で、持続可能な地域をめざして取り組んだことが、「チョイス自治体職員部門」で見事大賞を取られました。あらためて、おめでとうございます!

佐藤:ありがとうございます!これまでの取り組みを知ってもらいたいという想いと、「ふるさとチョイスAWARD」という場で、ひとつの物差しで測られた時に、どのように評価されるんだろう?と思って、エントリーさせていただきました。

村尾:エントリーいただき、見事、12のノミネートの1つに選ばれました。当日の発表は緊張などされましたか?

佐藤:いちばん最後の発表だったので、他の自治体の発表を聞いて、素晴らしいなと感心しつつ、インプットに集中していました。でも、いざ出番!となると、ふと我に戻り、とても緊張しましたね(笑)

村尾:大きなホールの舞台上で、スポットライトが当たって、他の自治体や審査員が見ている中で発表されるのは、緊張しますよね。私たちは、皆さんの想いや取り組みが、しっかり伝わる場を作ることを、最低限の目標としてきました。

佐藤:まさにそのような場で、刺激的な空間でした。自分が大賞を取ったときは、シンプルにすごく嬉しかったです!

村尾:エントリーし、ノミネートされてから当日の発表まで、およそ1〜2ヶ月間。発表者としても、他の地域の発表を聞いても、「自分のまちに、何か持って帰ることができる状態をつくる」という想いで、当日まで伴走させていただきました。

佐藤:今までの取り組みや、事業者さんと積み上げてきたものが、認められたと思いました。あと、僕はチームリーダーとして、「スタッフを引っ張ろう」、「弱いところを見せないように」と、やせ我慢もしていて。表彰台で、トラストバンクの代表である、川村さんから、「よかったね」と声をかけてもらった時は、グッと込み上げるものがありました。川村さんには、ふるさと納税事業立ち上げ当時に、お世話になったので。

株式会社トラストバンクの代表・川村との1枚

村尾:地域には、それぞれの課題があると思います。でも、やはり大切なのは、佐藤さんのような、その課題に対して、熱量を持って動いている“ヒト”の存在なんですよね。だから、「ふるさとチョイスAWARD」は、地域をもっと元気にしたいと頑張っている“ヒト”の取り組みや、想いを共有する場としています。各地域の発表を聞いて、「“地域の持続性”を、自分のまちでは、どのように目指すのか?」、そう考える地域が増えたらいいな、と思いながら運営してきました。

佐藤:僕たち自治体職員の苦労であったり、地域に対する熱い想いって、あまり表に出ることはないんですよね。だから、この「ふるさとチョイスAWARD」は、地域の“ヒト”にスポットライトを当てる取り組みとして、全体のモチベーションにつながっていると思います。

村尾:そう感じていただけると、私たちも嬉しいです。実際に、大賞を受賞して、心境や環境で、変わったことはありますか?

佐藤:事業者さんに、「よかったね」と声をかけてもらえたのは、すごく嬉しかったですね!

村尾:一緒に取り組んできた仲間に喜んでもらうのが、一番嬉しいですよね。

佐藤:あとは、チームの変化。さらに勢いがでてきたと思います。「みんなでやってきたことは、間違いじゃなかったんだよ!」ということを、僕個人の言葉だけではなく、評価いただいた形として、示すことができました。

村尾:具体的に、何かアクションには結びつきましたか?

佐藤:地元の高校生と一緒に、地域の魅力を発信する高校生記者クラブを運営したり、市民を巻き込んだフォトコンを開催したり。SNSを駆使して、地域に潜むニッチな情報を配信したり。ふるさと納税に携わるスタッフは、商品開発にも挑戦しています。それぞれが能動的に動いていて、みんなすごく頼もしいです!

村尾:すごい!どんどん挑戦する勢いがついてきていますね。来年度の「ふるさとチョイスAWARD」へのエントリーなども、お待ちしています。

佐藤:まさに!僕だけじゃなくて、若手のふるさと納税担当が、「ふるさとチョイスAWARD」にエントリーすることにも、つながったらいいなと思います。


”とにかく勢いをつけて、みんなで地域を盛り上げよう”

佐藤さんの言葉と姿勢からは、そんな強い想いが隠れているように感じました。地域の事業者さんやスタッフと直接向き合い、佐藤さんだけが走るのではなく、みんなを巻き込みながら、フルスピード・フルコミットで、一緒に地域を動かしていく。

私たちふるさとチョイスは、そんな地域の皆さんの想いや、取り組みを共有する場として、「ふるさとチョイスAWARD」というイベントを続けてきました。この場を通して、佐藤さんのようなアツい職員さんに出会うことで、日々、学ぶことがたくさんあります。

<後編>では、東京都内で開催した、ファンミーティング当日の内容を振り返ります。また、これから小林市が目指していきたい “まちの未来” について話す様子もお届けしますので、おたのしみに!

※<後編>を公開しました(2023.04.03)


宮崎県小林市をふるさと納税で応援

▼今回開発した、「ねったぼ」料理キット

▼最新情報

▼ふるさとチョイスAWARD2022大賞受賞取り組み内容紹介


「みんなとチョイス」とは?

私たちは、ふるさと納税ポータルサイトを運営している「ふるさとチョイス」です。私たちは、寄付者の想いを地域に届け、地域の変化を寄付者に発信しています。

その活動の一つである「みんなとチョイス」では、地域で活動するヒトの想いに触れ、地域の魅力や課題についてみんなと一緒に考えるファンミーティングなどを行いながら、持続可能な地域の未来をいっしょに考える場をつくっています。

そして、ふるさと納税を通じて地域をもっと元気にするために頑張るヒトの声を、もっとたくさんの方と共有したいと思い、このnoteで、ふるさとチョイススタッフとの対話を通してお伝えしています。

そして4月は、佐賀県唐津市と「唐津市の椿油をつかったコスメづくりを体験しよう」というテーマで開催が決定!

良質な椿油をつかい、好きな香りを混ぜたオリジナルバームを作ります。

下記から、ご参加をお待ちしております。


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