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新電力営業 山本卓也|副業じゃなくて複業、だから全力なんです!【職業図鑑No.003】

私たちの生活に欠かせない電気。見直し先として、真っ先に思い浮かぶのが新電力しんでんりょくではないでしょうか?私たちの生活を守るために必要なものなだけに、辞めるという選択はないはずです。

今回は、新電力への切り替えの営業をされている山本 卓也やまもと たくやさんにお話を伺いました!

「電気も大事だけど、一番は僕で選んでほしい」と熱く語る山本さん。職業図鑑初の副業枠でのインタビューですが、営業の難しさや心の奥底に秘めた思いを語っていただきます。

山本卓也 プロフィール

安定した電気で節約も社会貢献も

―― さっそくですが、新電力の営業とはどんなことをするのでしょうか?

弊社へいしゃで販売している電気に切り替えてもらうための営業です。弊社はイーレックス株式会社という会社なのですが、他社さんと違って自社発電で作り出した電気を、市場価格に左右されることなく売ることができる仕組みを整えています。

他社さんは電気が市場の動きに左右されるので、安定しないことがあります。ですが弊社は自家発電ですので、安定して供給きょうきゅうできるんです。

イーレックス 発電所 地図
イーレックス株式会社では、バイオマスによる発電ができる発電所を5基所有している。
引用:イーレックス株式会社「2022年3月期決算補足説明資料」

また、弊社にお支払いいただく電気料金の数%を慈善団体じぜんだんたい寄付きふする形になっています。普通の電気を使うだけで社会貢献しゃかいこうけんにもなるのが強みです。

―― どういう風に営業していくんでしょうか?

僕の場合は、まずお客様に僕の想いを知ってもらうところから始めます。最初は身近な人から広めて、徐々に紹介をもらっていくような形です。

僕は勧誘にならないように、興味を持ったお客様が切り替えていただければいいと思っているので、きっぱり断っていただいても構いません。それだけ僕の熱量が足りなかったということなので…(苦笑)

―― すごく熱心ですね…!もう長く新電力事業をやられているんですか?

いえ、実はまだ半年ほどで、しかもまだ副業の域を出ないんです。別の仕事もしていますが、ゆくゆくは新電力事業をメインにしたいと考えています!

―― 副業が流行っていますけど、熱心にやられているのは何かワケが?

僕の目標も関係しているんですが、そもそも新電力事業は僕にとって「副業」ではなく「複業」です。ストック収入が欲しかったのもありますが、それもこれも僕自身の目標のために必要だと考えています。

新電力事業とともに育てたい目標がある山本さん…。

新電力事業を軸に、さまざまなことをしたい。僕が夢をかなえるために、新電力事業は大切なことなんです。目標をかなえても新電力事業は一生できる仕事だと思っています。

―― 所属されている会社では大口の取引もありますが、何か戦略とかはあるんですか?

まずは自分を紹介してもらえるような人に磨き上げないとダメだなと思っています。僕はしゃべり下手なのですが、自信を付けて自分を磨きたいんです。

夢は、僕が無理に新電力の話をしなくても「君だったら契約するよ」と言ってもらえる営業になることです!

すべては地元と描く未来のために

―― お話を伺っていると「目標」が原動力だと感じるのですが、差し支えなければ教えていただけますか?

はい。僕、北海道釧路くしろ市の田舎出身でして…。僕もそうなんですけど、若い人がどんどん町から離れてしまっているんです。

そこに新型コロナウイルスの影響もあって、今まで町でやっていたイベントもなくなってしまいました。僕は将来、町おこしをしたいと考えています。

―― なるほど…、田舎あるあるですね。でも、なんで山本さんのふるさとから若い人が出て行ってしまうのでしょう?

「就職するにも仕事がないだろう」と勝手に思い込んでいました。ほかの友人もそうでしたが、勝手に決めつけていた。自分の地元に関心がなかったゆえの結果だと思いますね。

ほかの若い人も一緒だと思います。あくまで予想ですけど…(笑)

―― 「灯台下暗とうだいもとくらし」ってやつですか…。

でもいまは、地元を盛り上げたいと思っています。将来はまだ見ぬ家族とミュージックカフェを経営してみたいんです。アコースティックギター1本置いて、お客さんも自分も自由に歌える、そんなカフェです。

それから、地元のお菓子屋さんに直談判じかだんぱんしに行って、僕の店で出すお菓子としてお客さんにも提供したくて。

山本さんのふるさと、北海道釧路市の人口推移と推計人口
引用:釧路市「釧路市の人口分析と将来推計」

あとは町を出て行った人たちが「戻ってきたい」と思えるようなイベントをしたいですね。僕が参加者で終わるのではなく、運営の勉強をして町全体で立ち上げるイベント。これが僕の目標です。

―― そのとき新電力事業は…?

続けます。新電力事業を軸に、町おこしもカフェも両方やりたいですし、できると思っています。新電力でうまくいったらやめるんじゃなくて、それを中心にビジネスを拡大するつもりです。

電気は水道・ガスと同じく人が生きていくうえで大事なインフラ。生涯続けられる仕事だと信じています。

その前にカフェを一緒にする奥さんを見つけないといけないので、カフェについては完全な妄想ですけどね(笑) でもそれが僕のモチベーションです。

導きも切り捨ても「人」だった

―― いろいろな想いがある山本さんですが、そもそも新電力事業を始めたきっかけは何だったのでしょう?

旅行好きが集まるコミュニティで出会った方がきっかけでした。初めての出会いはコミュニティの飲み会で、誠実な人柄に魅かれた弟のような存在です。

そんな彼がやっていたのが、新電力事業でした。新電力の話をしているときの彼が、僕には輝いて見えました。

電気は日常生活に必要なもの。だからこそ営業が難しい分野でもある。

新電力の会社がどんどんダメになっているはずなのに、彼には自信が満ちあふれている。「僕も彼のようになりたい!」と思い、新電力の営業に挑戦することにしたんです。あこがれというべきかもしれませんが…。

―― あこがれの人に出会えたんですね

でも、僕が別の友人に新電力の話をしたら「お前の話は興味ない」とズバッと言われたんです(苦笑)

―― うわぁ、残酷ざんこく

正直辛かったですし、話ぐらいは聞いてくれるだろうと思ったんです。

ですが思い返してみたら、僕のそれまでの人間関係は「自分を傷つけないため」の浅いものだったんだと実感しました。

八方美人であちこちにやさしく接して、自分の身を守ろうとしていたんです。それを友人は見抜いていた。だから僕の人間関係は、話も聞いてもらえないぐらい浅いものだったんだと再確認できたんです。

辛かったですけど、今ではストレートに言ってくれた友人に感謝しています。熱意が見えなかったのかもしれないという考えもありますが、おかげで信頼関係の大事さを痛感できました。

―― よくそれでめげませんでしたね…

僕は自分の目標にワクワクしているので、めげませんでしたね。辛いことがあってもワクワクできるものがあるので、頑張れるんです。

あと、求職中にホテルの清掃員のアルバイトで働いた経験も大きいと思います。

―― というと?

お客様と会うのが嫌で始めたんですけど、掃除が終わった後にお客様から「ありがとう」と言われて意識が変わりました。

それと同時に「なんでお客様と会うのが嫌だ、なんて思っていたんだろう」と恥ずかしくなりました。僕の中で社会貢献が本当にやりたいことだと思った出来事でもあります。

―― 新電力もその一環なんですね

いままでは仕事を「生きるために必要なもの」「お金がないと何もできないからやる」と考えていました。

ですがいまは「人のためになることをしたい」と思っています。これを思ってから、僕の社会の見方は変わりました。世の中の困った人を助けるのが、僕の仕事であり、原動力のひとつなんです。

編集後記

「みんなde職業図鑑」初の副業枠でのインタビューとなった山本さん。ただ、熱意は本業に勝るとも劣らないものを感じました。試行錯誤して伸ばしていく部分もありますが、今後のご活躍をお祈りするばかりです。

「副業だから」ではなく「自分の夢につながるから」。これ以上ないモチベーション維持の方法ではないでしょうか? 副業が一般的になってきた時代だからこそ、改めて働く目的を考えてもいいかもしれません。

1時間で熱い思いをぶつけてくださった山本さん。新電力事業を軸にしたビジネス展開ができるようになる日が待ち遠しい編集部なのでした。

山本さんの会社やお仕事についてもっと知りたい方は、ぜひこちらもご覧ください。

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