読書記録:「仕事の辞め方」 〜今の立場、ホールドするかリリースするか(悩
10年続けてきた今の職場の任期切れが近づき、更新を上司から打診され、おおいに迷っていたまさにその時、脚本家の鈴木おさむさんがなんと”放送作家引退宣言”をしました。
その理由、本書で言うと”はじめに”の部分に記されています。
リアルタイムにXで読んだ瞬間、「私も、辞めよ」とひどく体が軽くなりました。
一方で、いや自分、鈴木おさむほどの地位もスキルもお金もないし!早まるな!という別の声がしたのも正直な話。そういうわけで、本書の発売を心待ちにしていました。
* * *
一番の共感したのは、その仕事を辞めるかどうかのポイントは「ときめくかときめかないか」、おさむさんの言葉で言うと「ワクワクするかどうか」という部分。わかる!私もそうだった!
まさに、以前の職場を辞めて今の職場に移ってきた時の判断基準が、「ときめくかときめかないか」でした。明らかに「ときめかんぜ」と確信を持った時、”先はわからないけれど、ときめく仕事に移ろう”と決心がつきました。
そして10年過ごした現職、更新するかどうか迷った一番大きな理由が「ときめかねー」と思い始めていたこと。2、3年前から少しずつその思いは募っていたのですが。
私の場合、「ときめかない」を突き詰めると「自分じゃなくても良さそう」にたどり着きます。別に、私じゃなくてもやれそうだな…と思い始めると、ときめきメーターが減少する。かといって、オンリーワンの仕事をしている…なんて己を買い被ってはおらず、自分のやっていることは「スキマ産業」だと思っています。
スキマ産業…”やりたい人がいない” ”みんなあまりやりたくない” ”できる人がいない” ”まだ誰もやっていない"
そんな隙間に潜り込んだ仕事のやり方が、なんとなく性分に合っているらしい。なので、その仕事が”王道”になってくると、ワクワクが減ってしまうんですよね。性分としか言いようがない。
「いや、君しかいないよ」と、嬉しいことを言ってくれる上司や仕事仲間には心から感謝しています。けれど、おさむさんの言うとおり、「誰かがいなくても、代わりはいる」。自分がいなくてもなんとか回っていくのが組織ってもんです。
私は専門職ですが、中間管理職的な仕事でもあり、長いこと職場の調整をする仕事をやってきました。そのため、辞めてしまう誰かを見送ったこと数知れず。初めのうちは「え〜〜!この人いなくなったらどうすんのよ!!」とパニックになることも多々でしたが、結局なんとかならなかったことはない。だって「なんとかする」からね!
「辞めます」と言われた途端に、自然に何が困って何が困らず、困ったところをどう手当するかをシミュレーションするようになりました。
そんなマインドのせいか、急に辞めたいと言われても、前向きな転職の話であれば、気持ちよく送り出すことに苦労しない。「え〜、引き止めてくださいよ」なんて、逆に言われてしまったりもします。(どっちやねん!)
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自分語りが長くなってしまいましたが、おさむさんと同世代の自分。人生で新しいことを始めるならば、チャンスは残り少ないのではないか、と思っていた時に刺さる一冊でした。
50代って難しい。
このまま流されていけば、それなりにやって行けそうなんだもの。
初めに、”鈴木おさむほどの地位もスキルもお金もないし”と書いたけれど、本当のところ、おさむさんには及びもつかないにしろ、50代ぐらいになればちょっとの地位と昔よりは楽に仕事ができるスキルとちょっとのお金はあったりもする。これを、ホールドした方が得なのか、リリースした方が後悔しないのか。
この判断、非常に難しい。
ついつい保守的になってしまいそうになる。
そんな場所に立っている方は、一度読んでみてください。
辞めなかった人生になったとしても、それを選ぶ意味がなんとなく見えてくると思うので。
さて、では、自分はどうするか。
いまは持っているものを、一度リリースしてみようと思っています。
だってな〜、ときめかないんだもの。
P.S田中圭ファンとしては、おさむさんが放送作家を辞めてしまうことは非常に残念。だって、おさむさんじゃなければ誰が田中圭にジゴクの無茶振りをしてくれるのか。結果生まれる奇跡を、もっともっと見てみたかった。「ホン打ち」シリーズ化して欲しかった!
これが一番の本音です。
電子版なら1,410円です
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