【エッセイ】フリーランスで3ヶ月やってみた結果
今回は、こちらのmsy.さんの記事を受けて、私も会社を辞めてからの3ヶ月を振り返ってみたくなりました。
2019年の3月に会社をやめたので、現段階で丸3ヶ月たったことになります。
もがき苦しんだ3ヶ月、これからイラストレーターや漫画家を目指す方たちの、参考になれば幸いです。
ただ、かなり特殊な例になるかと思いますので、がっかりするかもしれません。ごめんね。
【会社を辞めた理由】
実は、辞めたくて辞めたわけではありません。
派遣切りです(笑)
理由は派遣先の経営難。私はWeb事業部にいたのですが、Web事業(通販系)の経営の悪化により、3ヶ月であっさり契約解除…。
なので、「どうやって一歩を踏み出したんですか?」「辞める勇気はどうやって出しましたか?」という質問には、一切答えることが出来ません。
正確には「会社を辞めた」ではなく「会社をクビになった」ですから…。
踏み出したというより、突き落とされたわけです。
【フリーランスになる決意】
派遣切りにあった派遣先は、自宅から車で10分、しかもめちゃくちゃ褒めて伸ばすタイプの上司だったので、かなり気に入っていました。正直、「この先、これ以上の派遣先が見つかるのか?」と思いました。
まず「自宅から車で10分」「昼休みに自宅に帰れる」、この条件を満たすのって、もう自宅勤務しかないでしょ!
そこでちょこっと、派遣会社に「請負の仕事がないか」を聞くことにしました。あくまでも参考程度に…という感じで。請負の仕事も取り扱っている派遣会社であることは、知っていましたから。
そこで「ちょうどいいのがある」と聞かされるわけです。(この件は、後記しますが結局おじゃんになってしまいました。)
そこで決意します。
もうフリーランスになっちゃえばいいんじゃね?
【フリーランスになるための準備(起業準備)】
派遣が切れる話は、1ヶ月前には聞かされていたので、そこからセミナーやらネットやら、調べられることは調べつくしました。
まずは貯金が一切なかったので、一番の問題は資金。
実家暮らしなので、食・住は最低限保証されています。自室にパソコンもプリンターもあり、Wi-Fi環境も整っていました。
しかしこのパソコン、Windows8なんですよ。Adobeソフトを購入し、いざ使おうと思ったら、まずAdobeXD(WebUIデザインのソフト)が使えない! Adobeメンション(主にモックアップ作成に使うソフト)もダメ!
もう、買おう。
なので必要資金は
・新しいパソコンの購入代
・税金などの支払いに使う生活費×収入安定するまでの大体3ヶ月分
ざっと見積もって30~40万くらい。
まず探したのは、国・県・市からの支援金&融資。創業・起業に関して、今は国が推し進めているので、充実しているはず。
そこで、だいたいの創業資金を計算したものと、事業計画書の下書きを持って、市の商工会議所へ飛び込みました。
しかし悲しいかな…。田舎であるがゆえに支援金が出るのは、県外からの転入・起業者のみ…。
若年者・女性・中小企業などの理由で、低金利で融資は受けられました。でも40万くらいの融資、身内から借りた方が無金利なので、結局融資は受けませんでした。
もうかじれる脛はかじったれ!!
そんな感じで完全に見切り発車のフリーランス生活が始まったのです。
【念願のsurfaceProの購入】
パソコンを買うにあたって、最初から欲しいものは決まっていました。
とにかくノートかタブレットであることを重視して、
surfaceProが欲しい!!
理由はいろいろあって、
・デスクトップ立ち上げるのめんどくさい
・パソコン購入を考えていた時期(1年前くらい)には、iPadがCLIP STUDIO PAINTに対応していなかった
・iPadだと、CLIP STUDIO PAINTを新規購入しなければいけない(CLIP STUDIOはパソコンだと2台まで使用可。surfaceはタブレットパソコンという位置づけなので、2台目に出来るので新しくソフトを買う必要がない)
・そもそもExcel信者なので、Windows以外の選択肢はない
・当時iPadではAdobeソフトが対応していなかった(iPadはタブレットなので、パソコンソフトではなく、アプリしか入れられない)
特にAdobeIllustratorが使えないのには、二の足を踏みました。
あとはExcelなどのWindowsソフトが初期装備なこと。Googleのスプレッドシートなどで一応は対応が可能ですが、実際はWindowsソフトのファイルを開かなければいけなかったり、ExcelやWordのファイルをイラストレーターで清書する、という仕事があったりすることも前の前の会社で知りました。
圧倒的シェアを誇るExcel・Wordで依頼書やファイルを送ってくるクライアントさんって、思ったより多いんです! 以前フリーで受けた仕事の時にPowerPointで送られてきたときは、頭を抱えました。(自宅パソコンにそんなの入ってるわけないだろ…)
というわけで、
最後の給料でsurfacePro6を購入!
もちろんsurfaceペンも同時購入しました。
【フリーランスとしての最初の仕事】
先ほど記載した、派遣会社の請負仕事をする時点では、まだsurfaceは届いていなかったので、すでにもっていたデスクトップパソコンでの作業になりました。
しかし、この仕事は派遣会社への信頼を失ったことにより、破断となります。
チラシの制作依頼だったのですが、まず試験で1枚無料で作ることに。しかし、ここで派遣会社(というか担当者)の不手際で、きちんとした試験を受けられませんでした。ファイルが2点3点し、あとはほったらかし。
再三確認を入れて制作したものの、「実は見本を見ながらしなければいけなかった」と後から言われます。その見本、貰ってないよね?
あげく「もう1回、見本を見て作ってくれますか?」と言われました。
この時点で、2~4日制作にかけています。コスト(時間)をもう1回負担しろと?
資格試験問題が間違っていたのに、受験料もう1回取るの? って思いました。そこまでして欲しい仕事かコレ? 私の4日間返せよ。
「もういいです」
別に、そちらのミスによる2回目だから料金払え、とか言うつもりはありませんでした。しかし、あまりにも簡単に「もう1回」と言われたのは、さすがに許容できませんでした。クリエイターの仕事を軽視しているとも取られない言動です。実際に私はそうとらえました。
そんな簡単に、デザインできるわけないだろ。
そういうわけでこの話は、なかったことになるのです。ここまでで、仕事を辞めて1ヶ月半経過。
【同時進行していた、クラウドソーシングサービス】
フリーランスになる前からチェックしていた、クラウドソーシングサービスには、仕事を辞めた時点でソッコーで登録しました。
私が登録したのは、クリエイター系クラウドソーシングサービスの中でも有名な「クラウドワークス」と「ランサーズ」です。
他にも有名どころはたくさんあるのですが、あまり手を広げすぎると管理できなくなりそうで、2つにとどめました。
実績が1件もないので、とりあえず受かりそうなコンペに参入。
「受かりそう」というところがミソです。コンペ作品が公表されていて、なんか勝てそう、と思うコンペを選びました。
そして見事にコンペ勝利。
あ、ちょろい(笑)って思ってました。ここまでは。
コンペは受かって終わりではなく、そこから長かったです。修正に次ぐ修正修正…。コミュニケーションも上手く取れず、お互いソーシャルワークになれていないこともあり、かなり時間がかかりました。
最終的には、なんとか満足して頂けました(と思っています)。
【驚くほど多い、youtube関連の仕事】
受ける仕事を探していて気付いたのは、youtube関連の仕事の多さ。
チャンネルヘッダーデザイン・チャンネルロゴデザイン・動画用イラストメイキング制作・漫画制作・声優募集…。
企業ロゴやチラシデザインのレベルの高さや、報酬の安さに辟易していた私は「ちょっと好きなこともやってみよう」と思うようになります。
最初に受けたのは、youtube動画用のイラストメイキング制作の仕事。報酬は正直言ってそれほど高くはなかったです。
でも、心に栄養が欲しかったんです。
やってみて、本当に楽しかったです。これでお金もらっていいの? って何度も思いました。
作品もとても喜んでもらえ、褒められ、継続で何度も依頼して頂き、調子に乗りました。(すぐに調子に乗るのが私の悪いところです)
そこから、仕事内容がデザインからイラスト・漫画方面にシフトチェンジしていきます。
【実はフリーになる前から持っていたコネクション】
クラウドソーシングをしながら、もう一つ仕事を請けました。
地元企業からのDTP・Webデザインの仕事です。これは、実は何年も前から時々いただいていた仕事、コネによる受注です。
フリーになる前は「プロではないから」と、無償や低価格でやっていたことを、しっかりとした料金で請負うことになったのです。
あたりまえですが、料金でもめました。(笑)
いきなり料金が跳ね上がったわけですからね。といっても、常識の範囲内でかなりお安くしたんですけどね…。まあちゃんと払っていただけました。
次はないかもしれないと、ちょっとドキドキしています。いつもなら夏にもう1仕事来るはずなんだけどなー…。
ちなみに相場の料金を探しているときに出会った、この方の料金表を元に料金を設定しました。今はWebバナーなどサイズによる区分けなど改変していってますが、めちゃくちゃ参考になったので、貼っておきます。
【営業は個々ではなく全体にする】
これは以前、フリーランスになる前に知人が言っていた言葉ですが、
「あなたから仕事が欲しい」と言うより、
みんなに向けて「私こういう仕事してます!」
と言うほうが仕事が来る。
個人に対し「仕事が欲しい」というと、ガツガツした印象を与え、かえって委縮させてしまう、ということです。(実際はもっと身振り手振りでこんなにきれいな言葉でまとまってはなかったですが)
なるほど、一理あるな、と。
というわけで、一番最初に行ったのが、名刺づくり。
そして配りまくること。イベント、セミナー、あらゆるところで配りました。
というか、営業らしいことはそのくらいしかしていない。
【3ヶ月間の収入は月に2~4万円くらい】
現在、youtube漫画で褒められて調子こいて、youtube漫画制作依頼を3つ引き受けたおかげで、修羅場です。ほんと調子こいてた自分を殴りたい。
まあ、親知らずの抜歯やら身内の不幸などあって、予定が押し押しになったことも原因ですが。(ほぼ2週間ほど仕事できませんでした)
ただ、どの仕事も継続依頼を前提としているので、収入の安定には繋がっていると思います。
もう少し描くスピードを上げて、スキマ時間にストックイラストやデザインで稼ぎたいところですが…まだちょっと余裕は出来そうにないですね。
まだまだ改善の余地はあります。
【フリーランスは天国でも地獄でもない】
ものすごく自由になったかといえば、完全にそうとも言い切れない。親に借金はありますし、お小遣いとよべるものは、ほぼなくなりましたが精神的にはすごく楽になれました。
週5日8時間勤務ができない私にとって、フリーランスになることは必然で、迷うも何もこれしか道がなかったようなものです。
その点が、他の方と少し違うかもしれません。(持病については、以下記事参照)
【これから先の活動】
活動のメインとしては、
・漫画家活動
・デザイナー活動
・漫画家志望、漫画家さん支援
の3本柱でやっていきます。
といっても、3っつ目の漫画アナリストとしての活動は、まだ収益化できてはいないので、収入は2本柱となります。
あとはそれを支えるようにSNSやnoteなどを活用していく形になるかと。
Twitterに関しては、ちょっとづつフォロワーさんを増やすように努力はしていますが、どっと増えると把握しきれなくなるので、一人一人とのつながりを大事にして、そうですね、年内で300フォロワー?くらいだと低すぎるかな。500フォロワーくらいを目指そうかな。そしたらそこからまた、それをどう活用するかを考えます。
忙しいときは、クリエイターさんの為になることをRTしたり、文章で書いたりするだけになります。余裕がでてきたら、イラストや漫画もアップして行きたいですね。
最後に
こんな感じですが、参考になりましたでしょうか?
「特殊すぎて参考になんねーよ!」
という方もいらっしゃると思いますが、誰か一人にでも参考になったり、私という人間を知ってもらえたら幸いです。
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