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Mindful Parenting (マインドフル・ペアレンティング)#1 — 赤ちゃんにもできる、心を落ち着ける呼吸法

夫がマインドフルネスを教えて長いので、さぞかし妻のわたしも年季の入ったメディテーターかと思えば、実はそんなことはなく、本格的に瞑想を学んだことは一度もありません。夫曰くわたしはナチュラルマインドフルネス(造語)な人だそうで。「奥さんも瞑想するの?」と聞かれるたびに「僕はマインドフルネスの修行者と結婚したいんじゃなくて、(勉強しようがしまいが)マインドフルな人と一緒にいたいんだ」と言ってくれます。

そんなわたしも、夫に教わって、一つだけやっていることがあります。それは特別な(でも簡単な)意識集中方法。グランウンディングといいます。やり方は次のとおり。

グラウンディング・エクセサイズ

1: 楽な姿勢で椅子に座る。(寝ていてもできますが、初めての時は座ってやるとわかりやすいです)

2: へその下に意識を集中して、腹式呼吸。(鼻から息を吸って口からゆっくり吐く。)

3: 呼吸を整え、体と椅子の接地点に意識を集中する。

4: 落ち着いたら、足と地面の設置点に意識を移し、集中する。

5: 最後に自分の足の裏から地面の奥へ向かって根が生えたようなイメージをする。

全部の過程をゆっくり、じっくり、10〜15分くらいかけてやると効果的ですが、「今必要!」という時に、ささっと10秒くらいで軽くイメージだけして瞬間リフレッシュに役立てても構わないと思います。わたしは、車の中で運転中にやることもありますし、実はクライアントと話しながらやることもあります。自分にプレッシャーを感じたり、ストレスを感じたと思ったらやってみると、まるで体重まで軽くなったみたいに気持ちがスーッとスッキリしますよ。嫌なメールが来た時なんかに、すぐに返事を書かずに、まずはこれをやってから書いてみてください。

さて、タイトルに「赤ちゃんでもできる」と書きましたが、「こんなの赤ちゃんじゃできないよ!」と思った方。そんなことはないんです。全部は無理でも、赤ちゃんにもできることがあるんです。グラウンディングの流れとして腹式呼吸と書きましたが、ここで最も大事なのは「鼻から息を吸って口からゆっくり吐き出す」ということ。ヨガをやっている人はわかると思いますが、この基本の呼吸法は神経系に対して天然精神安定剤と言われています。

わたしの息子には1歳前半くらいから、教え始めました。やり方は簡単です。転んだり、ぶつけたり、何か不本意なことがあったり、本人が嫌な思いをした時、ぎゅっと胸に抱きしめて、子供の耳元で、鼻からすっと息を吸い、口からゆっくり吐く。ああしろこうしろ、と言わなくても、うちの子はこれだけで自然に覚えてくれました。その他にも、お風呂上がりに必ず抱きしめて、3回くらいやります。ささっとやって終わらそうとすると、むしろ息子が「ちゃんとやれ!」という感じで催促するくらいです。

呼吸法からは話がずれますが、もう一つ大事なのは、何かが起きた時に、大人があまり大ごとにしないことです。転んでも、また自分で立ち上がる強さを持つ子供を育てるには、親自身も心を強く持たなくてはいけません。転んだら「あっ!大丈夫?痛くなかった?」などとすぐに抱き上げたり大げさに慰めたりすると、「いま自分に何か大変なことが起こったんだ!」と子供が思ってしまいます。何か事故が起きた時は、まずは冷静に子供の様子を観察するのをわたしはおすすめします。案外子供は平気な顔をして、すぐに遊びに戻ったりしますよ。

このおかげで、彼は転んだくらいでは大騒ぎをしない子に育っています。泣いて抱きついてくる時は、大抵本当に大きな傷がついていたり、たんこぶができるほど打ち付けている時なので、親もわかりやすくて助かっています。

さて、この「マインドフル・ペアレンティング」シリーズ、いろんな本や人から聞いた話を元にわたしなりに実践し、効果的と思った子育てのやり方を少しずつシリーズで紹介します。今回はまさにマインドフルネスそのもののテクニックを書きましたが、今後は不定期で褒め方、怒り方、遊び方などについて、わたしが学んだことを少しづつ書いていきたいと思います。子育てに正解などありませんが、失敗や悩みなど経験から得たことを、こうやってシェアしながら親同士助け合っていけることは、わたしの喜びです。

※追記:これは2017/9/26に書いた記事を、ブログのプラットフォーム移行に伴い、若干の修正を加えて転載したものです。

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