息子へ/1
結婚を決めた時には夫と私は30越えていたので、入籍を待つことなく子供を授かった。その子が息子、あなたです。
女の子を希望していたけど、性別が男の子と決定したからといって落胆などはなかった。顔も見ぬ息子の将来を想像しながら名前を考えた。
元気な胎動を感じる頃には、もうどんな子でもいいから産まれてきてくれればそれでいいと純粋に願った。
夜中に陣痛が始まり、夫と共に病院へ行くも、まだまだ産まれないからご主人帰ってて。と夫は帰される。それから30分位だろうか、助産師さんが慌て始めた。医師と話してる内容がなんだかあやしい。
「赤ちゃんの心拍が落ちてるので、陣痛止めて帝王切開できる病院へ搬送します。ご主人に連絡とって!」
え、言ってる意味分かんない。何?赤ちゃん危険なの?どこへ搬送されるの?怖いよ。。。
夫に電話するもうまく説明できず、とにかく戻ってきてもらい医師より説明してもらう。
どうやらへその緒が首に巻き付いている可能性があり、そのために陣痛のタイミングで赤ちゃんの心拍が落ちているのではないかということだった。
不安のなか、救急車のサイレンに包まれ、不安は恐怖へとなり搬送されることとなった。
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