見出し画像

もう、自分を許して

「そうでなかったかもしれない人生」のことを考えるときがある。

いじめで学校に行けなかった世界線や、受験や就職で大ゴケした世界線。
大切な友人たちに出会わなかった世界線、親から大事にされなかった世界線。

大人になるにつれて、周りのことや社会のことが少しずつ見えてくる。
世の中には「こんな人もいるのか」とか「こんな苦労があるのか」と気づく。

今の自分の生活がとても幸福なことだと思える。

決して順風満帆とは言えず、絶えず何かを求めてばかりだけれど、
そもそもスタートラインが異なったり、自分にとって何が必要なのかは人それぞれだ。

当たり前に「今」があるのも、ほかの誰かにはないことだってある。

***

昔から「変人」と扱われることが多い。
そのせいで、いろいろ苦労したことこともある。コミュニティから排斥されるのはよくあることだった。自分の性格や考え方を変えようと躍起になっていた時期もあった。

だけど、今はそんな自分でもいいかなと思う。
親も特に直そうとはせず、個性を尊重して育ててきてくれたわけで、今さら変わるものでもないだろう。

それに今の職場だとなぜか面白がられることが多い。
わざわざ自分に声をかけてくれる人や、食事や飲み会に誘ってくれる先輩・後輩がいて、割と楽しく仕事ができていると思う。

人から許されているのだ。
至らない点は多々あるし、失礼なこともたくさんしてきた。
恥を晒しながら生きてて、もう耳は真っ赤っか。

こんなんでも、何とか生きていけるのは、
自分はたくさんの人から許されているからだ。

だから、自分も人を許せる人間で在りたい。

***

そうでなかった世界線について…
仮に今とは違う道を歩んでいたとしても、その時はその時なりに自分の人生を楽しんだり苦しんだりしているだろう。

上手に生きられたところで、結局はそんなに変わらない気がする。
そう思える時もある。

頭は悪いよりかは賢いほうが絶対いい。見た目も綺麗に越したことはない。
だけど、そういう資質や能力のせいで、人より多く苦労をしたり、傷つくことだってある。

上を見てもキリがないし、下を見てもキリがない。
なんやかんや、今のままでよかったりする。

誰もが自分の物語の中で、それぞれの幸せに辿り着けたらいいと思う。

今は今の自分の人生で幸せを見つければいい。
そうでないまた別の人生だったら、またそこでその時の幸せを探せばいい。

不幸でいつづけることは怠慢だし、幸せになろうとしないことは卑怯だよ…

不幸なくらいで許されると思うな。ハッピーエンドを目指すべきだ。

終物語 (西尾維新)

物語シリーズで私のいちばん好きなキャラの斧乃木ちゃんのセリフ。

誰しも恵まれない要素を持っている。
だけど、それを理由に何もしないというのは情けない話だ。
何もかも持っている人はいないし、多くの資質を備えた人でも、心の内には絶望を抱えているかもしれない。

そもそも、運命なんて人の手でそうそう変えられるものではない。
うまくいく時はうまくいくし、うまくいかない時はうまくいかないのだ。

だからといって、不幸や不条理に甘えていても仕方がない。
与えられた運命の中で、自分にできることを一生懸命やったほうがいい。
その方がきっと後悔も少ない。

失ってから得るものもあるかもしれない。

意図せず誰かを傷つけてしまうと、すごく自分のことが嫌になる。

でもそれはみんな一緒で、
自分自身のことをくまなく理解することは難しい。
人から言われて初めて自分の知らない一面に気づくことだってある。

自分のことすらわからないのだから、相手のことなんて尚更わからない。

だから、自分のことを許すしかない。

自分のことが許せるから、他人のことも許せる。
自分のことを大事にできるから、他人のことも大事にできる。

夢や目標が叶わない時だってある。
もっと頑張っていれば、あの時こうしていれば、と過ぎ去ったことを思う。

その時もやっぱり自分を許してあげる。
努力や苦労をした自分を認めてあげる。

そうやって自分に優しくしてあげて、
他人にもその優しさをおすそ分けできたらいいなと思う。










この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?