【日記】生活にみえるもの
朝7時30分。換気のために窓を開け放す。上の階か、隣の部屋かはわからないが、どこからかテレビのニュースの音とトースターでパンを焼く音が聞こえてきた。
ああ、これは紛う事なき「生活」だ、としみじみ思う。自分では出さない音たち(ニュースは見ないし、トースターも持っていない)に、他者の生活を垣間見る。こんなに近くで、自分以外の人間が日常生活を送っている。
これは何か知っている風景に似ている。自分が出さない音が、同居している風景。
それは実家の朝の様子だったか、一時期恋人と暮らしていた時期の様子だったか。定かではないが、いやに気持ちが落ち着いた。
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