ネガティブ・ケイパビリティ 答えの出ない事態に耐える力 -箒木蓬生-

偶然立ち寄った書店で目にしたこの本は、あるラジオ番組の一節を思い出させてくれました。

「人は事象を物語に当てはめ、わかった気になる」という話でした。この言葉が引き金となり、ネガティブ・ケイパビリティ――すなわち、簡単には理解できないことを受け入れる力――について学んでみようと思いました。

日々の生活の中で、私たちはしばしば複雑な事柄を単純化し、表面的な物語をその上に被せることで、全てを把握したと錯覚します。

ビジネスの世界では、速やかな判断と行動が求められるため、この方法が常に悪いわけではありません。しかし、自分がこのアプローチを選んでいることに気づき、その選択を意識的に行うことの重要性を、この本を通じて学びました。

本書では、ネガティブ・ケイパビリティの歴史や、なぜ広く浸透しなかったのか、その社会的背景についても詳述されています。この点も非常に興味深く、同じ興味を持つ方々に是非お勧めしたいと思います。

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